到達目標
1. 常微分方程式を離散近似し,PID制御における時間応答の数値解を求めることができる(PID制御のシミュレーションができる).
2. 一次遅れ要素に対するPID制御の時間応答を導出できる(C1-2).
3. 授業中に発言したり,課題レポートに独自の工夫を述べたりすることができる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
1.常微分方程式を離散近似し,PID制御における時間応答の数値解を求めることができる(PID制御のシミュレーションができる). | □常微分方程式を離散化でき,その理由を説明できる.
□PID制御器を離散化でき,その理由を説明できる.
□PID制御における時間応答の数値解を求めることができ,その数値解と理論解とを比較検証できる. | □常微分方程式を離散化できる.
□PID制御器を離散化できる.
□PID制御における時間応答の数値解を求めることができる. | □常微分方程式を離散化できない.
□PID制御器を離散化できない.
□PID制御における時間応答の数値解を求めることができない. |
2.一次遅れ要素に対するPID制御の時間応答を導出できる(C1-2). | □一次遅れ要素に対するPID制御の時間応答が導出できる(定値制御). | □ラプラス変換の諸定理を導出できる.
□一次遅れ要素における単位インパルス・インディシャル応答が導出できる.
□一次遅れ要素に対するP制御の時間応答が導出できる(定値制御). | □ラプラス変換の諸定理を導出できない.
□一次遅れ要素における単位インパルス・インディシャル応答が導出できない.
□一次遅れ要素に対するP制御の時間応答が導出できない. |
3.授業中に発言したり,課題レ
ポートに独自の工夫を述べたりす
ることができる. | □1/4期に3回以上,授業中に
発言できる.
□8割以上の課題レポートに対し
て,創意工夫することができる. | □授業中に発言したり,指名され
たら答えたりすることができる.
□課題レポートに対して,創意工
夫することができる. | □授業中に発言したり,指名され
たら答えたりすることができない
.
□課題レポートに対して,創意工
夫することができない. |
学科の到達目標項目との関係
実践指針 (C1)
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実践指針のレベル (C1-2)
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【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3
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【プログラム学習・教育目標 】 C
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教育方法等
概要:
産業機器はもちろん,輸送機器や家電など,今やコンピュータ制御無くしては,生活が成り立たなくなった.すなわち,機械工学の専門家であっても,制御の知識を要求される時代となった.本科目は,そのような要求を満たす技術者となるための,制御工学に関する基礎的な事を学習し,社会に貢献できる人材となることを目的とする.
授業の進め方・方法:
古典制御の内容を中心に,講義形式で授業を進める.授業方法は,教員と学生との双方向を心掛け,学生参加型を意識した授業を実施する.隔週または3週に1回の頻度でレポート課題を課す.
注意点:
1.評価については、評価割合に従って行います。
2.この科目は学修単位科目であり、1単位あたり15時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり30時間の事前学習・事後学習が必要となります。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
シラバス・ルーブリック説明,レポートの書き方,moodleのコンテンツ紹介,教科書の紹介 |
自ら学ぶレポートの書き方を説明できる.
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2週 |
制御事例紹介(倒立振子・磁気浮上・制振制御),制御の基礎概念(専門用語:制御対象,フィードバック,モデリング) |
自動制御,フィードバック制御の基礎概念や種類を説明できる.
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3週 |
制御に関する用語,シミュレーションの概念,微分の定義と離散化 |
微分演算を離散化できる.
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4週 |
シミュレーションの意味および計算の概要,時間微分の離散化,dx(t)/dt=t,x(0)=0の近似解(数値解)の導出と考察(真値との比較) |
常微分方程式の数値解を求めることができる.
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5週 |
シミュレーションの意義,RC回路とは,RC回路におけるシミュレーション(モデリング,離散化,逐次計算(時間応答)) |
RC回路におけるインディシャル応答の数値解を求めることができる.
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6週 |
フィードバック制御の意味・ブロック線図,P制御器とその離散化,RC回路におけるP制御のシミュレーション |
比例制御(P制御)のシミュレーションができる.
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7週 |
P制御の意味と特徴,I制御器とその離散化,RC回路におけるI制御のシミュレーションおよび考察 |
積分制御(I制御)のシミュレーションができる.
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8週 |
シミュレーションに関する総復習 |
速度や加速度の概念,オームの法則,フックの法則,運動方程式を応用し,電気回路や単振動などの数値シミュレーションの基礎的な問題を解くことができる.
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験の解答・解説,成績集計結果,授業の感想・希望集計結果の説明,3軸ロボットの制御事例(動画)の紹介 |
理解が不足している事柄を把握し,自ら補うことができる.
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10週 |
RC回路におけるPI制御のシミュレーション,RC回路におけるD制御のシミュレーション(オイラー法によるD制御器の離散化における修正,不連続関数の微分の回避) |
微分制御(D制御)のシミュレーションができる.
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11週 |
RC回路におけるD制御のシミュレーション(不連続関数の微分の回避),ラプラス変換の定義・ラプラス変換を用いた線形1階常微分方程式の解 |
ラプラス変換を用いて線形1階常微分方程式が解ける.
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12週 |
ラプラス変換の意義・定義,exp(-αt)・1(t)・δ(t)のラプラス変換,ラプラス変換の諸定理(微分の定理) |
定積分や関数の極限,合成関数の導関数を応用し,ラプラス変換の諸定理を導出できる.
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13週 |
ラプラス変換を用いたRC回路のインディシャル応答の導出,ラプラス変換の諸定理(線形法則,微分法則,積分法則,2階微分,2階積分,最終値の定理) |
指数関数を応用し,ラプラス変換を用いて,RC回路におけるインディシャル応答が導出できる.
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14週 |
伝達関数の定義,RC回路・P・I・D制御器の伝達関数,RC回路の伝達関数を用いたインディシャル応答・単位インパルス応答の導出 |
伝達関数を用いて,RC回路におけるインディシャル応答・単位インパルス応答が導出できる.
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15週 |
RC回路の伝達関数,一次遅れ要素におけるインディシャル応答,時定数・ゲイン定数,最終値の定理を用いたy(∞)の導出 |
関数の接線の方程式を応用し,一次遅れ要素におけるインディシャル応答(過渡特性・定常特性)の特徴を説明できる.
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | 前15 |
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。 | 3 | 前13,前15 |
合成関数の導関数を求めることができる。 | 3 | 前12 |
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。 | 3 | 前13 |
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。 | 3 | 前14 |
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。 | 3 | 前3,前4,前11 |
自然科学 | 物理 | 電気 | オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。 | 3 | 前5 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 計測制御 | 自動制御の定義と種類を説明できる。 | 2 | 前2 |
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。 | 2 | 前2 |
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。 | 4 | 前12 |
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。 | 4 | 前12 |
伝達関数を説明できる。 | 4 | 前14 |
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。 | 4 | 前6 |
制御系の過渡特性について説明できる。 | 4 | 前13 |
制御系の定常特性について説明できる。 | 4 | 前13 |
評価割合
| 前期中間試験 | 前期末試験 | 課題レポート | その他(授業態度) | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 30 | 30 | 10 | 100 |
1.常微分方程式を離散近似し,PID制御における時間応答の数値解を求めることができる(PID制御のシミュレーションができる). | 15 | 15 | 10 | 0 | 40 |
2.一次遅れ要素に対するPID制御の時間応答を導出できる(C1-2). | 15 | 15 | 10 | 0 | 40 |
3.授業中に発言したり,課題レ ポートに独自の工夫を述べたりす ることができる. | 0 | 0 | 10 | 10 | 20 |