概要:
機械設計において,材料学,材料力学,機械力学,熱力学,流体力学,機構学などの基礎科目の知識に加えて,これらを総合して目的とする機械を実現できる設計能力が必要とされる。この授業では既存の規格や部品を活用しながら,効率よく安全な機械を設計する手法を学ぶ。一般的に目的実現のための方法は数多く存在するが,与えられた制約条件の中で最も適した方法を設計者の創造性を発揮しながら意思決定をすることの重要性を理解する。技術者が理解しておくべき法規・規格,技術者としての心構え,社会に与える影響についても理解を深める。
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位であるので,各週の授業前に授業範囲を予習し,授業後には授業範囲の課題により授業範囲を復習する。授業において,担当教員が解説を行うとともに,学生同士で教えあうアクティブラーニングを取り入れる。
注意点:
1.この科目は学修単位であり,1単位あたり15時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり30時間の事前学習・事後学習が必要となります。
2.小テストを授業時間内に実施します。
3.評価については,評価割合に従って行います。ただし,適宜再試や追加課題を課し,加点することがあります。
4.期末試験50%, 課題レポート30%,小テスト20%の割合で評価します。授業目標3(C1-2)が標準基準(6割)以上で,かつ科目全体で60点以上の場合に合格となります。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業ガイダンス,標準・規格 |
機械設計法の授業範囲を理解し,各週の授業に対する予習・復習が必要であることを理解する。 標準規格の意義・目的を理解し,PL法を説明できる。
|
2週 |
機械設計の基礎 |
材料の応力-ひずみ線図を理解し,許容応力,安全率,疲労破壊,応力集中の意味を説明できる。
|
3週 |
締結法の基本 |
各種の締結方法を説明できる。 ねじの種類,特徴,用途,規格を理解し,適用できる。
|
4週 |
ねじの力学1 |
三角ねじのねじ山に作用する力を説明でき,ねじ締結における締付けトルクを計算できる。
|
5週 |
ねじの力学2 |
外力が作用するねじ締結体の基礎的な設計ができる。ねじ山の根元に生じるせん断応力とねじ面の接触面圧が計算できる。
|
6週 |
軸と軸継手1 |
軸の種類と用途を説明できる。ねじりモーメントを受ける軸の設計,曲げモーメントを受ける軸の設計ができる。
|
7週 |
軸と軸継手2 |
曲げとねじりの組合せ荷重を受ける軸の設計,剛性を考慮した軸の設計ができる。
|
8週 |
軸と軸継手3 |
軸の危険速度を説明でき,計算ができる。
|
2ndQ |
9週 |
軸と軸継手4 |
キーの設計ができる。軸継手の種類と特徴が説明できる。
|
10週 |
軸受1 |
軸受の種類が説明できる。 滑り軸受けの構造と種類を説明できる。
|
11週 |
軸受2 |
転がり軸受の構造,種類,寿命が説明できる。
|
12週 |
歯車1 |
歯車の種類,各部の名称,インボリュート歯形,標準平歯車,モジュールを説明できる。
|
13週 |
歯車2 |
かみあい率,バックラッシ,切り下げ,転位歯車を説明できる。 標準平歯車の歯の曲げ強さと歯面強さを基にして,歯車の設計ができる。
|
14週 |
歯車3 |
歯車列の速度伝達比が計算でき,歯車設計が説明できる。
|
15週 |
まとめ |
学習範囲を振り返り,理解が不十分なところを確認し,理解できる。
|
16週 |
|
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 機械設計 | 標準規格の意義を説明できる。 | 4 | 前1 |
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。 | 4 | 前2 |
標準規格を機械設計に適用できる。 | 4 | 前3,前6,前11 |
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。 | 4 | 前3 |
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。 | 4 | 前4 |
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。 | 4 | 前5 |
軸の種類と用途を理解し、適用できる。 | 4 | 前6 |
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。 | 4 | 前7,前8 |
キーの強度を計算できる。 | 4 | 前9 |
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。 | 4 | 前9 |
滑り軸受の構造と種類を説明できる。 | 4 | 前10 |
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。 | 4 | 前10 |
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。 | 4 | 前11 |
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。 | 4 | 前13 |
歯車列の速度伝達比を計算できる。 | 4 | 前14 |
力学 | 力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。 | 4 | 前4 |
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。 | 4 | 前4 |
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。 | 4 | 前4 |
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。 | 4 | 前4 |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 4 | 前4 |
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。 | 4 | 前7 |
応力とひずみを説明できる。 | 4 | 前2 |
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。 | 4 | 前2 |
ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。 | 4 | 前6 |
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。 | 4 | 前6,前7 |
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。 | 4 | 前7 |
多軸応力の意味を説明できる。 | 4 | 前7 |
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。 | 4 | 前7 |