到達目標
1.「数と式の計算」では、文字式についての演算・展開・因数分解ができ、因数定理・剰余の定理を使うことができる。また虚数の概念を導入し、実数から複素数へ数の体系を拡張したうえで複素数についての計算ができるようになること。
2. 「方程式と不等式」では2次方程式の解の公式や因数分解を用いて、2次方程式や簡単な3次以上の方程式が解けるようになること。不等式についても1次不等式および簡単な2次以上の不等式についても解けるようになること。さらに、等式・不等式の証明や命題などの論理を理解すること。
3.「図形と式(点と直線)」では、与えられた条件に合う点の座標を求めることができ、直線の方程式について理解できること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 文字式についての公式を応用して演算・展開・因数分解ができ、因数定理・剰余の定理が使える。複素数の計算ができる。方程式や不等式が解ける。等式や不等式の証明ができ、命題論理の初歩を理解できる。座標平面上の2点間の距離を求めることができ、条件を満たす直線の方程式を求め、図形の問題へ応用することができる。 | 文字式についての公式を用いた演算・展開・因数分解ができ、因数定理・剰余の定理を述べることができる。複素数の計算ができる。方程式や不等式が解ける。等式や不等式の証明ができる。座標平面上の2点間の距離を求めることができ、条件を満たす直線の方程式を求めることができる。 | 文字式についての演算・展開・因数分解ができ、因数定理・剰余の定理が使えない。複素数の計算ができない。方程式や不等式が解ける。等式や不等式の証明ができない。座標平面上の2点間の距離を求めることができず、条件を満たす直線の方程式を求めることができない。 |
評価項目2 | | | |
評価項目3 | | | |
学科の到達目標項目との関係
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2
説明
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教育方法等
概要:
本校で開講する数学は、主に解析学の基礎と線形代数の基礎に当てられている。第1学年の基礎数学Ⅰでは、中学校で学んだ数学の延長上にあるものとして、数と式の計算、方程式と不等式、図形と式(点と直線)の3項目について学ぶ。これらの事項は第2学年以降で学ぶ数学の基礎となるもので、きちんと理解することがさらに進んだ数学を学習するために極めて重要となる。授業は講義が主であるが、適宜演習も入れて理解を定着させるとともに、自学自習によってそれを補うよう学生に要求する部分もある。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。教科書の問や練習問題,問題集の問題の演習を授業時間内に行うがすべてを授業時間内に行うことは不可能である。授業時間内に行うことのできなかった問題は授業後に復習のために演習することは不可欠である。授業中に何回か小テストを課す予定である。
注意点:
1. 評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
2. 中間試験を授業時間内に実施することがあります。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
整式の加法・減法 |
整式の加法・減法を正しく行うことができる。
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2週 |
整式の乗法 |
展開公式を用いて式の展開を行うことができる。指数法則を正しく使うことができる。
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3週 |
因数分解 |
因数分解の公式やたすき掛けを用いて整式を因数分解することができる。
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4週 |
整式の除法 |
整式の除法を行い、商と余りを求めることができる。
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5週 |
剰余の定理 |
1次式による除法の余りを剰余の定理によって求めることができる。
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6週 |
因数定理 |
因数定理を用いて因数分解を行うことができる。
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7週 |
分数式の計算 |
除法の指数法則などを用い、分数式の計算を行うことができる。繁分数式を普通の分数式へ変形できる。
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8週 |
演習 |
第1週から第7週分の内容の基本的な問題を解くことができる。
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2ndQ |
9週 |
実数 |
実数の定義、絶対値とその性質を理解し、述べることができる。
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10週 |
平方根 |
根号の性質を理解し、平方根を含む式の計算ができる。分母の有理化を行うことができる。
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11週 |
複素数(1) |
複素数の定義を理解し、その加減乗除の計算を行うことができる。
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12週 |
複素数(2) |
複素数を複素数平面上に表現することができ、絶対値とその性質を理解し、正しく計算することができる。
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13週 |
2次方程式 |
2次方程式の解の公式を用いて2次方程式を解くことができる。判別式を用いて解の判別を行うことができる。
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14週 |
解と係数の関係 |
解と係数の関係を用い,2次方程式の解に関する対称式の値を計算することができる。2次式を因数分解できる。
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15週 |
演習 |
第9週から第14週分の内容の基本的な問題を解くことができる。
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
いろいろな方程式(1)
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高次方程式、連立方程式を解くことができる。
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2週 |
いろいろな方程式(2) |
分数方程式、無理方程式を解くことができる。
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3週 |
恒等式 |
「恒等式とは何か」を述べることができ、恒等式となる条件を求めることができる。部分分数分解や等式の証明で応用できる。
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4週 |
1次不等式 |
不等式の性質を述べることができ、1次不等式を解くことができる。
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5週 |
いろいろな不等式 |
連立不等式、2次不等式、高次不等式を解くことができる。
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6週 |
不等式の証明 |
相加相乗平均の関係や2次式の平方完成などを用い、不等式の証明を行うことができる。
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7週 |
演習 |
第1週から第6週分の内容の基本的な問題を解くことができる。
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8週 |
集合 |
集合の全体集合、部分集合、和集合、共通部分の定義をベン図を使って説明できる。ドモルガンの法則を説明できる。
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4thQ |
9週 |
命題(1) |
命題の真偽を判定できる。必要条件、十分条件、必要十分条件を判定できる。
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10週 |
命題(2) |
命題の逆・裏・対偶を言える。対偶の証明することにより元の証明を行うことができる。背理法により証明が行える。
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11週 |
2点間の距離
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座標平面上の2点間の距離を求めることができる。
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12週 |
内分点 |
線分の中点や内分点を求めることができる。三角形の重心を求めることができる。
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13週 |
直線の方程式 |
いろいろな条件に対して直線の方程式を求めることができる。
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14週 |
2直線の関係 |
平行および垂直条件を用いて条件をみたす直線の方程式を求めることができる。
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15週 |
演習 |
第8週から第14週分の内容の基本的な問題を解くことができる。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 2 | 前1,前2,前4,前5,前8 |
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。 | 2 | 前3,前6,前8 |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 2 | 前7,前8 |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 2 | 前9,前15 |
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 2 | 前10,前15 |
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。 | 2 | 前11,前12,前15 |
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。 | 2 | 前13,前14,前15 |
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。 | 2 | 後1,後7 |
簡単な連立方程式を解くことができる。 | 2 | 後1,後7 |
無理方程式・分数方程式を解くことができる。 | 2 | 後2,後7 |
1次不等式や2次不等式を解くことができる。 | 2 | 後4,後5,後7 |
恒等式と方程式の違いを区別できる。 | 2 | 後3,後7 |
2点間の距離を求めることができる。 | 2 | 後11,後15 |
内分点の座標を求めることができる。 | 2 | 後12,後15 |
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。 | 2 | 後13,後14,後15 |
評価割合
| 試験 | 課題・小テスト | | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 30 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 50 | 30 | 20 | 100 |