特別研究2

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 特別研究2
科目番号 0042 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 8
開設学科 先端融合開発専攻 対象学年 専2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 指導教員と密接にコンタクトをとり、教科書や参考書だけでなく、学会発表や論文なども参考とし、深い専門分野とともに、広い視野を学習すること
担当教員 北川 秀夫,Y専攻 教員

到達目標

 これまでの学修の成果を踏まえて、教育目標に対応して以下の達成を目標とする。
倫理…社会的責任を認識して、社会の改善に貢献できる研究を実践できる。
デザイン能力…研究目標の達成に向けての合理的な研究計画を立案できる。
コミュニケーション能力…有機的連携より研究を進め効果的に発表できる。
専門知識・能力…これまでに得た専門知識を実践的問題解決に活用できる。
情報技術…情報機器を有効活用することで効率的な研究作業を実行できる。
これらより、主体的に考え社会の問題解決を可能にする実践的な能力を獲得する。

本科において研究開発に展開するための基礎的な専門科目の学修を終え、特別研究1では、本科5年間での専門分野の基礎知識を踏まえたうえで、社会問題の工学的観点より研究背景を調査し、研究課題を明確にすることでより良い社会の実現を目指した問題解決を達成するための研究課題に取り組む。
具体的には、指導教員との協議のうえで研究課題を設定し、研究の背景や方向を学修し、これを踏まえて学生自らが研究の計画を立案し、研究室の連携作業より研究活動を実践する。以下に具体的な目標を記す。
①研究背景や社会問題を意識的に理解する
②研究目的に関する調査・検索能力を身につける
③企画・創案・課題発見能力を身につける
④研究課題に関する問題抽出・検討能力を身につける
⑤研究実施に関する設計・計画能力を身につける
⑥研究結果に対する分析能力・評価能力を身につける
⑦研究内容の日本語での的確な表現能力を身につける

【クラス分け方式】

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
技術者倫理技術者倫理や社会問題を意識し、研究においても倫理感が必要であることを理解のうえ、研究活動に活かしており、研究記録や引用した参考文献などが正しく管理されている技術者倫理や社会問題を意識し、研究においても倫理感が必要であることを理解のうえ、研究活動に活かしている技術者倫理や社会問題を意識し、研究においても倫理感が必要であることを理解していない
調査・検索能力最新の社会ニーズと関連技術の動向を十分に理解し、社会の要請に応えるべく、研究の目的を正しく認識し記述できている対象とする研究課題に関する社会ニーズと関連技術の動向に関する記述に間違いがなく、最新のものである研究を成立させるための社会ニーズと関連技術の動向に関する最低限の記述がない
企画・創案能力調査・検索の結果を背景として、問題を解決するための独自性、創造性が感じられる企画・創案がなされ、十分な成果が期待できる調査・検索の結果を背景として、問題を解決するための有効な企画・創案がなされている調査・検索の結果を参考に、また、指導により研究の企画・創案がなされていない
問題抽出・検討能力課題や構想を実現する過程で発生する実務上の問題を予想・抽出、実現可能かどうかについて検討・判断し、完成に至る道筋が明確である課題や構想を実現する過程で発生する実務上の問題を予想・抽出し、実現可能かどうかについて検討・判断できている課題や構想を実現する過程で発生する実務上の問題を予想・抽出できていない
設計・計画能力研究課題や構想を実現するための実施計画が具体的で実現可能なものであるとともに、完成に至る道筋が明確である研究課題や構想を実現するための実施計画が具体的で実現可能なものである研究課題や構想を実現するために何らかの実施計画がされていない
知識・技術取得能力各種の方法で獲得した知識、技術を融合し、課題の解決に有効に活用できていることが確認でき、必要に応じて新な知識、技術の獲得ができている各種の方法で獲得した知識、技術を融合し、課題の解決に有効に活用できていることが確認できる既存の知識、技術を駆使して課題の解決に取り組んでいない
実践能力実施計画に従って、自主的、継続的に研究課題や構想について取り組んでおり、計画通りに実施すると共に、新たに生じた別の課題にも自主的に取り組んでいる実施計画に従って、自主的、継続的に研究課題や構想について取り組んでおり、ほぼ計画通りに実施できている実施計画に従って、自主的、継続的に研究課題や構想について取り組んでいない
継続的改善能力研究方法や方向性、研究結果等に対し、評価や検討が継続して実施され、改善を図った項目によって十分な成果が期待できる、または成果が得られている研究方法や方向性、研究結果等に対し、評価や検討が継続して実施され、改善を図った項目が確認できる研究方法や方向性、研究結果等に対し、評価や検討が継続して実施されていない
報告書作成・プレゼンテーション能力報告書やプレゼンテーションの内容について論理的な整合性があることに加え、わかりやすい説明ができている報告書やプレゼンテーションの体裁等が守られ、それらの内容について論理的な整合性がある完成した作品や実体、得られた実験結果などを論文や報告書にまとめ、プレゼンテーションをすることができない
解析・評価能力完成した作品や実体、得られた実験結果に、他の作品等を含めて、正当で論理的整合性のある評価ができ、評価の裏付けが明確である完成した作品や実体、得られた実験結果に、他の作品等を含めて、正当で論理的整合性のある評価ができる完成した作品や実体、得られた実験結果などを自己評価できない
日本語での的確な表現能力論文や予稿、プレゼンテーションで使用されている日本語の表現が的確で論理的な整合性があり、内容を正確に理解できる論文や予稿、プレゼンテーションで使用されている日本語の表現に論理的な整合性がある論文や予稿、プレゼンテーションで使用されている日本語の表現により内容が理解できない
日本語での検討・議論能力審査会や学会での質疑の内容を理解し、冷静に整合性のある議論ができ、的確な応答ができる審査会や学会での質疑の内容を理解し、冷静に整合性のある議論ができる審査会や学会での質疑の内容を理解し議論することができない
英語による基礎的表現能力正しい用語を用いて文法的に誤りのない表現で英文アブストラクトを作成でき、研究内容を的確に表現できている正しい用語を用いて文法的に誤りのない表現で英文アブストラクトを作成できる正しい用語を用いて英文アブストラクトを作成できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
以下の分野から研究分野を選択し、提示されたテーマに基づき研究課題を設定する。
機械工学系、電気情報工学系、電子制御工学系、環境都市工学系、建築学系
なお、最終的に特別研究2(次年度)を合格とする要件には、特別研究論文や発表会の審査、学協会等における口頭発表に加えて、JABEE の修了要件(学習・教育目標の達成度評価、取得単位数、学習保証時間)が含まれるので、専攻科会議委員とともに定期的に達成度をチェックして、科目の履修申請に反映させること。
授業の進め方・方法:
指導教員と綿密にコンタクトをとり、自主的・継続的に努力することが必要である。また、狭い専門分野にとらわれず、広い視野をもつことも重要である。
注意点:
学習教育目標:(A-2)5%、(B-1)30%、(B-2)50%、(C-1)10%、(C-2)5%
JABEE基準1(1):(a)(b)(d)(e)(f)(g)(h)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 文献の講読(ALのレベル:B) 特別研究の準備
2週 文献の講読(ALのレベル:B) 特別研究の準備
3週 研究に必要な知識の習得(ALのレベル:B) 特別研究の準備
4週 研究に必要な知識の習得(ALのレベル:B) 特別研究の準備
5週 研究に必要な機材棟に関する学修および操作方法の習得(ALのレベル:B) 特別研究の準備
6週 研究に必要な機材棟に関する学修および操作方法の習得(ALのレベル:B) 特別研究の準備
7週 実験装置・解析用プログラム等の作製(ALのレベル:B) 特別研究の遂行
8週 実験装置・解析用プログラム等の作製(ALのレベル:B) 特別研究の遂行
2ndQ
9週 実験装置・解析用プログラム等の作製(ALのレベル:B) 特別研究の遂行
10週 実験装置・解析用プログラム等の精査(ALのレベル:B) 特別研究の遂行
11週 実験・解析等(ALのレベル:B) 特別研究の遂行
12週 実験・解析等(ALのレベル:B) 特別研究の遂行
13週 実験・解析等(ALのレベル:B) 特別研究の遂行
14週 実験・解析等(ALのレベル:B) 特別研究の遂行
15週 実験・解析等(ALのレベル:B) 特別研究の遂行
16週
後期
3rdQ
1週 実験・解析結果等の精査(ALのレベル:B) 特別研究の遂行
2週 実験装置・解析用プログラム等の改良(ALのレベル:B) 特別研究の遂行
3週 実験装置・解析用プログラム等の改良(ALのレベル:B) 特別研究の遂行
4週 実験結果または解析結果に基づく考察(ALのレベル:B) 特別研究成果のまとめ
5週 実験結果または解析結果に基づく考察(ALのレベル:B) 特別研究成果のまとめ
6週 研究室内での研究進捗状況報告および討論(ALのレベル:B) 特別研究成果のまとめ
7週 研究室内での研究進捗状況報告および討論(ALのレベル:B) 特別研究成果のまとめ
8週 研究成果のまとめ(ALのレベル:B) 特別研究成果のまとめ
4thQ
9週 研究成果のまとめ(ALのレベル:B) 特別研究成果のまとめ
10週 発表要旨の作成(ALのレベル:B) 特別研究のまとめ、発表
11週 発表要旨の作成(ALのレベル:B) 特別研究のまとめ、発表
12週 発表準備・練習(ALのレベル:B) 特別研究のまとめ、発表
13週 発表準備・練習(ALのレベル:B) 特別研究のまとめ、発表
14週 発表準備・練習(ALのレベル:B) 特別研究のまとめ、発表
15週 特別研究発表会での発表(ALのレベル:B) 特別研究のまとめ、発表
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。4
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。4
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。4
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。4
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。4
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。4
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。4
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。4
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。4
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。4
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。4
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。4
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。4
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。4
技術史技術史歴史の大きな流れの中で、科学技術が社会に与えた影響を理解し、自らの果たしていく役割や責任を理解できる。4
専門的能力専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。5
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。5
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。5
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。5
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。5
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。5
共同教育共同教育クライアント(企業及び社会)の要求に適合するシステムやプロセスを開発することができる。5
企画立案から実行するまでのプロセスを持続可能性の実現性を配慮して実行することができる。5
品質、コスト、効率、スピード、納期などに対する視点を持つことができる。5
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識・教養が、企業及び社会でどのように活用されているかを理解し、技術・応用サービスの実施ができる。5
地域や企業の現実の問題を踏まえ、その課題を明確化し、解決することができる。5
問題解決のために、最適なチームワーク力、リーダーシップ力、マネジメント力などを身に付けることができる。5
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などの必要性を理解できる。5
技術者として、生きる喜びや誇りを実感し、知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践創造的な活動を楽しむことを理解できる。5
技術者として、社会に対して有益な価値を提供するために存在し、社会の期待に十分応えられてこそ、存在の価値のあることを理解できる。5
企業人としても成長していく自分を意識し、継続的な自己研さんや学習が必要であることを理解できる。5
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。4
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。4
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。4
ICTやICTツール、文書等を自らの専門分野において情報収集や情報発信に活用できる。4
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。4
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。4
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。4
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。4
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。 4
集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。4
日常生活の時間管理、健康管理、金銭管理などができる。常に良い状態を維持するための努力を怠らない。4
ストレスやプレッシャーに対し、自分自身をよく知り、解決を試みる行動をとることができる。日常生活の管理ができるとともに、目標達成のために対処することができる。4
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。4
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。4
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。4
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。4
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。4
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。4
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。4
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。4
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。4
技術の発展と持続的社会の在り方に関する知識を有し、未来社会を考察することができるとともに、技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。4
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。4
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。4
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセス理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しなければならないことを理解する。4
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセスを理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しデザインすることができる。4

評価割合

提出書類審査会合計
総合評価割合256590
得点256590
000