応用物理学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 応用物理学
科目番号 0023 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 先端融合開発専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 参考書:キッテル固体物理学入門(丸善)
担当教員 吉田 憲充,羽渕 仁恵

到達目標

①固体の5種類の結合方法の概要について理解する。
②結晶構造とその解析方法の概要について理解する。
③結晶内の電子の運動を記述する波動方程式について理解する。
④フェルミ分布関数とその物理的な意味について理解する。
⑤固体のバンド構造について理解する。
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1固体の5種類の結合方法の概要について正確に理解できる。固体の5種類の結合方法の概要についてほぼ正確に理解できる。固体の5種類の結合方法の概要について理解できない。
評価項目2結晶構造とその解析方法の概要について正確に理解できる。結晶構造とその解析方法の概要についてほぼ正確に理解できる。結晶構造とその解析方法の概要について理解できない。
評価項目3結晶内の電子の運動を記述する波動方程式について正確に理解できる。結晶内の電子の運動を記述する波動方程式についてほぼ正確に理解できる。結晶内の電子の運動を記述する波動方程式について理解できない。
評価項目4フェルミ分布関数とその物理的な意味について正確に理解できる。フェルミ分布関数とその物理的な意味についてほぼ正確に理解できる。フェルミ分布関数とその物理的な意味について理解できない。
評価項目5固体のバンド構造の概要について正確に理解できる。固体のバンド構造の概要についてほぼ正確に理解できる。固体のバンド構造の概要について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現代物理学に基づいて物質の構造といくつかの物性に関する概要を講義する。固体の多くは結晶であり,その構造を知ることは重要である。結晶構造と解析方法の概要を習得する。量子論と物性論の立場から,固体の結合方法,電気伝導性などについて理解を深める。
授業の進め方・方法:
授業は板書もしくは資料配布により進める。その内容を理解するために、板書もしくは資料をもとに独自にノートを作成し、あわせて演習を積極的に行うことが必要である。また各項目では、関連する最新の話題についても触れる予定である。
英語導入計画:なし
注意点:
なお、成績評価に教室外学修の内容は含まれる。総合点で6割以上が合格。
学習・教育目標:(D-1)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 固体を形成する原子結合(1)(ALのレベルC) 固体を形成する原子の各種の結合状態(イオン結合、共有結合)を理解する(教室外学修)固体を形成する原子の各種の結合状態について調べる。
(時間外学習・事前)前回の授業の復習しておく。(約1時間)
(時間外学習・事後)授業やLMSで課題として与えた問題を解く。(約3時間)
2週 固体を形成する原子結合(2)(ALのレベルC) 固体を形成する原子の各種の結合状態(金属結合、ファン・デル・ワールス結合、水素結合)を理解する(教室外学修)固体を形成する原子の各種の結合状態について調べる。
(時間外学習・事前)前回の授業の復習しておく。(約1時間)
(時間外学習・事後)授業やLMSで課題として与えた問題を解く。(約3時間)
3週 原子配列と結晶構造(1)(ALのレベルC) 体心立方構造、面心体心立方構造などの結晶構造のミラー指数表示を理解する(教室外学修)体心立方構造、面心体心立方構造などの結晶構造のミラー指数表示を学習する。
(時間外学習・事前)前回の授業の復習しておく。(約1時間)
(時間外学習・事後)授業やLMSで課題として与えた問題を解く。(約3時間)
4週 原子配列と結晶構造(2)(ALのレベルC) 固体の結晶構造解析で必要となる実格子と逆格子の概念を理解する(教室外学修)固体の結晶構造解析で必要となる実格子と逆格子の概念を学ぶ。
(時間外学習・事前)前回の授業の復習しておく。(約1時間)
(時間外学習・事後)授業やLMSで課題として与えた問題を解く。(約3時間)
5週 固体の結晶構造の解析法(ALのレベルC) 結晶格子により散乱されたX線または電子線の波の散乱強度を理解する(教室外学修)結晶格子により散乱されたX線または電子線の波の散乱強度について考察する。
(時間外学習・事前)前回の授業の復習しておく。(約1時間)
(時間外学習・事後)授業やLMSで課題として与えた問題を解く。(約3時間)
6週 固体の格子振動(1)(ALのレベルC) 単原子で構成された固体中の格子振動(フォノン)とその分散関係を理解する(教室外学修)単原子で構成された固体中の格子振動(フォノン)とその分散関係について理解する。
(時間外学習・事前)前回の授業の復習しておく。(約1時間)
(時間外学習・事後)授業やLMSで課題として与えた問題を解く。(約3時間)
7週 固体の格子振動(2)(ALのレベルC) 2原子で構成された固体中のフォノン伝搬および分散関係を理解する(教室外学修)2原子で構成された固体中のフォノン伝搬および分散関係についてまとめる。
(時間外学習・事前)前回の授業の復習しておく。(約1時間)
(時間外学習・事後)授業やLMSで課題として与えた問題を解く。(約3時間)
8週 中間試験 第1週~7週の授業内容の項目を総復習し理解する
(時間外学習・事前)第1週~7週の授業内容を復習しておく。(約3時間)
(時間外学習・事後)試験問題に関連する問題を解く。(約1時間)
4thQ
9週 固体中の電子を記述する波動方程式(1)(ALのレベルC) 固体中を自由に伝搬する電子の波動方程式(シュレディンガー方程式)を理解する(教室外学修)固体中を自由に伝搬する電子の波動方程式(シュレディンガー方程式)についての演習を行う。
(時間外学習・事前)前回の授業の復習しておく。(約1時間)
(時間外学習・事後)授業やLMSで課題として与えた問題を解く。(約3時間)
10週 固体中の電子分布関数(ALのレベルC) 固体中の電子の状態密度、フェルミ分布関数を理解する(教室外学修)固体中の電子の状態密度、フェルミ分布関数について学ぶ。
(時間外学習・事前)前回の授業の復習しておく。(約1時間)
(時間外学習・事後)授業やLMSで課題として与えた問題を解く。(約3時間)
11週 固体中の電子を記述する波動方程式(2)(ALのレベルC) 結晶の周期構造を反映して伝搬する電子波のシュレディンガー方程式を理解する(教室外学修)結晶の周期構造を反映して伝搬する電子波のシュレディンガー方程式について学習する。
(時間外学習・事前)前回の授業の復習しておく。(約1時間)
(時間外学習・事後)授業やLMSで課題として与えた問題を解く。(約3時間)
12週 固体のバンド構造(ALのレベルC) 固体のバンド構造と伝導体の種別を理解する(教室外学修)固体のバンド構造と伝導体の種別を理解する。
(時間外学習・事前)前回の授業の復習しておく。(約1時間)
(時間外学習・事後)授業やLMSで課題として与えた問題を解く。(約3時間)
13週 固体中の電子等の性質(ALのレベルC) 固体中の電子の性質や光と固体の相互作用を理解する(教室外学修)固体中の電子の性質や光と固体の相互作用についての演習を行う
(時間外学習・事前)本科における関連項目を復習しておく。(約1時間)
(時間外学習・事後)授業やLMSで課題として与えた問題を解く。(約3時間)
14週 固体物理学の演習問題の解き方の講義(ALのレベルC) 固体物理学の演習問題の解法を理解する(教室外学修)固体物理学の演習問題の解き方をまとめる。
(時間外学習・事前)前回の授業の復習しておく。(約1時間)
(時間外学習・事後)授業やLMSで課題として与えた問題を解く。(約3時間)
15週 期末試験 第8週~14週の授業内容の項目を総復習し理解する
(時間外学習・事前)第8週~14週の授業内容を復習しておく。(約3時間)
(時間外学習・事後)試験問題に関連する問題を解く。(約1時間)
16週 期末試験の解説 期末試験について復習する。
(授業外学習・事前)期末試験の内容について復習しておく。(約 2 時間)
(授業外学習・事後)期末試験の内容について正確に理解する。(約 2 時間)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。4
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。4
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。4
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
物体に作用する力を図示することができる。4
力の合成と分解をすることができる。4
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。4
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。4
慣性の法則について説明できる。4
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。4
運動方程式を用いた計算ができる。4
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。4
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。4
最大摩擦力に関する計算ができる。4
動摩擦力に関する計算ができる。4
仕事と仕事率に関する計算ができる。4
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。4
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。4
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。4
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。4
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。4
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。4
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.4
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力のモーメントを求めることができる。4
角運動量を求めることができる。4
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。4
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。4
重心に関する計算ができる。4
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。4
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。4
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。4
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。4
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。4
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。4
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。4
気体の内部エネルギーについて説明できる。4
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。4
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。4
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。4
熱機関の熱効率に関する計算ができる。4
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。4
横波と縦波の違いについて説明できる。4
波の重ね合わせの原理について説明できる。4
波の独立性について説明できる。4
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。4
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。4
ホイヘンスの原理について説明できる。4
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。4
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。4
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。4
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。4
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。4
自然光と偏光の違いについて説明できる。4
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。4
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。4
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。4
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。4
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。4
ジュール熱や電力を求めることができる。4

評価割合

中間試験期末試験課題合計
総合評価割合10010050250
得点10010050250