維持管理工学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 維持管理工学
科目番号 0036 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 先端融合開発専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 鋼橋の維持管理 (山田健太郎,舘石和雄・コロナ社)
担当教員 水野 剛規

到達目標

鋼構造物の適切な維持管理を対象として、以下の事項を習得することを目標とする.
① 維持管理の考え方
② 劣化原因
③ 調査・点検方法
④ 評価および判定
⑤ 補修・補強対策の手順
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1維持管理の考え方が8割以上説明できる . 維持管理の考え方が6割以上説明できる維持管理の考え方が説明できない.
評価項目2劣化原因について8割以上説明できる.劣化原因について6割以上説明できる.劣化原因について説明できない.
評価項目3調査・点検方法の基本方針を8割以上立てることができる.調査・点検方法の基本方針を6割以上立てることができる.調査・点検方法の基本方針を立てることができない.
評価項目4補修・補強について8割以上説明できる. 補修・補強について6割以上説明できる.補修・補強について説明できない.
評価項目5耐久性向上技術を8割以上説明できる耐久性向上技術を6割以上説明できる.耐久性向上技術を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
これまでに整備されてきた構造物が耐用年数を迎える時期になり、これらの構造物を維持・更新する費用は今後増大していく。
この対策として、既設の構造物に対して適切な維持管理を行い、延命化を図ることを学習する
授業の進め方・方法:
授業は講義の後に、理解を深めるための演習問題を課す。鋼構造,材料(鋼およびコンクリート),構造力学などの幅広い知識が必要なため、関連知識もあわせて学習することが必要である.
事前準備の学習:鋼構造,構造力学,コンクリート工学など
英語導入計画:Technical terms
注意点:
授業の内容を確実に身につけるために,予習・復習が必要である.なお,成績評価には授業外学習の内容は含まれる.


授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 鋼橋の老朽化の現状と基礎知識 鋼橋の老朽化の現状を学ぶとともに鋼橋の基本的な知識や用語を理解する.[授業外学修・事前]鋼橋の老朽化の現状と課題を調査する(約2時間).[授業外学修・事後]鋼橋の基礎知識をまとめる(約2時間).
2週 鋼橋の損傷事例(疲労,腐食,リベットやボルトのゆるみ・脱落等)と維持管理の基礎 鋼橋に生じる損傷形態を理解する.さらに維持管理の基本的な考え方を理解する.[授業外学修・事前]鋼橋の損傷事例を調査する(約2時間).[授業外学修・事後]鋼橋の維持管理の理解を深める(約2時間).
3週 疲労の基礎と疲労損傷事例 疲労強度曲線等の疲労設計における基礎事項を理解し,疲労損傷の事例を各構造部位ごとに把握する.[授業外学修・事前]鋼橋の疲労損傷事例を調査する(約2時間).[授業外学修・事後]鋼橋の疲労設計について理解を深める(約2時間).
4週 疲労に対する点検・検査・計測 疲労に対する点検・検査・計測手法を理解する.[授業外学修・事前]点検・検査・計測手法を調査する(約2時間).[授業外学修・事後]点検・検査・計測手法をまとめる(約2時間).
5週 疲労に対する補修・補強と疲労耐久性向上技術 疲労損傷した構造物の補修・補強方法を理解するとともに,疲労耐久性を向上させる技術を理解する.[授業外学修・事前]補修・補強方法ならびに疲労耐久性向上技術を調査する(約3時間).[授業外学修・事後]学習した双方の技術を整理する(約1時間).
6週 腐食の基礎(腐食のメカニズム,腐食環境,腐食進展) 鋼構造物の腐食に対する基礎的事項を理解する.[授業外学修・事前]腐食のメカニズムを調べる(約2時間).[授業外学修・事後]腐食のメカニズム,環境,進展について理解を深める(約2時間).
7週 防錆・防食法と腐食損傷事例 鋼構造物の防錆・防食の方法と腐食損傷事例を理解する.[授業外学修・事前]腐食損傷事例を調査する(約3時間).[授業外学修・事後]防錆・防食方法を整理し理解を深める(約2時間).
8週 腐食に対する点検・検査・計測 腐食に対する点検・検査・計測手法を理解する.[授業外学修・事前]点検・検査・計測手法を調査する(約2時間).[授業外学修・事後]点検・検査・計測手法をまとめる(約2時間).
4thQ
9週 腐食に対する補修・補強と耐久性向上技術 腐食損傷した構造物の補修・補強方法を理解するとともに,腐食耐久性を向上させる技術を理解する.[授業外学修・事前]補修・補強方法ならびに疲労耐久性向上技術を調査する(約3時間).[授業外学修・事後]学習した双方の技術を整理する(約1時間).
10週 コンクリート構造物の維持管理の現状と課題,および対策 床版等のコンクリート構造物を対象に老朽化の現状と課題を理解する.[授業外学修・事前]コンクリート構造物の老朽化の現状と課題を調査する(約2時間).[授業外学修・事後]コンクリート構造物の老朽化に対する対策を理解する(約2時間).
11週 維持管理の最新技術の調査 最新の論文・報告書等の文献を調べ,維持管理前線の動向を把握する.[授業外学修・事前]論文・報告書等を調査する(約2時間).[授業外学修・事後]維持管理の最新技術をまとめる(約2時間).
12週 社会基盤メンテンナンスに対する自治体の取り組み 社会基盤メンテンナンスのための各自治体の取り組みを調べる.[授業外学修・事前]各自治体の取り組みを調べる(約2時間).[授業外学修・事後]各自治体の現状と課題を考察する(約2時間).
13週 構造物調査(1) 鋼構造物の腐食損傷の調査ができる.[授業外学修・事前]鋼構造物の腐食損傷の調査計画を立てる(約1時間).[授業外学修・事後]鋼構造物の腐食損傷の状況を調査する(約3時間).
14週 構造物調査(2) 調査に基づき劣化要因を推定し補修補強方針を立案できる.[授業外学修・事後]調査に基づき劣化要因を推定する(約4時間).
15週 期末
16週 まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合2001000000300
基礎的能力0000000
専門的能力2001000000300
分野横断的能力0000000