機械設計製図Ⅱ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械設計製図Ⅱ
科目番号 2021-083 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 津村・徳丸著 機械製図 実教出版  配布プリント:設計方法・設計例、仕様書作成方法、組立図・部品図例トレース用紙(授業中に指示する),電卓
担当教員 鈴木 尚人,前田 篤志

到達目標

工学技術の専門知識を創造的に活用する能力を身に付けることを授業目標とする.
詳細は以下の通りであり,本科目は機械工作実習IIと合同で開講する.
・基本的な強度計算ができる.
・グループと協力して構想図が描ける.
・手巻きウインチの設計書が作成できる.
・グループで製作した手巻きウインチの組立図,部品図が作図ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.基本的な強度計算ができる.基本的な強度計算が完全にできる.基本的な強度計算ができる.基本的な強度計算ができない.
2.グループと協力して構想図が描ける.グループと協力して構想図が完全に描ける.グループと協力して構想図が描ける.グループと協力して構想図が描けない.
3.手巻きウインチの設計書が作成できる.手巻きウインチの設計書が完全に作成できる.手巻きウインチの設計書が作成できる.手巻きウインチの設計書が作成できない.
4.グループで製作した手巻きウインチの組立図,部品図が作図ができる.グループで製作した手巻きウインチの組立図,部品図が完全に作図ができる.グループで製作した手巻きウインチの組立図,部品図が作図ができる.グループで製作した手巻きウインチの組立図,部品図が作図ができない.

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1・2年生で体得した機械設計製図の基本技術を土台とし,さらに機械工作実習と関連付けて創造設計と製作までを一貫して行う.
授業の進め方・方法:
はじめに,基礎的な設計手法を修得する.その後,動力伝達軸の強度計算法,歯車の曲げ強度の計算法などを修得させたのちに各グループ(7人程度)に与えられた仕様に基づいて手巻きウインチの各種部品を強度計算する.計算結果に基づいて自らデザインを行い,手巻きウインチを創造する.その後,デザインに基づき,加工仕様書を作成して各部品の加工を行い製作・組み立てを行う.最後に仕様を確認するために製作したウインチの性能試験を行う.
注意点:
評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
演習・設計書の内容(20%) 設計製図図面の内容(60%) 取り組み態度(10%) グループ内での指導力・協調性(10%)を100点満点で評価し,60点以上を合格とする.
中間試験を授業時間内に実施することがあります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 設計製作について説明を聞き,授業の大まかな流れを説明出来る.
2週 機械設計の基礎 応力,ひずみ,弾性および塑性変形,安全率,許容応力,引張強さ,曲げ強さ,ねじり強さを理解し,説明出来る.
3週 設計手法(1) 伝達軸の強度計算法と強度計算書の作成が出来る.
4週 設計手法(2) 歯車,巻胴の強度計算法を理解し,強度計算書の作成が出来る.
5週 設計手法(3) ハンドル,爪軸の強度計算法を理解し,強度計算書の作成が出来る.
6週 創造設計(1) 強度計算一覧表の作成および構想図の作成が出来る.
7週 創造設計(2) 構想図の作成が出来る.
8週 創造設計(3) 構想図の作成が出来る.
2ndQ
9週 創造設計(4) 各加工部品の決定が出来る.
10週 創造設計(5) 規格品の決定が出来る.
11週 創造設計(6) 材料取り表および規格品選定表の作成が出来る.
12週 加工手順(1) 伝達軸加工仕様書作成が出来る.
13週 加工手順(2) 歯車加工仕様書作成が出来る.
14週 加工手順(3) 巻胴加工仕様書作成が出来る.
15週 加工手順(4) 爪,ケーシング板,巻胴フランジ,爪車,ハンドル腕加工仕様書作成が出来る.
16週
後期
3rdQ
1週 加工手順(5) ベアリングマウント加工仕様書作成が出来る.
2週 加工手順(6) フランジ加工仕様書作成が出来る.
3週 加工手順(7) 爪軸,スペーサー,ハンドル取手加工仕様書作成が出来る.
4週 機械製図(1) 組立図の製図が出来る.
5週 機械製図(2) 組立図の製図が出来る.
6週 機械製図(3) 組立図の製図が出来る.
7週 機械製図(4) 組立図の製図が出来る.
8週 機械製図(5) 組立図の製図が出来る.
4thQ
9週 機械製図(6) 部品図(歯車,伝達軸)の製図が出来る.
10週 機械製図(7) 部品図(巻胴,巻胴フランジ,フランジ)の製図が出来る.
11週 機械製図(8) 部品図(爪,爪車,爪軸)の製図が出来る.
12週 機械製図(9) 部品図(スペーサー,ケーシング板,ベアリングマウント,ハンドル)の製図が出来る.
13週 製図提出 図面検図が出来る.
14週 製図再提出 図面の修正をが出来る.
15週 まとめ アンケートに答え,本年度行った設計製図のまとめが出来る.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図物体の投影図を正確にかくことができる。4後9,後10,後11,後12
製作図の書き方を理解し、製作図を作成することができる。4後9,後10,後11,後12
公差と表面性状の意味を理解し、図示することができる。4後9,後10,後11,後12
部品のスケッチ図を書くことができる。4前6,前7,前8,前12,前13,前14,前15,後1,後2,後3
CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。3前15
ボルト・ナット、軸継手、軸受、歯車などの機械要素の図面を作成できる。3後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
歯車減速装置、手巻きウインチ、渦巻きポンプ、ねじジャッキなどを題材に、その主要部の設計および製図ができる。3後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
機械設計標準規格の意義を説明できる。3前2
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。3前2
標準規格を機械設計に適用できる。3前6,前7,前8
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。3前10
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。3前2
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。3前2
軸の種類と用途を理解し、適用できる。3前3
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。3前3
キーの強度を計算できる。3前12
軸継手の種類と用途を理解し、適用できる。3後2
滑り軸受の構造と種類を説明できる。3前6,前10
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。3前6,前10
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。3前4
歯車列の速度伝達比を計算できる。4前4

評価割合

製図図面演習・設計書相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合6020010010100
基礎的能力0000000
専門的能力6020010010100
分野横断的能力0000000