物質化学

科目基礎情報

学校 岐阜工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 物質化学
科目番号 0048 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 先端融合開発専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 参考書 改訂版現代化学の基礎(山内淳他,学術図書出版),基礎有機化学演習(吉原正邦他,三共出版)
担当教員 上原 敏之

到達目標

以下の各項目を到達目標とする。
①原子軌道の表記法の理解
②分子軌道の表記法の理解
③混成軌道の理解
④IUPAC命名法の理解
岐阜高専ディプロマポリシー:(D)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1原子軌道を理解し,ほぼ正確に表記できる原子軌道を理解し,6割以上正確に表記できる。原子軌道を理解していない。
評価項目2分子軌道を理解し,ほぼ正確に表記できる。分子軌道を理解し,6割以上正確に表記できる。分子軌道を理解していない。
評価項目3混成軌道を理解し,ほぼ正確に表記できる混成軌道を理解し,6割以上正確に表記できる。混成軌道を理解していない。
評価項目4IUPAC命名法を理解し,ほぼ正確に表記できる。IUPAC命名法を理解し,6割以上正確に表記できる。IUPAC命名法を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物質をデザインするには,環境にも配慮した地球規模の物質観が必要である。そのためには物質に関する基本的な概念として原子や分子さらにはイオンについて,量子論から明らかになった原子軌道や分子軌道,さらには化学結合に関する正しい知識が不可欠である。本授業の目的は,化学結合の本質を理解し正しい物質観を身につけることである。さらに,基本的な有機化合物であるアルカンについて,国際的に通用するIUPAC命名法を日本語だけでなく,英語でも表現できるようにする。
授業の進め方・方法:
授業は,板書等を中心に行う。
英語導⼊計画:Technical terms
注意点:
各自学習ノートを充実させること。第1年次で量子力学を受講していることが望ましい。
授業の内容を確実に⾝につけるために、予習・復習が必須である。
なお,成績評価に授業外学修の内容は含まれる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 波動関数と量子数 (授業外学習・事前)波動関数と量子数を調べておく(約1時間)
(授業外学習・事後)波動関数と量子数を理解し,レポートとしてまとめる(約3時間)
2週 動径分布関数とオービタルモデル (授業外学習・事前)動径分布関数とオービタルモデルを調べておく(約1時間)
(授業外学習・事後)動径分布関数とオービタルモデルを理解し,レポートとしてまとめる(約3時間)
3週 原子軌道,電子配置と周期表 (授業外学習・事前)原子軌道と電子配置,周期表の関連を調べておく(約1時間)
(授業外学習・事後)原子軌道と電子配置,周期表の関連を理解し,レポートとしてまとめる(約3時間)
4週 原子価結合法と分子軌道法 (授業外学習・事前)原子価結合法と分子軌道法を調べておく(約1時間)
(授業外学習・事後)原子価結合法と分子軌道法を理解し,レポートとしてまとめる(約3時間)
5週 分子軌道(水素分子イオン,水素分子) (授業外学習・事前)分子軌道を調べておく(約1時間)
(授業外学習・事後)分子軌道をを理解し,レポートとしてまとめる(約3時間)
6週 分子軌道(等核二原子分子,常磁性) (授業外学習・事前)窒素,酸素,フッ素の各分子軌道と常磁性との関連を調べておく(約1時間)
(授業外学習・事後)窒素,酸素,フッ素の各分子軌道と常磁性との関連を理解し,レポートとしてまとめる(約3時間)
7週 混成軌道(sp) (授業外学習・事前)sp混成軌道を調べておく(約1時間)
(授業外学習・事後)sp混成軌道を理解し,レポートとしてまとめる(約3時間)
8週 混成軌道(sp²) (授業外学習・事前)sp²混成軌道を調べておく(約1時間)
(授業外学習・事後)sp²混成軌道を理解し,レポートとしてまとめる(約3時間)
4thQ
9週 混成軌道(sp³) (授業外学習・事前)sp³混成軌道を調べておく(約1時間)
(授業外学習・事後)sp³混成軌道を理解し,レポートとしてまとめる(約3時間)
10週 金属結合とバンド理論 (授業外学習・事前)バンド理論を調べておく(約1時間)
(授業外学習・事後)バンド理論を理解し,レポートとしてまとめる(約3時間)
11週 有機化学の基礎1 (授業外学習・事前)炭化水素の性質と構造,異性体を調べておく(約1時間)
(授業外学習・事後)炭化水素の性質と構造,異性体を理解し,レポートとしてまとめる(約3時間)
12週 有機化学の基礎2 (授業外学習・事前)合成高分子の構造と性質を調べておく(約1時間)
(授業外学習・事後)合成高分子の構造と性質を理解し,レポートとしてまとめる(約3時間)
13週 化合物命名法 (授業外学習・事前)炭化水素の命名法を調べておく(約1時間)
(授業外学習・事後)炭化水素の命名法を理解し,レポートとしてまとめる(約3時間)
14週 化合物命名の演習 (授業外学習・事前)アルカン,アルケンの異性体の構造式と命名法(英語表記)を調べておく(約1時間)
(授業外学習・事後)アルカン,アルケンの異性体の構造式と命名法を理解し,レポートとしてまとめる(約3時間)
15週 期末試験
16週 有機材料と無機材料 (授業外学習・事前)有機材料と無機材料の構造と性質を調べておく(約1時間)
(授業外学習・事後)有機材料と無機材料の構造を理解し,レポートとしてまとめる(約3時間)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学化学代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。4
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。4
物質が原子からできていることを説明できる。4
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。4
価電子の働きについて説明できる。4
原子のイオン化について説明できる。4
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。4
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。4
イオン結合について説明できる。4
イオン結合性物質の性質を説明できる。4
共有結合について説明できる。4
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。4
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。4
金属の性質を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合90000010100
基礎的能力90000010100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000