回路網学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 回路網学
科目番号 0024 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 先端融合開発専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 電気学会大学講座 電気回路論 [3版改訂](平山 博・大附辰夫・電気学会・オーム社)
担当教員 所 哲郎

到達目標

電気回路の考え方を基本にしてさらに発展 させるとともに、機械工学などの他の分野に 回路網の考え方を発展・適用できるようにす る。回路系科目の集大成として、大局的な理 解と演習問題解答能力の向上が期待できる。 ① 線形回路素子の特性を理解する。 ② インピーダンスと電力の複素数表記 について理解する ③ 節点方程式を理解する ④ 閉路方程式を理解する ⑤ アナロジーについて理解し、他の分野 の事象と結びつける。 ⑥ 回路の過渡現象をラプラス変換を用 いて解くことができる。
以上について、Mathcadを用いた可視化を可能とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.電気回路とエネルギー回路について、消費エネ ルギーの観点から最大電 力供給などを理解し、そ の条件を解くことができ る、例題および章末問題 を 8 割以上正確に解くこ とができる。 回路について、消費エネル ギーの観点から最大電力供 給などを理解し、その条件 を解くことができる、例題 および章末問題をほぼ正確 (6割以上)に解くことができ る。 回路について、消費エネルギ ーの観点から最大電力供給 などを理解し、その条件を解 くことについて、例題および 章末問題を6割未満しか解く ことができない 。
2.線形と非線形線形、非線形の考え方を 理解し、高調波成分の取 り扱いについて理解し、 その平均値・実効値など を求めることができる、 例題および章末問題を 8 割以上正確に解くことが できる。 線形、非線形の考え方を理解 し、高調波成分の取り扱いに ついて理解し、その平均値・ 実効値などを求めることが できる、例題および章末問題 をほぼ正確(6 割以上)に解く ことができる。 線形、非線形の考え方を理解 し、高調波成分の取り扱いに ついて理解し、その平均値・ 実効値などを求めることに ついて、例題および章末問題 を6割未満しか解くことがで きない。
3.節点方程式節点方程式を理解して、 解くことができる、例題 および章末問題を 8 割以 上正確に解くことができ る。 所の示した発展問題を理 解できる。節点方程式を理解して、解く ことができる、例題および章 末問題をほぼ正確(6 割以上) に解くことができる。 節点方程式を理解して、例題 および章末問題を6割未満し か解くことができない。
4.閉路方程式閉路方程式を理解して、 解くことができる、例題 および章末問題を 8 割以 上正確に解くことができ る。 所の示した発展問題を理 解できる。 閉路方程式を理解して、解く ことができる、例題および章 末問題をほぼ正確(6 割以上) に解くことができる。 閉路方程式を理解して、例題 および章末問題を6割未満し か解くことができない。
5.アナロジーアナロジーの考え方を具 体的な事象に適用し、理 解を深め、例題および章 末問題を 8 割以上正確に 解くことができる。 アナロジーの考え方を具体 的な事象に適用し、理解を深 め、例題および章末問題をほ ぼ正確(6 割以上)に解くこと ができる。 アナロジーの考え方を具体 的な事象に適用しても、例題 および章末問題を6割未満し か解くことができない。
6.過渡現象とラプラス変換回路の過渡現象の解法 で、ラプラス変換を使え、 例題および章末問題を 8 割以上正確に解くことが できる。 回路の過渡現象の解法で、ラ プラス変換を使え、例題およ び章末問題をほぼ正確(6 割 以上)に解くことができる。 回路の過渡現象の解法で、ラ プラス変換を使えず、例題お よび章末問題を6割未満しか 解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
認定専攻科の専門展開科目の授業として、大学レベルでの電気回路の学習を行う。LMSを活用して、電気系以外の出身学生にも理解度を助けたり発展させたりする学修支援教材を多く用意している。
授業の進め方・方法:
機械系の学生にも配慮し、基本的な直流電気回路から、交流正弦波回路、ひずみ波回路、それらのエネルギーとし ての取り扱い、複素数表記やベクトル軌跡など、交流回路の全般について学ぶ。電気系の学生についても以上の復習 と共に、回路網の双対の考え方を発展させて正と負、閉路 と節点、枝と節など幅広く電気回路を考え、工学全般にも 拡張して考えられるように、後半は過渡応答を含めて学習内容を発展させる。 教科書は電気学会大学講座のものを採用し、その章末問題を教室外学習により解いていく。一部は e-learning 課題を 含めて、回路網の解析に関する多くの内容を学習する。 英語キーワード提示。畳込み積分の英語スライドによる解説。
注意点:
期末試験 100 点 課題 15 回分の CBT の 50 点とし,合計 150 点の得 点率(%)で評価する。 ただし、合格には課題レポート等が60%(30点)以上の得点率である事を必須とする。

学習・教育目標 (D-4)100% 
JABEE基準1(1):(d)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 各素子とキルヒホッフの法則と直流の電力及び電力量
LMSを用いたALレベルC
LMSの第1回の内容確認とCBT の実施で合格レベルに達する。学修内容は左記の通りである。以下同様。直流回路が解ける。
2週 直列・並列・ブリッジ回路と最大電力供給定理*
LMSを用いたALレベルC
LMSの第2回の内容確認とCBT の実施で合格レベルに達する。交流ブリッジ回路が解ける。最大電力問題が解ける。
3週 回路の定常状態と過渡状態*
LMSを用いたALレベルB
LMSの第3回の内容確認とCBT の実施で合格レベルに達する。回路の定常状態と過渡状態が理解できる。
4週 正弦波電圧と電流とひずみ波交流
LMSを用いたALレベルB
LMSの第4回の内容確認とCBT の実施で合格レベルに達する。ひずみ波のフーリエ解析結果が活用出来る。
5週 各種素子の交流応答と電力
LMSを用いたALレベルB
LMSの第5回の内容確認とCBT の実施で合格レベルに達する。交流回路とその電力が計算できる。
6週 交流回路の複素数表示
LMSを用いたALレベルC
LMSの第6回の内容確認とCBT の実施で合格レベルに達する。複素数表記での交流回路問題が解ける。
7週 ベクトル軌跡
LMSを用いたALレベルB
LMSの第7回の内容確認とCBT の実施で合格レベルに達する。円線図で交流回路問題が解ける。
8週 交流回路の基礎
LMSを用いたALレベルC
LMSの第8回の内容確認とCBT の実施で合格レベルに達する。交流回路の基礎問題が解ける。
2ndQ
9週 2素子の直列と並列
LMSを用いたALレベルC
LMSの第9回の内容確認とCBT の実施で合格レベルに達する。 2素子の直列と並列の回路応答が解ける。
10週 3素子の直列と並列
LMSを用いたALレベルC
LMSの第10回の内容確認と CBTの実施で合格レベルに達する。3素子の直列と並列の回路応答が解ける。
11週 相互誘導回路とブリッジ回路
LMSを用いたALレベルC
LMSの第11回の内容確認と CBTの実施で合格レベルに達する。相互誘導回路とブリッジ回路の問題が解ける。
12週 節点方程式と閉路方程式
LMSを用いたALレベルB
LMSの第12回の内容確認と CBTの実施で合格レベルに達する。節点方程式と 閉路方程式をたてることができる。
13週 アナロジー回路の解法
LMSを用いたALレベルB
LMSの第13回の内容確認と CBTの実施で合格レベルに達する。機械系などとのアナロジーを理解できる。
14週 ラプラス変換による過渡応答の解法(分布定数回路含む*)
Mathcadを用いたALレベルB
LMSの第14回の内容確認と CBTの実施で合格レベルに達する。分布定数回路を理解できる。
15週 期末試験 60%以上の正解率で問題に解答できる。
16週 一般線形回路網の各種定理など
Mathcadを用いたALレベルB
LMSの第15回の内容確認と CBTの実施で合格レベルに達する。特にラプラス変換を回路解析全般に活用出来る。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題LMS相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合100500000150
基礎的能力5020000070
専門的能力5020000070
分野横断的能力010000010