社会と工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 社会と工学
科目番号 2022-056 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 なし
担当教員 新冨 雅仁,村松 久巳,大津 孝佳,山之内 亘,小谷 進,長縄 一智,古川 一実

到達目標

 以下に示す4項目について修得する.
(1)地域社会の基本情報や構造について説明できる.
(2)地域社会が抱える問題点を,チーム単位で見出すことができる(C3-2).
(3)地域社会が抱える問題点に対して工学的な観点から解決のための提案をすることができる.
(4) 工学的な問題解決法を知的財産と結びつけて理解することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(秀)優秀な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安修得できたと判断できる到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
1.地域社会の基本情報や構造について説明できる. □ 本年度協力頂く地域の自治体・企業・団体等の業務内容と特徴に加え,独自の観点から情報収集や研究を行うことができる.□ 本年度協力頂く地域の自治体・企業・団体等の業務内容と特徴について説明できる.□ 本年度協力頂く地域の自治体・企業・団体等の業務内容について説明できる.□ 本年度協力頂く地域の自治体・企業・団体等の業務内容について最低限の内容を説明できる.□ 本年度協力頂く地域の自治体・企業・団体等の業務内容について説明できない
2.地域社会が抱える問題点を,チーム単位で見出すことができる(C3-2).□ チームで取り組むべき課題について理解するとともにチームの一員であることを自覚し,自らに割り当てられた役割を達成するための積極的で的確な行動がとれる.□ チームで取り組むべき課題について理解するとともにチームの一員であることを自覚し,自らに割り当てられた役割を達成するための積極的な行動がとれる.□ チームで取り組むべき課題について理解するとともにチームの一員であることを自覚し,自らに割り当てられた役割を達成するための行動がとれる.□ チームで取り組むべき課題について理解するとともにチームの一員であることを自覚し,自らに割り当てられた役割を達成するための最低限の行動がとれる.□ チームで取り組むべき課題について理解できておらず,チームの一員であることの自覚がなく,自らに割り当てられた役割を達成するための行動がとれない.
3.地域社会が抱える問題点に対して工学的な観点から解決のための提案をすることができる.□ 地域社会が抱える問題点を見出すことの必要性を理解した上で,自らの提案を戦略的問題解決手法として工学的観点から説明できている.□ 地域社会が抱える問題点を見出すことの必要性を理解した上で,自らの提案を工学的観点から過不足なく説明できる.□ 地域社会が抱える問題点を見出すことの必要性を理解した上で,自らの提案を工学的観点から説明できる.□地域社会が抱える問題点を見出すことの必要性を理解した上で,問題解決手法について工学的アイデアをいくつか提案できる.□地域社会が抱える問題点を見出すことの必要性を理解した上で,問題解決手法について工学的アイデアを提案できない.
4.工学的な問題解決法を知的財産と結びつけて理解することができる。□ 知的財産権の理念に基づき,新技術開発における「知的財産」の持つ力を深く理解できており、発明原理の一手法を実践できた.□ 知的財産権の理念に基づき,新技術開発における「知的財産」の持つ力を理解できており、発明原理の一手法を実践できた.□ 知的財産権の理念に基づき,新技術開発における「知的財産」の持つ力を大きな間違いもなく理解でき、発明原理の一手法も理解できた.□ 知的財産権の理念に基づき,新技術開発における「知的財産」の持つ力を最低限理解できており、発明原理の一手法も最低限理解できてた.□ 知的財産権の理念を理解しておらず,新技術開発における「知的財産」の持つ力を理解できていない.発明原理の一手法についても理解していない.

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 1 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 5 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 地域社会を理解し,3年生までに修得した工学技術の専門的知識を創造的に活用しながら所属学科の異なる学生チームにより,地域社会が抱える問題を見出す.本講義は地域の自治体や企業等の外部団体による協力のもと,学生チームが見出した問題点について工学的な問題解決方法を提案し、その妥当性について議論する.加えて本講義では,問題点を見出す能力の必要性と新たに見出された知的財産の取扱いについて理解する.
授業の進め方・方法:
授業は講義と課題解決のための学生間の議論(グループワーク)を中心に行なう.講義中は集中して聴講すると共に,積極的に議論に参加すること.適宜,レポート・報告書・演習課題を課すので,指定された方法で期日までに提出すること.
注意点:
評価については、評価割合に従って行います.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス ・教科にて習得すべきことが理解できる.
・地域問題にかかわる自治体職員による講演より地域が抱えるの問題点を受け理解できる.
2週 知財教育1 ・発想法について理解できる.
・パテント検索法と利用方法が理解できる.
3週 グループワーク1 ・各GWクラス単位にて目標を指示します.
4週 グループワーク2 ・各GWクラス単位にて目標を指示します.
5週 グループワーク3 ・各GWクラス単位にて目標を指示します.
6週 知財教育2 ・GWで発案されたアイデアを知財の観点から分析を行うことができる.
7週 グループワーク4 ・各GWクラス単位にて目標を指示します.
8週 グループワーク5 ・各GWクラス単位にて目標を指示します.
4thQ
9週 グループワーク6 ・各GWクラス単位にて目標を指示します。
10週 グループワーク7 ・各GWクラス単位にて目標を指示します.
11週 グループワーク8 ・各GWクラス単位にて目標を指示します.
12週 プロジェクト発表会(代表選出) ・各グループワーククラスの発表を聴き、その内容理解と今後の活用ができる.
13週 プロジェクト発表会(全体発表) ・各グループワーククラスの最優秀テーマ発表を聴き、その内容理解と今後の活用ができる.
14週 企業経験者による講演
・企業経験者の立場から、地域が抱える問題点や課題、解決法などの説明を受け理解できる.
15週 知財教育3 ・GWで発案されたプロジェクトとその中のアイデアを知財の観点から分析を行うことができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。2後1,後2,後14,後15
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。3後1,後2,後5,後8,後13,後14,後15
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3後1,後2,後5,後8,後13,後14,後15
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3後1,後2,後5,後8,後14
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3後1,後2,後5,後8,後14,後15
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3後1,後2,後13,後14,後15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3後1,後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
他者の意見を聞き合意形成することができる。3後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
合意形成のために会話を成立させることができる。3後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3後1,後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3後1,後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後15
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3後9,後13
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
複数の情報を整理・構造化できる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3後1,後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
事実をもとに論理や考察を展開できる。3後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後8,後9,後11,後12,後13
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
目標の実現に向けて計画ができる。3後1,後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3後1,後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3後1,後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3後1,後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3後1,後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3後1,後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
法令やルールを遵守した行動をとれる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。2後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。2後1,後2,後13,後15
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。2後15
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。2後15
企業には社会的責任があることを認識している。2後15
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。2後15
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。2後1,後2,後3,後4,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。2後15
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。2後1,後2,後15
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。2後1,後2,後15
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。2後1,後2,後15
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。2
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。2
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。2後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後8,後9,後10,後11,後12

評価割合

GW知財教育自治体講演企業経験者講演合計
総合評価割合5530510100
(1)地域社会の基本情報や構造について説明できる. 20051035
(2)地域社会が抱える問題点を,チーム単位で見出すことができる(C3-2).1500015
(3)地域社会の産業が抱える問題点に対して工学的な観点から解決のための提案をすることができる.1000010
(4) 工学的な問題解決法を知的財産と結びつけて理解することができる.10300040