ディジタルシステム基礎

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 ディジタルシステム基礎
科目番号 0013 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 先端融合開発専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 LMS上の資料を用いる
担当教員 福永 哲也

到達目標

ディジタルシステムを設計するHDLの基礎を学習し、verilog-HDLについて回路の設計法、文法、ツールの利用法を学習し、ツールとverilog-HDLを利用して回路動作をシミュレーションし新たな回路を設計できるようになる.
具体的な目標を以下に示す.
①FPGAとは何かを理解する.
②回路設計に用いるverilog-HDLの概要ついて理解する.
③verilog-HDLの文法を理解する.
④階層設計の仕組みとverilog-HDLでの実現方法を理解する.
⑤設計ツールの利用法を理解する.
⑥複雑な回路の動作を理解する.
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1FPGAとは何かを説明し,実際のFPGAを利用することができる.FPGAとは何かを理解している.FPGAとは何かを理解できない.
評価項目2verilog-HDLについて説明しverilog-HDLのファイル構造を理解して簡単なファイルを作成できる.verilog-HDLを説明できる.verilog-HDLが何かわからない.
評価項目3verilog-HDLの基本的な文法を利用して組み合わせ回路と順序回路が記述できる.verilog-HDLの基本的な文法を利用して組み合わせ回路が記述できる.verilog-HDLで回路が記述できない.
評価項目4階層設計を説明しverilog-HDLで階層設計の回路を記述できる.階層設計が何かを説明できる.階層設計が何かを説明できない.
評価項目5設計ツールとシミュレーションツールを利用して回路を設計できる.設計ツールとシミュレーションツールを利用できる.設計ツールとシミュレーションツールを利用できない.
評価項目6複雑な回路の動作を説明し複雑な回路を設計できる.複雑な回路の動作を説明できる.複雑な回路の動作を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
verilog-HDLとFPGAを用いて回路を設計し,その回路の動作をボードで動作確認を行うための手法とverilog-HDLの文法を学ぶ.
※実務との関係
・この科目は、コンピュータ関連企業でハードウエア開発を担当していた教員が、その実務経験を活かし、設計などについて必要な知識の授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
授業は回路設計後にボードへ回路を構成して動作確認を行う.
英語導入計画:Technical terms
注意点:
設計を行った回路は課題として提出しなければならないため,締め切りまでに課題を完成するようにする.また,利用するツールは無償で利用できるものであるので,自分の自由にできるコンピュータにインストールして環境を用意しておくとよい.
授業の内容を確実に身につけるために、予習・復習が必須である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 HDL概要 HDLとは何か,FPGAとは何かを学習する.
(授業外学習・事前)FPGAとはどのようなものかについて予習しておく(約2時間)
(授業外学習・事後)HDLについてレポートにまとめ提出する(約2時間)
2週 verilog-HDL の基礎(値の表現と代入) verilog-HDLの文法としての値表現と代入の方法を理解する.
(授業外学習・事前)HDLついて復習しておく(約2時間)
(授業外学習・事後)verilog-HDLの基礎についてレポートにまとめ提出する(約2時間)
3週 設計ツールソフトの利用法とassign文 課題を進めるために必要な、設計ツールソフトの利用方法を理解し、verilog-HDLのassign文を理解する.
(授業外学習・事前)verilog-HDLついて復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)設計ツールをダウンロードしてインストールする(約3時間)
4週 演算子の利用 最も簡単な組み合わせ回路を作成するための演算子の利用方法を理解する.
(授業外学習・事前)設計ツールの利用法ついて復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)設計ツールを利用して演算子に関する課題の設計を行い提出する(約3時間)
5週 パラメーター宣言 パラメータ―宣言を行い、回路記述をわかりやすくする方法を理解する.
(授業外学習・事前)verilog-HDLの演算子ついて復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)設計ツールを利用してパラメータ宣言に関する課題の設計を行い提出する(約3時間)
6週 変数(wire変数とreg変数) verilog-HDLで利用する2種類の変数(wire変数とreg変数)について、利用法と特徴を理解する.
(授業外学習・事前)verilog-HDLでのパラメータ宣言の利用法ついて復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)設計ツールを利用して変数に関する課題の設計を行い提出する(約3時間)
7週 always文・initial文 verilog-HDLで同期回路を記述するためのalways文の利用法を理解する.
(授業外学習・事前)verilog-HDLの変数ついて復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)設計ツールを利用してalways文・initial文に関する課題の設計を行い提出する(約3時間)
8週 always文でのその他の文法(if文、case文、casex文) always文内での各種文法を利用した複雑な順序回路について理解する.
(授業外学習・事前)verilog-HDLのalways文ついて復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)設計ツールを利用してif文・case文・casex文に関する課題の設計を行い提出する(約3時間)
2ndQ
9週 2種類の代入(ブロッキング代入とノンブロッキング代入) verilog-HDLの2種類の代入文の利用法を理解する.
(授業外学習・事前)verilog-HDLのcase文等ついて復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)設計ツールを利用して2種類の代入に関する課題の設計を行い提出する(約3時間)
10週 配列とinitial文でのfor文の利用 verilog-HDLの配列の作成と利用方法、およびfor文を利用した初期化方法などを理解する.
(授業外学習・事前)verilog-HDLの代入ついて復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)設計ツールを利用して配列に関する課題の設計を行い提出する(約3時間)
11週 階層設計 階層設計とは何かとverilog-HDLで階層設計を実現する方法を理解する.
(授業外学習・事前)verilog-HDLの配列ついて復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)設計ツールを利用して階層設計に関する課題の設計を行い提出する(約3時間)
12週 設計確認でのシミュレーションとその中でのfor文の利用 シミュレーションツールの使用法を学び、シミュレーションで多くの状態を入力するためのfor文の利用方法を理解する.
(授業外学習・事前)verilog-HDLの階層設計ついて復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)シミュレーションツールを利用してfor文を利用したシミュレーションに関する課題の設計を行い提出する(約3時間)
13週 include文と下位モジュールのパラメータの設定 include文を利用したり、下位モジュールのパラメータを決めたりして、他のモジュールを操作する方法を理解する.
(授業外学習・事前)シミュレーションついて復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)設計ツールを利用して下位モジュールのパラメータ設定に関する課題の設計を行い提出する(約3時間)
14週 連接とシフト データを操作するための連接や、連接などを利用したシフト回路などの構成方法を理解する.
(授業外学習・事前)下位モジュールのパラメータの設定ついて復習しておく(約1時間)
(授業外学習・事後)設計ツールを利用して連接とシフトに関する課題の設計を行い提出する(約3時間)
15週 期末試験
16週 期末試験返却とまとめ FPGAとHDLの利用についてまとめる.
(授業外学習・事前)試験結果を自己採点しておく(約4時間)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
電場・電位について説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3
工学基礎情報リテラシー情報リテラシーコンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。3
電界、電位、電気力線、電束を説明でき、これらを用いた計算ができる。3
ガウスの法則を説明でき、電界の計算に用いることができる。3
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。3
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。3
静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3
静電エネルギーを説明できる。3
電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。3
分野横断的能力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3

評価割合

試験課題レポート合計
総合評価割合10020120
得点10020120