統計力学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 統計力学
科目番号 0039 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 先端融合開発専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 統計物理入門 (上田和夫 共立出版)
担当教員 小川 信之

到達目標

統計が必要である意味を学び、多体系のアンサンブル、熱との関連も学ぶ
(1) ミクロカノニカルアンサンブルの概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。
(2) カノニカルアンサンブルの概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。
(3) 分配関数の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。
(4) 古典統計力学の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
(1) ミクロカノニカルアンサンブルの概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。ミクロカノニカルアンサンブルの概念を理解し、その応用として具体的な問題を正確(8割以上)に解くことができる。 ミクロカノニカルアンサンブルの概念を理解し、その応用として具体的な問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。 ミクロカノニカルアンサンブルの概念を理解し、その応用として具体的な問題を解くことができない。
(3) 分配関数の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。分配関数の概念を理解し、その応用として具体的な問題を正確(8割以上)に解くことができる。 分配関数の概念を理解し、その応用として具体的な問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。 分配関数の概念を理解し、その応用として具体的な問題を解くことができない。
(4) 古典統計力学の概念を理解し、その応用として具体的な問題を説明することができる。古典統計力学の概念を理解し、その応用として具体的な問題を正確(8割以上)に解くことができる。 古典統計力学の概念を理解し、その応用として具体的な問題をほぼ正確(6割以上)に解くことができる。 古典統計力学の概念を理解し、その応用として具体的な問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
教科書の練習問題や講義における演習問題と同レベルの問題を試験で出題し、6割以上の正答レベルまで達していること。なお成績評価への重みは、下記の項目に関して同じ重みとする。
(1) ミクロカノニカルアンサンブルの概念を理解し、その応用として具体的な問題を6割以上の正答率で説明することができるか。
(2) カノニカルアンサンブルの概念を理解し、その応用として具体的な問題を6割以上の正答率で説明することができるか。
(3) 分配関数の概念を理解し、その応用として具体的な問題を6割以上の正答率で説明することができるか。
(4) 古典統計力学の概念を理解し、その応用として具体的な問題を6割以上の正答率で説明することができるか。
授業の進め方・方法:
具体的物理現象に対して統計力学の考え方を適用し、主体的に理解を深めると良い。
注意点:
講義では、受身ではなくて、講義に参加する積極性が重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 統計力学の考え方、気体分子の分布確率 (教室外学修)統計力学における基本的な考え方を理解しまとめる。(ALのレベルC) 統計力学の考え方、気体分子の分布確率 (教室外学修)統計力学における基本的な考え方を理解しまとめる。
2週 固体のエネルギー配分の確率エネルギーの移動と熱平衡) (教室外学修)エネルギー配分の法則、気体分子の分布について具体的な仕組を理解しまとめる(ALのレベルA) 固体のエネルギー配分の確率(エネルギーの移動と熱平衡) (教室外学修)エネルギー配分の法則、気体分子の分布について具体的な仕組を理解しまとめる
3週 等確率の原理とエントロピー、温度 (教室外学修)統計力学において等確率の原理の重要性を認識してまとめる。(ALのレベルB) 等確率の原理とエントロピー、温度 (教室外学修)統計力学において等確率の原理の重要性を認識してまとめる。
4週 ミクロカノニカル分布 (教室外学修)等確率の原理とミクロカノニカル分布との関連を理解してまとめる(ALのレベルA) ミクロカノニカル分布 (教室外学修)等確率の原理とミクロカノニカル分布との関連を理解してまとめる
5週 理想気体のエントロピーと速度分布への適用 (教室外学修)理想気体のエントロピーに関する演習(ALのレベルC) 理想気体のエントロピーと速度分布への適用 (教室外学修)理想気体のエントロピーに関する演習
6週 固体・振動子系のエントロピーへの適用 (教室外学修)固体・振動系のエントロピーに関する演習(ALのレベルB) 固体・振動子系のエントロピーへの適用 (教室外学修)固体・振動系のエントロピーに関する演習
7週 熱と仕事、比熱 (教室外学修)ミクロな現象とマクロな物理量の関わりに関して理解してまとめる(ALのレベルB) 熱と仕事、比熱 (教室外学修)ミクロな現象とマクロな物理量の関わりに関して理解してまとめる
8週 まとめ (教室外学修)ミクロな現象とマクロな物理量の関わりに関して理解してまとめる(ALのレベルB) まとめ (教室外学修)ミクロな現象とマクロな物理量の関わりに関して理解してまとめる
2ndQ
9週 カノニカル分布 (教室外学修)ミクロカノニカル分布との相違・類似を理解してまとめる(ALのレベルC) カノニカル分布 (教室外学修)ミクロカノニカル分布との相違・類似を理解してまとめる
10週 分配関数と自由エネルギー (教室外学修)熱力学関数、分配関数に関する演習(ALのレベルB) 分配関数と自由エネルギー (教室外学修)熱力学関数、分配関数に関する演習
11週 ギブスの自由エネルギー  (教室学学修)熱力学関数、分配関数に関する演習(ALのレベルB) ギブスの自由エネルギー  (教室学学修)熱力学関数、分配関数に関する演習
12週 熱力学関数 (教室外学修)熱力学関数、分配関数に関する演習(ALのレベルA) 熱力学関数 (教室外学修)熱力学関数、分配関数に関する演習
13週 古典統計力学の近似 (教室外学修)古典統計力学に関する演習(ALのレベルB) 古典統計力学の近似 (教室外学修)古典統計力学に関する演習
14週 古典統計力学の応用, 量子効果 (教室外学修)古典統計力学,量子効果に関する演習 古典統計力学の応用, 量子効果 (教室外学修)古典統計力学,量子効果に関する演習
15週 期末試験 統計力学に関する総合的な理解と複合問題が解ける。
16週 フォローアップ(期末試験の解答の解説など)(ALのレベルC)   統計力学に関する総合的な理解と複合問題が解ける。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。4
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。4
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。4
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
物体に作用する力を図示することができる。4
力の合成と分解をすることができる。4
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。4
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。4
慣性の法則について説明できる。4
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。4
運動方程式を用いた計算ができる。4
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。4
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。4
最大摩擦力に関する計算ができる。4
動摩擦力に関する計算ができる。4
仕事と仕事率に関する計算ができる。4
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。4
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。4
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。4
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。4
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。4
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。4
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.4
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力のモーメントを求めることができる。4
角運動量を求めることができる。4
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。4
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。4
重心に関する計算ができる。4
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。4
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。4
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。4
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。4
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。4
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。4
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。4
気体の内部エネルギーについて説明できる。4
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。4
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。4
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。4
熱機関の熱効率に関する計算ができる。4
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。4
横波と縦波の違いについて説明できる。4
波の重ね合わせの原理について説明できる。4
波の独立性について説明できる。4
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。4
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。4
ホイヘンスの原理について説明できる。4
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。4
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。4
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。4
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。4
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。4
自然光と偏光の違いについて説明できる。4
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。4
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。4
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。4
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。4
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。4
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。4
ジュール熱や電力を求めることができる。4

評価割合

中間試験期末試験課題合計
総合評価割合30301070
基礎的能力1515030
専門的能力1515030
分野横断的能力001010