環境生態工学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 環境生態工学
科目番号 0009 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 先端融合開発専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 環境生物工学(海野 肇・松村正利・藤江幸一ほか, 講談社サイエンティフィク, 2002) 
担当教員 和田 清

到達目標

地球規模や地域レベルの環境問題が深刻となり,環境の中の生物と人間の役割・位置を知ることの重要性が高まっている.また,人間の自然への働きかけの歴史や文化を忘れては自然を十分に理解できない.本講義では生物学・生態学・工学的な見方を通して,とりわけ森林・水・土などのシステム(水圏・地圏・大気圏・生物圏)と社会活動の関わり方を理解し,新たな自然共生型社会システムを構築するための技術(社会技術)を視野に入れた環境管理システムの基本的な考え方を修得する.
①環境容量の基本的な理解 
②物質のマクロ的な循環の理解 
③自然生態系のしくみ(原則)の理解 
④生物間伝達方法等の理解
⑤社会活動と水環境の関わりの理解  
⑥社会活動と大気環境の関わりの理解
⑦社会活動と土壌環境の関わりの理解
⑧環境修復技術の理解
⑨都市環境の物質循環と環境浄化の理解
⑩環境リスクと環境管理システムの基本に関する理解

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1環境容量を理解し,ロジスティックモデルなどについて,正確に(8割程度)説明できる環境容量を理解し,ロジスティックモデルなどについて,ほぼ正確に(6割程度)説明できる環境容量,ロジスティックモデルなどの基本的な知識が無い
評価項目2マクロ的な物質循環(C,N,Pなど)について,正確に(8割程度)図示して説明できるマクロ的な物質循環(C,N,Pなど)について,ほぼ正確に(6割程度)図示して説明できるマクロ的な物質循環(C,N,Pなど)の基本的な知識が無い
評価項目3自然生態系の基本原則のいくつかについて,正確に(8割程度)説明できる自然生態系の基本原則のいくつかについて,ほぼ正確に(6割程度)説明できる自然生態系の基本原則の基本的な知識が無い

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
授業の進め方・方法:
教科書のテーマを題材にして講義形式で授業を行う.生態学,環境工学などに関する話題が多岐にわたるので,講義内容の復習を十分行なうこと.
注意点:
国家公務員採用一般職試験(大卒程度・土木),技術士の一次試験問題,教科書等の演習問題と同等レベルの問題を試験等で出題し,総合して6割以上正解のレベルにまで達していること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 社会活動と生態系
(循環型社会の現状と課題,環境システム,社会技術)
2週 環境容量と自然浄化作用
(資源の利用と環境容量,ロジスティックモデル,自然浄化作用の評価)
3週 物質のマクロ的な循環
(水循環,エントロピー,炭素・窒素・硫黄・リンの循環)
4週 自然生態系のしくみ(1)
(生態系の概念・生態学の原則:有機物の生産と分解,生態系の遷移)
5週 自然生態系のしくみ(2)
(生態学の原則:生態系の多様性・安定性・種間競争)
6週 化学生態学の基礎
(植物間,植物と動物,動物間の化学的交渉,アレロパシー,フェロモン,ケミカルコミュニケーション物質)
7週 社会活動と水環境の関わり
(水系生態系の特徴と役割,有機汚濁物質の微生物分解,活性汚泥微生物と食物連鎖)
8週 廃水処理技術と富栄養化対策
(栄養塩N,Pの微生物処理,捕食・寄生など異種生物間の相互作用を用いた汚濁浄化)
2ndQ
9週 社会活動と大気環境の関わり
(CO2の放出と固定化,窒素の固定と 放出)
10週 社会活動と土壌環境の関わり
(土壌微生物生態系の特徴,木質系資源を分解する微生物,生分解性プラスティック)
11週 社会活動と汚染環境修復技術
(バイオレメディエーション,微生物機能と汚染修復,植物機能と汚染修復,最適修復手法)
12週 社会活動と物質・エネルギーの循環
(バイオマスを基盤とした物質循環プロセス,生物機能の活用)
13週 生態系を利用する物質循環と環境浄化
(地域生態系の利用,都市環境と生物
 機能)
14週 環境管理のための社会システム
(持続可能な社会を支える各種主体の役割,環境リスクの管理)
15週 まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題・小テスト合計
総合評価割合20050250
得点20050250