金属材料学Ⅰ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 金属材料学Ⅰ
科目番号 2023-089 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 機械・金属材料学 監修:PEL編集委員会 編著:黒田大介
担当教員 横井 敦史

到達目標

■機械材料の性質と種類
1.機械材料に求められる性質を説明できる。
■機械的性質と試験方法
2.引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。
3.硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。
4.脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。
5.疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。
6.機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。
■金属・合金の結晶と状態変化
7.金属と合金の結晶構造を説明できる。
8.金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。
9.合金の状態図の見方を説明できる。
■金属材料の変形と結晶
10.塑性変形の起り方を説明できる。
11.加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 機械材料に求められる性質を説明できる。機械材料に求められる性質を詳細に説明できる。機械材料に求められる性質を説明できる。機械材料に求められる性質を説明できない。
評価項目2 引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を詳細に説明できる。引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できない。
評価項目3 硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。硬さの表し方および硬さ試験の原理を詳細に説明できる。硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できない。
評価項目4 脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を詳細に説明できる。脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できない。
評価項目5 疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を詳細に説明できる。疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できない。
評価項目6 機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を詳細に説明できる。機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できない。
評価項目7 金属と合金の結晶構造を説明できる。金属と合金の結晶構造を詳細に説明できる。金属と合金の結晶構造を説明できる。金属と合金の結晶構造を説明できない。
評価項目8 金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。金属と合金の状態変化および凝固過程を詳細に説明できる。金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できない。
評価項目9 合金の状態図の見方を説明できる。合金の状態図の見方を詳細に説明できる。合金の状態図の見方を説明できる。合金の状態図の見方を説明できない。
評価項目10 塑性変形の起り方を説明できる。塑性変形の起り方を詳細に説明できる。塑性変形の起り方を説明できる。塑性変形の起り方を説明できない。
評価項目11 加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。加工硬化と再結晶がどのような現象であるか詳細に説明できる。加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できない。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
機械や構造物にはさまざまな金属材料が使用されている。これらの金属材料は、設計・製作を担当する機械技術者が、目的や使用条件に合った最適な材料を選択し、最適な状態で使用するものである。
金属材料学Ⅰでは、鉄鋼材料や非鉄金属材料について学習する上で必要となる金属材料の基本特性ならびに機械的性質とその評価法について学習する。
授業の進め方・方法:
1.シラバス記載の「到達目標」をより具体的に示した「細分化した到達目標」を掲出する。各自でそれぞれの到達度を確認しながら学習を進める。
2.遠隔授業の状況によって、①前回授業のレビュー(小テスト)、②グループワークと発表報告、③到達度試験 などを実施する場合がある。
注意点:
1.評価は、評価割合に従って行います。
2.公休以外の理由による追試験は行いません。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
機械材料としての金属・周期表と金属元素・金属の特性
機械材料に求められる性質を説明できる。
金属の特性を説明できる。
2週 金属の結晶構造(1) 金属と合金の結晶構造を説明できる。
格子定数や充填率などの計算ができる。
3週 金属の結晶構造(2)・結晶面および方向の表示法 金属と合金の結晶構造を説明できる。
格子定数や充填率などの計算ができる。
ミラー指数による結晶面および方向の表示ができる。
4週 金属の顕微鏡組織・多結晶と単結晶・結晶粒度 金属の顕微鏡組織について説明できる。
結晶粒度の表示法を説明でき、結晶粒度ならびの結晶粒の大きさの計算ができる
5週 合金の構造・固体拡散 合金の構造を説明できる。
固体拡散について説明でき、簡単な計算ができる。
6週 状態変数・相律・平衡状態図(1) 状態変数と相律を説明できる。
平衡状態図の成り立ちを理解し説明できる。
2元系状態図の組成表示ができる。
7週 平衡状態図(2) 合金の状態図の見方を説明できる(全率固溶体、相互溶解度曲線)。
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。
8週 平衡状態図(3) 合金の状態図の見方を説明できる(共晶反応)。
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。
4thQ
9週 平衡状態図(4) 合金の状態図の見方を説明できる(包晶反応、その他)。
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。
10週 変形機構・格子欠陥・転位 塑性変形の起り方を説明できる。
金属の変形機構と転位について説明できる。
11週 加工硬化と再結晶・冷間加工と熱間加工 加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。
再結晶温度を計算できる。
冷間加工と熱間加工の違いを説明できる。
12週 金属の強化機構 金属の強化機構について説明できる。
13週 機械的性質と評価法(1) 引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。
14週 機械的性質と評価法(2) 脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。
15週 機械的性質と評価法(3) 疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料機械材料に求められる性質を説明できる。4後1
引張試験の方法を理解し、応力-ひずみ線図を説明できる。4後13
硬さの表し方および硬さ試験の原理を説明できる。4後13
脆性および靱性の意味を理解し、衝撃試験による粘り強さの試験方法を説明できる。4後14
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。4後15
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。4後15
金属と合金の結晶構造を説明できる。4後2,後3,後4,後5
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。4後7,後8,後9
合金の状態図の見方を説明できる。4後6,後7,後8,後9
塑性変形の起り方を説明できる。4後10
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4後11

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力80200000100
分野横断的能力0000000