環境生態工学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 環境生態工学
科目番号 0007 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 先端融合開発専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:環境生物工学(海野 肇・松村正利・藤江幸一ほか, 講談社サイエンティフィク, 2002) 
担当教員 鈴木 正人

目的・到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
①環境容量の基本的な理解 
②物質のマクロ的な循環の理解 
③自然生態系のしくみ(原則)の理解 
④生物間伝達方法等の理解
⑤社会活動と水環境の関わりの理解  
⑥社会活動と大気環境の関わりの理解
⑦社会活動と土壌環境の関わりの理解
⑧環境修復技術の理解
⑨都市環境の物質循環と環境浄化の理解
⑩環境リスクと環境管理システムの基本に関する理解

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1環境容量を理解し,ロジスティックモデルなどについて,正確に(8割程度)説明できる環境容量を理解し,ロジスティックモデルなどについて,ほぼ正確に(6割程度)説明できる環境容量,ロジスティックモデルなどの基本的な知識が無い
評価項目2マクロ的な物質循環(C,N,Pなど)について,正確に(8割程度)図示して説明できるマクロ的な物質循環(C,N,Pなど)について,ほぼ正確に(6割程度)図示して説明できるマクロ的な物質循環(C,N,Pなど)の基本的な知識が無い
評価項目3自然生態系の基本原則のいくつかについて,正確に(8割程度)説明できる自然生態系の基本原則のいくつかについて,ほぼ正確に(6割程度)説明できる自然生態系の基本原則の基本的な知識が無い
評価項目4複数の生物種,種間の競争・寄生・共生モデル,化学コミュニケーションなどについて,正確に(8割程度)説明できる複数の生物種,種間の競争・寄生・共生モデル,化学コミュニケーションなどについて,ほぼ正確に(6割程度)説明できる複数の生物種,種間の競争・寄生・共生モデル,化学コミュニケーションなどの基本的な知識が無い
評価項目5水環境(栄養塩N,Pなど)の生物浄化機能について,正確に(8割程度)説明できる水環境(栄養塩N,Pなど)の生物浄化機能について,ほぼ正確に(6割程度)説明できる水環境(栄養塩N,Pなど)の生物浄化機能の基本的な知識が無い
評価項目6大気環境(CO2,N2など)の生物浄化機能について,正確に(8割程度)説明できる大気環境(CO2,N2など)の生物浄化機能について,ほぼ正確に(6割程度)説明できる大気環境(CO2,N2など)の生物浄化機能の基本的な知識が無い
評価項目7土壌環境(コンポスト化など)の生物浄化機能について,正確に(8割程度)説明できる土壌環境(コンポスト化など)の生物浄化機能について,ほぼ正確に(6割程度)説明できる土壌環境(コンポスト化など)の生物浄化機能の基本的な知識が無い
評価項目8環境修復技術(バイオレメディエーションなど)について,正確に(8割程度)説明できる環境修復技術(バイオレメディエーションなど)について,ほぼ正確に(6割程度)説明できる環境修復技術(バイオレメディエーションなど)の基本的な知識が無い
評価項目9都市環境における物質循環と環境浄化について,工学的観点から正確に(8割程度)説明できる都市環境における物質循環と環境浄化について,工学的観点からほぼ正確に(6割程度)説明できる都市環境における物質循環と環境浄化の基本的な知識が無い
評価項目10環境リスクを踏まえ,環境評価法と環境管理システムなどについて,正確に(8割程度)説明できる.環境リスクを踏まえ,環境評価法と環境管理システムなどについて,ほぼ正確に(6割程度)説明できる.環境リスク,環境評価法と環境管理システムなどの基本的な知識が無い

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
地球規模や地域レベルの環境問題が深刻となり,環境の中の生物と人間の役割・位置を知ることの重要性が高まっている.また,人間の自然への働きかけの歴史や文化を忘れては自然を十分に理解できない.
本講義では生物学・生態学・工学的な見方を通して,とりわけ森林・水・土などのシステム(水圏・地圏・大気圏・生物圏)と社会活動の関わり方を理解し,新たな自然共生型社会システムを構築するための技術(社会技術)を視野に入れた環境管理システムの基本的な考え方を修得する.
授業の進め方と授業内容・方法:
今年度は、遠隔授業が開始されたため、LMS(Moodle)をベースに実施する。また、生態学、環境工学などに関する話題が多岐にわたるので要点を理解し、Teamsによるスライド映像配信、チャットやメール、フィードバックによる振り返り、毎回の演習問題等を中心に行い理解を深める。また、演習課題は提出期限を厳守し、電子データ(できるだけPDFファイル)をLMS(Moodle)にアップロードする。
注意点:
成績評価の方法:
総得点数(200点)=期末試験(100点)+遠隔授業における課題等の提出(100点)、総得点率(%)によって成績評価を行う。
学習・教育目標:(D)100%
※遠隔授業の内容により、成績評価に反映します。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容・方法 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 社会活動と生態系
(循環型社会の現状と課題,環境システム,社会技術)
我々が直面する環境・食料・エネルギー問題は人口問題に深く関係していることを理解している。(教室外学習)50年後の人口予測値(世界・日本)とその値に影響を及ぼす因子について調べる。
2週 環境容量と自然浄化作用
(資源の利用と環境容量,ロジスティックモデル,自然浄化作用の評価)
生態学での定義、環境容量を支える意味としての資源などを理解している。(教室外学習)地球や地域環境問題の環境容量的について演習を行う。
3週 物質のマクロ的な循環
(水循環,エントロピー,炭素・窒素・硫黄・リンの循環)(ALのレベルC)
水循環および元素(炭素・窒素・硫黄・リンなど)の循環,エントロピーの概念について理解している。(教室外学習)このリザーバーの種類、フラックス変動、環境に与える影響などをまとめる。
4週 自然生態系のしくみ(1)
(生態系の概念・生態学の原則:有機物の生産と分解,生態系の遷移)
生態系の概念、生態学の原則である有機物の生産と分解、生態系の遷移などについて理解している。(教室外学習)生態効率と食物連鎖のピラミッドについて演習を行う。
5週 自然生態系のしくみ(2)
(生態学の原則:生態系の多様性・安定性・種間競争)(ALのレベルC)
生態系の多様性・安定性について、生態学的地位(niche)やフィードバックシステムを理解している。(教室外学習)種間の共生・寄生・競争・捕食などの関係,ゲーム理論について演習を行う。
6週 化学生態学の基礎
(植物間,植物と動物,動物間の化学的交渉,アレロパシー,フェロモン,ケミカルコミュニケーション物質)
ケミカルコミュニケーション物質の種類、昆虫の訪花性などについて理解している。(教室外学習)色覚、花の香りの成分、摂餌行動などの関連性を整理する。
7週 社会活動と水環境の関わり
(水系生態系の特徴と役割,有機汚濁物質の微生物分解,活性汚泥微生物と食物連鎖)(ALのレベルC)
水系生態系の構成とその自浄作用、自然汚濁と人為的な汚濁を評価する水質指標などについて理解している。(教室外学習)好気性菌や嫌気性菌を用いた汚水・汚泥処理や高度処理について演習を行う。
8週 廃水処理技術と富栄養化対策
(栄養塩N,Pの微生物処理,捕食・寄生など異種生物間の相互作用を用いた汚濁浄化)
硝化・脱窒反応による窒素除去、生物学的脱リン法などにより、栄養塩N,Pを重要な資源として回収再利用する原理を(教室外学習)生物操作による水質改善(バイオマニュピレーション)について演習を行う。
2ndQ
9週 社会活動と大気環境の関わり
(CO2の放出と固定化,窒素の固定と放出)
光合成細菌によるCO2の固定、根粒菌・藍藻によるN2固定について理解している。(演習問題)揮発性有機化合物(VOC)や臭気物質の除去原理についてまとめる。
10週 社会活動と土壌環境の関わり
(土壌微生物生態系の特徴,木質系資源を分解する微生物,生分解性プラスティック)
微生物によるセルロース・リグニンの分解とそのモデル化について理解している。(教室外学習)その応用例としてコンポスト(compost)や生分解性プラスティックについて演習を行う。
11週 社会活動と汚染環境修復技術
(バイオレメディエーション,微生物機能と汚染修復,植物機能と汚染修復,最適修復手法)(ALのレベルC)
生物機能を利用して環境修復するバイオレメディエーション、植物によるファイトレメディエーションを理解している。(教室外学習)原油・トリクロロエチレン・PCB・ダイオキシン・重金属などの浄化原理をまとめる。
12週 社会活動と物質・エネルギーの循環
(バイオマスを基盤とした物質循環プロセス,生物機能の活用)(ALのレベルC)
バイオマスのエネルギーとしての価値やエネルギー変換について理解している。(教室外学習)バイオマスを基盤とした物質循環プロセスについて演習を行う。
13週 生態系を利用する物質循環と環境浄化
(地域生態系の利用,都市環境と生物
 機能)
食料生産と物質循環,地域生態系を利用した物質循環プロセス(総合バイオシステムIBS)の利用について理解している。(教室外学習)都市環境における生物機能の活用(工学的技術の応用)についてまとめる。
14週 環境管理のための社会システム
(持続可能な社会を支える各種主体の役割,環境リスクの管理)
農薬の使用,水道水の殺菌などについて、リスクとベネフィット両方を合わせた環境リスクについて理解している。(教室外学習)環境管理システムとLCA、ISO14001sの関係をまとめる。
15週 まとめ
16週

評価割合

期末試験遠隔授業における演習問題、課題提出等合計
総合評価割合100100200
得点100100200