量子力学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 量子力学
科目番号 0026 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 先端融合開発専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 岩波基礎物理シリーズ5 量子力学(原康夫・岩波書店)を教科書とする。
担当教員 坂部 和義

到達目標

量子力学の基本を習得することにより、物質の性質を微視の世界から理解するための基礎知識を得て、先端技術を理解できる素養を身につける。
以下に具体的な学習・教育目標を示す。
① 量子論の必要性を理解する
② 古典力学から量子力学へ移行する方法の理解
③ 波動関数の物理的意味と古典論との対応の理解 
④ 1次元束縛問題の理解
⑤ 1次元散乱問題の理解
⑥ 中心力場中の状態と角運動量の理解

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1アインシュタインの関係式とド・ブロイの関係式に関する問題をほぼ正確に解くことができる。アインシュタインの関係式とド・ブロイの関係式に関する問題を6割以上解くことができる。アインシュタインの関係式とド・ブロイの関係式に関して理解していない。
評価項目2シュレーディンガーの波動方程式をほぼ正確に古典論から導出できる。シュレーディンガーの波動方程式を6割程度正確に古典論から導出できる。シュレーディンガーの波動方程式を古典論から導出する方法を理解していない。
評価項目3確率解釈と確率保存およびエーレンフェストの定理との関係をほぼ正確に説明できる。確率解釈と確率保存およびエーレンフェストの定理との関係を6割程度正確に説明できる。確率解釈と確率保存およびエーレンフェストの定理との関係を説明できない。
評価項目4井戸型ポテンシャルやフックポテンシャルの場合の波動方程式を理解でき,問題をほぼ正確に解くことができる。井戸型ポテンシャルやフックポテンシャルの場合の波動方程式を理解でき,問題を6割以上解くことができる。井戸型ポテンシャルやフックポテンシャルの場合の波動方程式を理解していない。
評価項目5階段ポテンシャルとトンネル効果の問題をほぼ正確に解くことができる。階段ポテンシャルとトンネル効果の問題を6割以上解くことができる。階段ポテンシャルとトンネル効果を理解していない。
評価項目6角運動量の固有状態を数学的にほぼ正確に扱える。角運動量の固有状態を数学的に6割程度正確に扱える。角運動量の固有状態を数学的に扱うことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
授業の進め方・方法:
教科書から基本的に大切な部分を抜き出して板書をしながら授業を進める。式の意味を知るためにグラフやシミュレーションも利用する。
ノートを充実し必ず復習をすること。理解すべき式の基本的な計算方法は、レポートで確認する。

注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 量子力学の必要性1
(原子の大きさ、原子の不安定性、光の2重性、
光電効果、アインシュタインの関係式、
プランク定数、コンプトン散乱)
2週 量子力学の必要性2
(電子の2重性、ヤングの実験、波動関数と
確率密度、ド・ブロイ波長)
3週 波動方程式
(弦を伝わる波、自由粒子の波動関数と
波動方程式)
4週 演算子・2重性
(運動量演算子、ハミルトニアン、固有値、
固有関数)
5週 シュレーディンガー方程式
(時間に依存するシュレーディンガー方程式、
時間に依存しないシュレーディンガー方程式)
6週 確率の保存,対応原理
(ハミルトニアンのエルミート性、
位置の期待値とその時間微分、
運動量期待値とその時間微分、
エーレンフェストの定理)
7週 物理量と期待値
(物理量と演算子、固有関数を用いた波動関数の
展開、エルミート演算子、エルミート演算子の
固有関数が正規直交系をなすこと)
8週 1次元束縛問題
(無限に深い井戸型ポテンシャル、
基底状態、励起状態、量子数、
深さ有限な井戸型ポテンシャル)
2ndQ
9週 1次元束縛問題
(調和振動子、生成消滅演算子、交換関係、
数演算子、基底状態、励起状態、量子数、
零点エネルギー、エルミート多項式)
10週 1次元散乱問題
(確率の流れ、階段型ポテンシャル)
11週 1次元散乱問題
(トンネル効果)
12週 中心力ポテンシャル中の電子
(球座標でのシュレーディンガー方程式、
動径方程式、角度方程式)
13週 水素原子
(主量子数、ボーア半径、ラゲールの陪多項式)
14週 角運動量
(交換関係、昇降演算子)
15週 期末試験の解答の解説など
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合10050150
得点10050150