応用数学Ⅲ

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 応用数学Ⅲ
科目番号 0206 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 建築学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 基礎解析学(改訂版)(矢野,石原・裳華房)
担当教員 森口 博文

到達目標

以下の項目を目標とする.
(1)複素数の定義や性質による計算
(2)複素平面を利用した視覚的な理解と計算
(3)正則とコーシー・リーマン方程式の理解
(4)コーシーの積分公式による複素積分計算
(5)留数定理による複素積分の計算
(6)複素積分の応用としての実積分の計算

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1基礎的な定義や性質に従って,複素数を含む計算問題を 8 割以上解くことができる.基礎的な定義や性質に従って,複素数を含む計算問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる.基礎的な定義や性質に従って,複素数を含む計算問題を解くことができない.
評価項目2複素平面の概念を理解し,図形や極形式など関連問題を視覚的に 8 割以上解くことができる.複素平面の概念を理解し,図形や極形式など関連問題を視覚的にほぼ正確(6 割以上)に解くことができる.複素平面の概念を理解し,図形や極形式など関連問題を視覚的に解くことができない.
評価項目3複素関数の微分と正則、その条件であるコーシ・リーマン方程式に関する問題を 8 割以上解くことができる.複素関数の微分と正則、その条件であるコーシー・リーマン方程式に関する問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる.複素関数の微分と正則、その条件であるコーシー・リーマン方程式に関する問題を解くことができない.
評価項目4コーシーの定理や積分公式を利用した複素積分に関する計算問題を 8 割以上解くことができる.コーシーの定理や積分公式を利用した複素積分に関する計算問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる.コーシーの定理や積分公式を利用した複素積分に関する計算問題を解くことができない.
評価項目5ローラン展開と留数定理の関係を理解し, 留数定理による複素積分に関する計算問題を 8 割以上解くことができる.ローラン展開と留数定理の関係を理解し, 留数定理による複素積分に関する計算問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる.ローラン展開と留数定理の関係を理解し, 留数定理による複素積分に関する計算問題を解くことができない.
評価項目6複素積分の応用としての実積分に関する計算問題を 8 割以上解くことができる.複素積分の応用としての実積分に関する計算問題をほぼ正確(6 割以上)に解くことができる.複素積分の応用としての実積分に関する計算問題を解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
直接測定可能な量の実数と異なるが,多くの工学的分野や他の応用数学に応用される複素関数の微分や積分を理解し計算できることを目標とする.微分積分や線形代数を含む数学は基礎知識として関連あり,微分積分などの応用事例としての理解が深まることも期待できる.
授業の進め方・方法:
授業で教科書,画像配信とプリントを利用する.英語導入計画:Technical terms
注意点:
(例題等を参考に)多くの演習問題を自分の手で解いて,自然科学特有の思考の流れをつかみ他に適用できるように努めてもらいたい.また単に公式適用の練習で済ませるのではなく,本質にある不可欠な概念とそれらの関係を考えてもらいたい.授業と演習を通じて自分の数学の知識を確認して,復習や予習の自宅学習も必要である.1~3年数学の教科書を持参して利用すると良い.課題・小テスト等には、授業中の演習や質疑応答等が大きく反映される.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 複素数(複素数の定義、実部、虚部、四則演算、共役複素) 複素数の定義と共役複素を理解する。
2週 複素数(絶対値)と複素平面(図形) 絶対値と複素平面上の図形を理解する。
3週 複素数と複素平面(極形式、ド・モアブルの定理、n乗根) 極形式とド・モアブルの定理とn乗根を理解する。
4週 複素関数(複素変数の関数、z平面とw平面の図形、極限、微分の定義) 複素変数の関数と極限と微分の定義を理解する。
5週 複素関数の微分(正則、導関数、コーシー・リーマンの方程式) 正則とコーシー・リーマンの方程式を理解する。
6週 複素関数の微分(調和関数、基本的な正則関数) 調和関数と基本的な正則関数を理解する。
7週 複素関数の微分(基本的な正則関数、逆関数) 基本的な正則関数と逆関数を理解する。
8週 中間試験
4thQ
9週 複素関数の積分(複素積分の定義、 不定積分, コーシーの定理) 複素積分の定義とコーシーの定理を理解する。
10週 複素関数の積分(コーシーの積分公式(表示)) コーシーの積分公式(表示)を理解する。
11週 複素関数の積分(コーシーの積分公式(表示)の拡張) コーシーの積分公式(表示)の拡張を理解する。
12週 複素関数の積分(テイラー展開とローラン展開) テイラー展開とローラン展開を理解する。
13週 複素関数の積分(特異点の分類と極・留数, 留数定理による積分) 極・留数, 留数定理による積分を理解する。
14週 複素関数の応用(実関数の定積分) 実関数の定積分を理解する。
15週 期末試験の解答の解説など,複素関数や等角写像についての演習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題・小テスト等合計
総合評価割合20016216
得点20016216
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