特別実験(前期)

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 特別実験(前期)
科目番号 0013 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 先端融合開発専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 実験開始時に技術資料・参考資料などを配布する。
担当教員 下村 波基,廣瀬 康之,藤田 一彦,北川 輝彦

到達目標

B-1計画
①問題抽出・検討能力
課題や構想を実現する過程で発生する実務上の問題(製作手法,製作材料,機構、耐久性,経済性,安全性,機能性,倫理性,環境問題等)を予想・抽出し,実現可能なものかどうかを検討・判断できる。
②設計・計画能力
得られた知識・技術に創造性を加え,課題や構想を実現するための実施計画(概念設計,実体設計,詳細設計)を具体的に,計画書,プログラム,設計図などで表現できる。
B-2実行
③知識・技術取得能力
既存の知識・技術を駆使して解決を試み,解決できない場合には,自主的に,新たに必要となる知識・技術の取得あるいは未知の知識・技術を整理・統合できる。
④協調・管理統率能力
共同実験者や実験指導者(教員などのスタッフ)やユーザ等とのコミュニケーションを通じて,チームで協調し,管理統率ができる。
⑤実践能力
種々の制約のもと,課題や構想を実施計画に従って,自主的かつ継続的に着実に実行できる。
⑥継続的改善能力
継続して点検を欠かさず,計画を尊重しつつ創造性を発揮し,スパイラルアップを目指すことができる。
⑦報告書作成・プレゼンテーション能力
完成した作品や実体の分析(空間機能性など)を報告書にまとめ,プレゼンテーションができる。
⑧評価能力
完成した作品や実体の分析(空間機能性など)を自己評価し,さらに他の作品等を正当に評価できる。
D-5異分野
⑨複数の分野にまたがった計画の立案・遂行
複数の分野にまたがった計画を立案し,これを遂行できる。
E情報処理
⑩情報機器を使いこなし,専門分野で必要とされるプログラムを構築する能力を身につける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
提出された計画書(アイデアレポート)より担当教員が「問題抽出・検討能力」を5段階評価し,その平均値が4以上である。提出された計画書(アイデアレポート)より担当教員が「問題抽出・検討能力」を5段階評価し,その平均値が3以上である。評価基準は,限られた制約条件(時間,予算,自己の能力など)のもと,完成にいたる道筋が明確である。提出された計画書(アイデアレポート)より担当教員が「問題抽出・検討能力」を5段階評価し,その平均値が3未満である。
提出された計画書(アイデアレポート)より担当教員が「設計・計画能力」を5段階評価し,その平均値が4以上である。提出された計画書(アイデアレポート)より担当教員が「設計・計画能力」を5段階評価し,その平均値が3以上である。評価基準は完成にいたる道筋が具体的で実現が可能なものである。提出された計画書(アイデアレポート)より担当教員が「設計・計画能力」を5段階評価し,その平均値が3未満である。
報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「知識・技術取得能力」を5段階評価し,その平均値が4以上である。報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「知識・技術取得能力」を5段階評価し,その平均値が3以上である。評価基準は新たな知識・技術の獲得が確認できる。報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「知識・技術取得能力」を5段階評価し,その平均値が3未満である。
計画書(アイデアレポート),報告書(班,個人レポート)より担当教員が「協調・管理統率能力」を5段階評価し,その平均値が4以上である。計画書(アイデアレポート),報告書(班,個人レポート)より担当教員が「協調・管理統率能力」を5段階評価し,その平均値が3以上である。評価基準は分担が明確であり,協同して完成させたことが確認できる。計画書(アイデアレポート),報告書(班,個人レポート)より担当教員が「協調・管理統率能力」を5段階評価し,その平均値が3未満である。
計画書(アイデアレポート),作品,発表会(技術プレゼンテーション),報告書(班,個人レポート)より担当教員が「実践能力」を5段階評価し,その平均値が4以上である。計画書(アイデアレポート),作品,発表会(技術プレゼンテーション),報告書(班,個人レポート)より担当教員が「実践能力」を5段階評価し,その平均値が3以上である。評価基準は継続して努力した形跡が確認できる。計画書(アイデアレポート),作品,発表会(技術プレゼンテーション),報告書(班,個人レポート)より担当教員が「実践能力」を5段階評価し,その平均値が3未満である。
報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「継続的改善能力」を5段階評価し,その平均値が4以上である。報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「継続的改善能力」を5段階評価し,その平均値が3以上である。評価基準は複数回の改善が確認できる。報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「継続的改善能力」を5段階評価し,その平均値が3未満である。
報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「報告書作成・プレゼンテーション能力」を5段階評価し,その平均値が4以上である。報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「報告書作成・プレゼンテーション能力」を5段階評価し,その平均値が3以上である。評価基準は報告書・プレゼンテーションの体裁等が守られ,論理的な整合性がある。報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「報告書作成・プレゼンテーション能力」を5段階評価し,その平均値が4以上である。
報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「評価能力」を5段階評価し,その平均値が4以上である。報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「評価能力」を5段階評価し,その平均値が3以上である。評価基準は他の作品・論文との比較についての論理的整合性のある評価を確認できる。報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「評価能力」を5段階評価し,その平均値が3未満である。
計画書(アイデアレポート),報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「複数の分野にまたがった計画の立案・遂行能力」を5段階評価し,その平均値が4以上である。計画書(アイデアレポート),報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「複数の分野にまたがった計画の立案・遂行能力」を5段階評価し,その平均値が3以上である。評価基準は専門とは異なる技術分野の知識・技術の獲得が確認できる。計画書(アイデアレポート),報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「複数の分野にまたがった計画の立案・遂行能力」を5段階評価し,その平均値が3未満である。
計画書(アイデアレポート),報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「情報機器を使いこなし,専門分野で必要とされるプログラムを構築する能力」を5段階評価し,その平均値が4以上である。計画書(アイデアレポート),報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「情報機器を使いこなし,専門分野で必要とされるプログラムを構築する能力」を5段階評価し,その平均値が3以上である。評価基準は専門分野で必要とされるプログラムが正しく記述されていることが確認できる。計画書(アイデアレポート),報告書(班,個人レポート),発表会(技術プレゼンテーション),作品より担当教員が「情報機器を使いこなし,専門分野で必要とされるプログラムを構築する能力」を5段階評価し,その平均値が3未満である。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
Aコース:本実験は,予め決められた課題をクリアするための自作のロボットを設計・製作し,競技会を行うことでロボットの総合評価を行う実験である。競技課題に合わせて各班でセンサ,駆動装置及びマイクロコンピュータ(PICなど)を搭載した自律移動ロボットを設計・製作する。8週目当りの中間報告会で自作ロボットによる,ライントレース走行試験を行って,更にその後の数回にわたる実験時間を使って,自律移動ロボットを改良する。最後に完成したロボットによる公開競技会を行って,自律移動ロボットの総合評価試験を行う。競技会終了後の実験では,班毎に自作のロボットに関する技術プレゼンテーションを行って,学生間による技術討論会を開催する。最後に,これまでの設計・製作過程を班レポートおよび個人レポートとして,実験レポートにまとめる。こうした自律移動ロボットの設計・製作,評価という「ものづくり」を中心としたPBL(Problem Based Learning)実験を通して,以下の目標を達成することを目指す。
Bコース:文部科学省主催の全国高等専門学校デザインコンペティションにおける構造デザイン部門での課題を対象とする。
授業の進め方・方法:
設計・製作の時間が限られているので,班内で協力し,スケジュールを立てて製作に取り組むこと。レポート作成や設計図面の入力,プログラム開発を効率よく行うためにノートパソコンを準備しておくとよい。回路基板やロボットの写真なども設計・製作途中に撮影しておくと,レポート作成が効率的にできる。
学習・教育目標(B-1)10%,(B-2)30%,(D-3創生、エネルギー系)35%(D-5)15%,(E)10%
JABEE基準1(1):(c),(d),(e),(g),(h),(i)
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 A:授業の進め方・実験概要・評価方法の説明,基礎技術の説明と実習(ALレベル:C)
B:課題説明、評価方法の説明、安全教育(ALレベル:C)
A:アイデアの検討
B:アイデアの検討
2週 A:基礎技術の説明と実習(ALレベル:C)
B:課題の検討と構造解析(ALレベル:C)
A:アイデアの検討
B:アイデアの検討
3週 A:アイデアの検討とロボットの仕様設計(ALレベル:C)
B:課題の検討と構造解析(ALレベル:C)
A:プレゼンテーション準備
B:プレゼンテーション準備
4週 A:アイデアレポートに関するプレゼンテーション,ロボットの設計・製作(ALレベル:C)
B:アイデアレポートのプレゼンテーション(ALレベル:C)
A:アイデア,計画の見直し
B:アイデアの再検討
5週 A:ロボットの設計・製作(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
A:ライントレース機能の検討
B:試作品の検討
6週 A:ロボットの設計・製作(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
A:ライントレース機能の検討
B:試作品の検討
7週 A:ロボットの設計・製作(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
A:ライントレース機能の改良
B:試作品の制作とプレゼンテーションの準備
8週 A:ロボットの設計・製作,中間報告会(ALレベル:C)
B:中間報告会1・技術討論会(ALレベル:C)
A:ライントレース機能の改良
B:試作品の再検討
2ndQ
9週 A:ロボットの設計・製作(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
A:ランサーロボットの検討
B:試作品の検討
10週 A:ロボットの設計改良・製作(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
A:ランサーロボットの改良
B:試作品の検討
11週 A:ロボットの設計改良・製作(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
A:ランサーロボットの改良
B:試作品の制作とプレゼンテーションの準備
12週 A:ロボットの設計改良・製作(ALレベル:C)
B:中間報告会2・技術討論会(ALレベル:C)
A:ランサーロボットの改良
B:試作品の再検討
13週 A:ロボットの設計改良・製作・調整(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
A:最終調整,競技会準備
B:試作品の検討
14週 A:公開競技会(ALレベル:C)
B:設計・製作(ALレベル:C)
A:プレゼンテーション準備
B:試作品の検討
15週 A:技術討論会,レポート作成方法の説明・レポート作成(ALレベル:C)
B:最終レポート作成(ALレベル:C)
A:レポート作成
B:ー
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。4
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。4
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。4
ICTやICTツール、文書等を自らの専門分野において情報収集や情報発信に活用できる。4
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。4
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。4
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。4
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。4
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。 4
集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。4
日常生活の時間管理、健康管理、金銭管理などができる。常に良い状態を維持するための努力を怠らない。4
ストレスやプレッシャーに対し、自分自身をよく知り、解決を試みる行動をとることができる。日常生活の管理ができるとともに、目標達成のために対処することができる。4
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。4
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。4
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。4
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。4
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。4
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。4
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。4
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。4
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。4
技術の発展と持続的社会の在り方に関する知識を有し、未来社会を考察することができるとともに、技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。4

評価割合

A:中間発表会A:公開競技会A:実験レポートB:計画書B:中間報告会・試作品実験会B:制作レポートB:成果物合計
総合評価割合10306020402020200
A:専門的能力1030600000100
B:専門的能力00020402020100