特別実験(前期)

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 特別実験(前期)
科目番号 0005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 先端融合開発専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 実験開始時に技術資料・参考資料などを配布する。
担当教員 鶴田 佳子,廣瀬 康之,福永 哲也,藤田 一彦,北川 輝彦

到達目標

B-1計画
①問題抽出・検討能力
課題や構想を実現する過程で発生する実務上の問題(製作手法,製作材料,機構、耐久性,経済性,安全性,機能性,倫理性,環境問題等)を予想・抽出し,実現可能なものかどうかを検討・判断できる。
②設計・計画能力
得られた知識・技術に創造性を加え,課題や構想を実現するための実施計画(概念設計,実体設計,詳細設計)を具体的に,計画書,プログラム,設計図などで表現できる。
B-2実行
③知識・技術取得能力
既存の知識・技術を駆使して解決を試み,解決できない場合には,自主的に,新たに必要となる知識・技術の取得あるいは未知の知識・技術を整理・統合できる。
④協調・管理統率能力
共同実験者や実験指導者(教員などのスタッフ)やユーザ等とのコミュニケーションを通じて,チームで協調し,管理統率ができる。
⑤実践能力
種々の制約のもと,課題や構想を実施計画に従って,自主的かつ継続的に着実に実行できる。
⑥継続的改善能力
継続して点検を欠かさず,計画を尊重しつつ創造性を発揮し,スパイラルアップを目指すことができる。
⑦報告書作成・プレゼンテーション能力
完成した作品や実体の分析(空間機能性など)を報告書にまとめ,プレゼンテーションができる。
⑧評価能力
完成した作品や実体の分析(空間機能性など)を自己評価し,さらに他の作品等を正当に評価できる。
D-5異分野
⑨複数の分野にまたがった計画の立案・遂行
複数の分野にまたがった計画を立案し,これを遂行できる。
E情報処理
⑩情報機器を使いこなし,専門分野で必要とされるプログラムを構築する能力を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1「問題抽出・検討能力」アイデアレポートにおいて、限られた制約条件のもと完成にいた るロボットのコンセプトが具体的で明確である。(5段階評価し,その平均値が4以上)アイデアレポートにおいて、ロボットのコンセプトが確認できる。(5段階評価し,その平均値が3以上)アイデアレポートにおいて、ロボットのコンセプトが確認できない。(5段階評価し,その平均値が3未満)
評価項目2「設計・計画能力」アイデアレポートにおいて、完成にいたる道筋が具体的で実現が可能なものである。(5段階評価し,その平均値が4以上)アイデアレポートにおいて、完成にいたる道筋が確認できる。(5段階評価し,その平均値が3以上)アイデアレポートにおいて、完成にいたる道筋が確認できない。(5段階評価し,その平均値が3未満)
評価項目3「知識・技術取得能力」報告書(班、個人レポート)、発表会、作品において、他科の新たな知識・技術の獲得が確認できる。(5段階評価し,その平均値が4以上)報告書(班、個人レポート)、発表会、作品において、他科の新たな知識・技術の理解ができる。(5段階評価し,その平均値が3以上)報告書(班、個人レポート)、発表会、作品において、他科の新たな知識・技術の理解ができない。(5段階評価し,その平均値が3未満)
評価項目4「協調・管理統率能力」計画書、報告書において、分担が明確であり 、協同して完成させたことが確認できる。(5段階評価し,その平均値が4以上)計画書、報告書をグループで分担し作成できる。(5段階評価し,その平均値が3以上)計画書、報告書をグループで分担し作成できない。(5段階評価し,その平均値が3未満)
評価項目5「実践能力」作品、発表会において、ロボットがコンセプト通りに競技課題をこなす。(5段階評価し,その平均値が4以上)作品、発表会において、ロボットが競技課題をこなす。(5段階評価し,その平均値が3以上)作品、発表会において、ロボットが動作しない。(5段階評価し,その平均値が3未満)
評価項目6「継続的改善能力」報告書、発表会、作品 において、複数回の改善が確認できる。(5段階評価し,その平均値が4以上)報告書、発表会、作品 において、改善が確認できる。(5段階評価し,その平均値が3以上)報告書、発表会、作品 において、改善が確認できない。(5段階評価し,その平均値が3未満)
評価項目7「報告書作成・プレゼンテーション能力」報告書、プレゼンテーションの体裁等が守られ、論理的整合性がある。(5段階評価し,その平均値が4以上)報告書を完成させ、プレゼンテーションを一通りこなせる。(5段階評価し,その平均値が3以上)報告書が未完成、プレゼンテーションが実施できない。(5段階評価し,その平均値が3未満)
評価項目8「評価能力」発表会、報告書において、他の作品との比較 が行われ、論理的整合性のある評価が確認 できる。(5段階評価し,その平均値が4以上)発表会、報告書において、他の作品との技術的な差異を認識、評価できる。(5段階評価し,その平均値が3以上)発表会、報告書において、他の作品との技術的な差異を認識、評価できない。
評価項目9「複数の分野にまたがった計画の立案・遂行能力」計画書、作品、発表会 、報告書において、専門とは異なる技術分野の知識・技術の獲得が確認できる。(5段階評価し,その平均値が4以上)計画書、作品、発表会 、報告書において、専門とは異なる技術分野の知識・技術の理解が確認できる。(5段階評価し,その平均値が3以上)計画書、作品、発表会 、報告書において、専門とは異なる技術分野の知識・技術の理解が確認できない。(5段階評価し,その平均値が3未満)
評価項目10「情報機器を使いこなし,専門分野で必要とされるプログラムを構築する能力」報告書において、専門分野で必要とされるプログラムが正しく記述されており、動作を説明できる。(5段階評価し,その平均値が4以上)報告書において、専門分野で必要とされるプログラムの大まかな動きを理解している。(5段階評価し,その平均値が3以上)報告書において、専門分野で必要とされるプログラムの大まかな動きを理解していない。(5段階評価し,その平均値が3未満)

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
Aコース:本実験は,予め決められた課題をクリアするための自作のロボットを設計・製作し,競技会を行うことでロボットの総合評価を行う実験である。競技課題に合わせて各班でセンサ,駆動装置及びマイクロコンピュータ(PICなど)を搭載した自律移動ロボットを設計・製作する。8週目当りの中間報告会で自作ロボットによる,ライントレース走行試験を行って,更にその後の数回にわたる実験時間を使って,自律移動ロボットを改良する。最後に完成したロボットによる公開競技会を行って,自律移動ロボットの総合評価試験を行う。競技会終了後の実験では,班毎に自作のロボットに関する技術プレゼンテーションを行って,学生間による技術討論会を開催する。最後に,これまでの設計・製作過程を班レポートおよび個人レポートとして,実験レポートにまとめる。こうした自律移動ロボットの設計・製作,評価という「ものづくり」を中心としたPBL(Problem Based Learning)実験を通して,以下の目標を達成することを目指す。
Bコース:文部科学省主催の全国高等専門学校デザインコンペティションにおける構造デザイン部門の課題を対象としPBLを通して目標達成を目指す。
Cコース:文部科学省主催の全国高等専門学校デザインコンペティションにおける創造デザイン部門および空間デザイン部門またはその他の建築設計設計競技の課題を対象とし、CBL(Community Based Learning)を導入した地域解決型設計提案を行う。
授業の進め方・方法:
設計・製作の時間が限られているので,班内で協力し,スケジュールを立てて製作に取り組むこと。レポート作成や設計図面の入力,プログラム開発を効率よく行うためにノートパソコンを準備しておくとよい。回路基板やロボットの写真なども設計・製作途中に撮影しておくと,レポート作成が効率的にできる。
学習・教育目標(B-1)10%,(B-2)30%,(D-3創生、エネルギー系)35%(D-5)15%,(E)10%
JABEE基準1(1):(c),(d),(e),(g),(h),(i)
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 A:授業の進め方・実験概要・評価方法の説明,基礎技術の説明と実習(ALレベル:C)
B:課題説明、評価方法の説明、安全教育(ALレベル:C)
C:調べ学習(ALレベル:C)
A:アイデアの検討
B:アイデアの検討 
C:取組設計競技の検討
2週 A:基礎技術の説明と実習(ALレベル:C)
B:課題の検討と構造解析(ALレベル:C)
C:調べ学習(ALレベル:C)
A:アイデアの検討
B:アイデアの検討
C:CBL実施のための事前調査
3週 A:アイデアの検討とロボットの仕様設計(ALレベル:C)
B:課題の検討と構造解析(ALレベル:C)
C:計画書作成(ALレベル:C)
A:プレゼンテーション準備
B:プレゼンテーション準備
C:CBL実施計画書の作成
4週 A:アイデアレポートに関するプレゼンテーション,ロボットの設計・製作(ALレベル:C)
B:アイデアレポートのプレゼンテーション(ALレベル:C)
C:学外調査(ALレベル:A)
A:アイデア,計画の見直し
B:アイデアの再検討
C:設計対象地域の現地調査
5週 A:ロボットの設計・製作(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
C:ワークショップ(ALレベル:A)
A:ライントレース機能の検討
B:試作品の検討
C:現地調査に基づワークショップ
6週 A:ロボットの設計・製作(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
C:コンセプト検討(ALレベル:C)
A:ライントレース機能の検討
B:試作品の検討
C:設計コンセプトの検討
7週 A:ロボットの設計・製作(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
C:コンセプト検討(ALレベル:C)
A:ライントレース機能の改良
B:試作品の制作とプレゼンテーションの準備
C:設計コンセプトの検討
8週 A:ロボットの設計・製作,中間報告会(ALレベル:C)
B:中間報告会1・技術討論会(ALレベル:C)
C:コンセプト検討(ALレベル:C)
A:ライントレース機能の改良
B:試作品の再検討
C:設計コンセプトの検討
2ndQ
9週 A:ロボットの設計・製作(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
C:設計(ALレベル:C)
A:ランサーロボットの検討
B:試作品の検討
C:設計計画の検討
10週 A:ロボットの設計改良・製作(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
C:設計(ALレベル:C)
A:ランサーロボットの改良
B:試作品の検討
C:設計計画の検討
11週 A:ロボットの設計改良・製作(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
C:設計(ALレベル:C)
A:ランサーロボットの改良
B:試作品の制作とプレゼンテーションの準備
C:設計計画の検討
12週 A:ロボットの設計改良・製作(ALレベル:C)
B:中間報告会2・技術討論会(ALレベル:C)
C:設計(ALレベル:C)
A:ランサーロボットの改良
B:試作品の再検討
C:設計計画の検討
13週 A:ロボットの設計改良・製作・調整(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
C:CAD・CGによる図面制作(ALレベル:C)
A:最終調整,競技会準備
B:試作品の再検討
C:作品制作
14週 A:公開競技会(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
C:CAD・CGによる図面制作(ALレベル:C)
A:プレゼンテーション準備
B:試作品の再検討
C:作品制作
15週 A:技術討論会,レポート作成方法の説明・レポート作成(ALレベル:C)
B:最終レポート作成(ALレベル:C)
C:CAD・CGによる図面制作(ALレベル:C)
A:レポート作成
B:試作品の再検討
C:作品制作
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

A:中間発表会A:公開競技会A:実験レポートB:計画書B:中間報告会・試作品実験会B:制作レポートB:成果物合計
総合評価割合103060204020120300
A:専門的能力1030600000100
B:専門的能力00020402020100
C:専門的能力000000100100