企業経営概論

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 企業経営概論
科目番号 0011 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 先端融合開発専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 新版MBAビジネスプラン(グロービス経営大学院著,ダイヤモンド社発行)/補助テキスト:講師作成
担当教員 廣瀬 満浩,小栗 久和,山本 高久

到達目標

① 企業経営に必要な内容を知り、理解し、各種のケースを通じて理解を更に深める。
② ビジネスプランは、企業活動を網羅しており、全体を掴むのに最適である。
③ 具体的には、ビジネスプランのフレームワーク、ビジョン・ミッション・経営理念、ビジネスモデルと戦略、ファイナンスとリーダーシップの基礎を学ぶ。
④ 財務諸表と原価が分かり、経営とビジネスにも強いエンジニアへの第一歩とする。
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ビジネスプランの意義や内容、注意点が理解でき、企業事例に対してビジョン・ミッション・経営理念の役割やつながりを考察することができる。左記の内容を個々に理解しているが、企業事例に対しての考察が不十分である。部分的な理解に留まっている。
評価項目2教科書の索引に記載がある専門用語の意味を80%以上理解している。教科書の索引にある専門用語の意味を60%以上理解している。教科書の索引にある専門用語の意味を60%未満しか理解していない。
評価項目3ビジネスモデル、主な戦略、セグメンテーションやKBFなどのマーケティング内容や考え方を理解しており、それらを一連の流れとして関係づけも出来ている。左記に関係する内容を、理解できてはいるが、まだ分断的な理解に留まっている。内容の理解も乏しく、部分的な理解に留まっている。
評価項目4財務3表や原価の内容と専門用語が理解でき、3表間の関係や原価管理への発展の仕方が理解出来ている。またBEPの算出が出来る。財務3表、原価に関わる内容や専門用語をほぼ理解し、BEPが算出できる。財務3表や原価の内容や専門用語の意味も不十分で、BEPの算出に誤りがある。
評価項目5予測財務諸表の作成や代表的投資判断の手法の考え方や知識が身に着いており、シミュレートすることが出来る。出来ている財務諸表や代表的投資判断手法についての理解や考察が出来る。なんとか理解できるが、考察力が乏しい。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
企業経営に必要な知識と数字を理解して、将来これを使いこなせるエンジニアになることをめざし、企業経営の基礎を学習する。
※実務との関係
この科目は、企業で設計・開発・品質管理・営業・サービス・経営企画・人事・会社経営の経験を持ち、 社内研修の講師をしている教員が、その経験を活かし企業経営について財務も含め多面的に授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
・経験者の観点から、企業経営の基礎や財務数字の理解と捉え方について、質問やワークも交えながら解説をする。
・自主学習も含めて、企業経営に関する実務的な考え方や捉え方を理解することにより、社会に出るステップとする。
・企業ですぐに必要となってくるPDCAやKPI、リーダーシップについての基礎も学習する。
英語導入計画:なし
注意点:
授業の内容を確実に身につけるために,予習・復習が必須である.なお,成績評価には授業外学習の内容は含まれる.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 企業活動とビジネスネスプランの意義
ビジネスプランの意義、作成への準備内容や注意点が理解できる。
(教室外学習・事前)ビジネスプランの意味と内容について調べる(約2時間)
(教室外学習・事後)授業を参考に起業時に考慮すべきことをまとめる(約2時間)
2週 ビジネスネスプランの構成
(ALのレベル:C)
全体構成を知り、各項の目的に合致した盛り込み内容が理解できる。
(教室外学習・事前)教科書の介護事業を読み、拙い点を整理する(約1時間)
(教室外学習・事後)ビジネスプランの構成要素を、ノートにまとめる(約3時間)
3週 ビジョン、ミッション、経営理念
(ALのレベル:B)
事例からビジョンの重要性と作り方が考察できる。
ミッションや経営理念の果たす役割が理解できる。
(教室外学習・事前)ビジョン、ミッション、経営理念の意味を理解する(約1時間)
(教室外学習・事後)興味ある企業を2社選択し、上記の視点で比較する(約3時間)
4週 標的市場と提供価値
(ALのレベル:B)
市場のセグメテーション分けとKBFに合致した顧客価値の提供、利益獲得法について考え理解できる。
(教室外学習・事前)ビジネスの根幹“誰に何を”を鎌倉投信例で纏める(約1時間)
(教室外学習・事後)何か商品を選び、その利益獲得法をノートに纏める(約3時間)
5週 ビジネスモデル
(ALのレベル:B)
事例を通じてビジネスモデルを理解し、利益モデルとBEPを考察し算出できる。
(教室外学習・事前)身近な商品で23の利益モデルのどれかを考える(約2時間)
(教室外学習・事後)損益分岐点BEPの練習問題を行い理解する(約2時間)
6週 事業戦略
(ALのレベル:C)
事例から各種の事業のタイプを知り、事業を成功に導く考え方と落とし穴が理解できる。
(教室外学習・事前)どんな事業戦略があるのかを、教科書で予習する(約2時間)
(教室外学習・事後)事業戦略事例を調査し、その成功/失敗要因を纏める(約2時間)
7週 マーケティングとオペレーション
(ALのレベル:C)
事業戦略やビジネスモデルから具体的なマーケティングやオペレーションへの展開が理解できる。
(教室外学習・事前)マーケティングと販売の違いを調査し、理解する(約1時間)
(教室外学習・事後)進化の激しいマーケティングの現代史を纏める(約3時間)
8週 財務諸表
(ALのレベル:B)
財務3表と呼ばれるBS、PL、CSの内容と3表間の関係が理解できる。
(教室外学習・事前)財務3表の専門用語を一通り予習する(約2時間)
(教室外学習・事後) B/S、P/L、CSの繫がり・内容・用途を纏める(約2時間)
4thQ
9週 財務諸表と原価の関係
(ALのレベル:B)
各種ある原価の意味と財務諸表との関係が理解できる。
(教室外学習・事前)原価関係の専門用語とその意味を一通り予習する(約2時間)
(教室外学習・事後)各種の原価内容と財務諸表との関係を整理する(約2時間)
10週 原価管理
(ALのレベル:B)
標準原価と実際原価の乖離管理が理解できる。
(8~10週は11週以降の下準備でもある)
(教室外学習・事前)管理会計の意味と限界利益を予習し、図にまとめる(約2時間)
(教室外学習・事後)標準原価と実際原価の管理と是正方法を纏める(約2時間)
11週 予測財務諸表とプロジェクトの評価
(ALのレベル:C)
PLとCFの予測法、投資の評価と判断の考え方や
代表的手法(NPV、WACCなど)が理解できる。
(教室外学習・事前)図表4-1,2,3を出来るだけ理解して授業に臨む(約2時間)
(教室外学習・事後)各種投資回収法とWACCについてノートに纏める(約2時間)
12週 キャッシュフロー(CF)シミュレーション
(ALのレベル:B)
何時どれだけキャッシュが必要で、どう入手するかについて事例からシミュレートできる。
(教室外学習・事前)図表4-10~18の算出法を理解して授業に臨む(約3時間)
(教室外学習・事後)BEPの復習と株式発行と借入の長所短所を比較する(約1時間)
13週 財務計画と管理
(ALのレベル:B)
財務計画を立てKPIを決め、それをPDCAで回し管理する。この一連の管理法が理解できる。
(教室外学習・事前)管理に使うPDCAやKPIの意味を調べておく(約1時間)
(教室外学習・事後)第8週から13週までの内容を、ノートに整理する(約3時間)
14週 ケーススタディ…G(グループ)ワーク
(ALのレベル:A)
企業で発生する問題事例を読み、それについて分析し、グループで討論し発表する。分析力・説得力・プレゼン能力を培う。
(教室外学習・事前)ワークを読み課題や考えを纏め、討議の準備を行う(約3時間)
(教室外学習・事後)授業で討議した内容を整理し、ノートに纏める(約1時間)
15週 チームのあり方とリーダーの役割(Gワーク含)
(ALのレベル:A)
戦略を実現する組織とチーム、リーダーシップについて、討議し考察できる。
(教室外学習・事前)リーダーシップの意味と好事例を調査する(約3時間)
(教室外学習・事後)討議内容も参考に理想のリーダーシップ像を纏める(約1時間)
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
得点100100