熱力学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 熱力学
科目番号 0005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 工業熱力学,丸茂榮佑,木本恭司著,コロナ社
担当教員 新冨 雅仁

到達目標

1. 温度と熱、圧力と仕事について理解し、計算ができる。
2. 熱力学の第一法則を理解し、熱量、仕事、内部エネルギー、エンタルピーなどの計算ができる。
3. 完全ガスの性質や状態変化を理解し、熱量、仕事などの計算ができる。
4. カルノーサイクルの特性を理解し、効率などの計算ができる。
5. 熱力学の第二法則やエントロピーについて理解し、完全ガスなどのエントロピー変化が計算できる。
6. 各種ガスサイクルについて理解し、効率などの計算ができる。
7. 蒸気の性質を理解し、蒸気表や蒸気線図を用いて各種計算ができる。
8. 蒸気サイクルについて理解し、効率などの計算ができる。
9. 空気調和の手法を理解し、空気線図を用いて湿度などの値を読み取ることができる。
10. 環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学等の分野において熱力学が係わる事象を説明できる。(B1-3)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.温度と熱、圧力と仕事について理解し、計算ができる。□温度と熱、圧力と仕事を理解し、熱量、仕事などをほぼ正しく計算できる。□温度と熱、圧力と仕事を理解し、大きな誤りなく計算できる。□温度と熱、圧力と仕事を理解しておらず、計算ができない。
2.熱力学の第一法則を理解し、熱量、仕事、内部エネルギー、エンタルピーなどの計算ができる。□熱力学の第一法則を理解し、熱量、仕事、内部エネルギー、エンタルピーなどをほぼ正しく計算ができる。□熱力学の第一法則を理解し、熱量、仕事、内部エネルギー、エンタルピーなどを大きな誤りなく計算ができる。□熱力学の第一法則を理解しておらす、熱量、仕事、内部エネルギー、エンタルピーなどの計算ができない。
3.完全ガスの性質や状態変化を理解し、熱量、仕事などの計算ができる。□完全ガスの性質や状態変化を理解し、熱量、仕事などをほぼ正しく計算できる。□完全ガスの性質や状態変化を理解し、熱量、仕事などを大きな誤りなく計算できる。□完全ガスの性質や状態変化を理解しておらず、熱量、仕事などの計算ができない。
4.カルノーサイクルの特性を理解し、効率などの計算ができる。□カルノーサイクルの特性を理解し、効率などをほぼ正しく計算できる。□カルノーサイクルの特性を理解し、効率などを大きな誤りなく計算できる。□カルノーサイクルの特性を理解しておらず、効率などの計算ができない。
5.エントロピーについて理解し、完全ガスのエントロピー変化が計算できる。□エントロピーについて理解し、完全ガスのエントロピー変化をほぼ正しく計算できる。□エントロピーについて理解し、完全ガスのエントロピー変化を大きな誤りなく計算できる。□エントロピーについて理解しておらず、完全ガスのエントロピー変化が計算できない。
6.各種ガスサイクルについて理解し、効率などの計算ができる。□各種ガスサイクルについて理解し、効率などをほぼ正しく計算できる。□各種ガスサイクルについて理解し、効率などを大きな誤りなく計算できる。□各種ガスサイクルについて理解しておらず、効率などの計算ができない。
7.蒸気の性質を理解し、蒸気表や蒸気線図を用いて各種計算ができる。□蒸気の性質を理解し、蒸気表や蒸気線図を用いてほぼ正しく各種の計算ができる。□蒸気の性質を理解し、蒸気表や蒸気線図を用いて大きな誤りなく各種の計算ができる。□蒸気の性質を理解しておらず、蒸気表や蒸気線図を用いての各種計算ができない。
8.蒸気サイクルについて理解し、効率などの計算ができる。□蒸気サイクルについて理解し、効率などをほぼ正しく計算できる。□蒸気サイクルについて理解し、効率などを大きな誤りなく計算できる。□蒸気サイクルについて理解しておらず、効率などの計算ができない。
9.空気調和の手法を理解し、空気線図を用いて湿度などの値を読み取ることができる。□空気調和の手法を理解し、空気線図を用いて湿度などの値をほぼ正しく読み取ることができる。□空気調和の手法を理解し、空気線図を用いて湿度などの値を大きな誤りなく読み取ることができる。□空気調和の手法を理解しておらず、空気線図を用いて湿度などの値を読み取ることができない。
10.環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学等の分野において熱力学が係わる事象を説明できる。(B1-3) □環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学等の分野において熱力学が係わる事象を具体的かつ詳細に説明できる。□環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学等の分野において熱力学が係わる事象を説明できる。□環境エネルギー工学、新機能材料工学、医療福祉機器開発工学等の分野において熱力学が係わる事象を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (B1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (B1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
熱力学は、熱の授受によって引き起こされる物質の諸変化を考える学問である。18世紀後半の産業革命以降後,各種熱機関が考案され、現在、これらの熱機関が我々の生活を支えている。一方で、熱機関を動作させるために我々は大量の化石燃料を消費しており、地球温暖化に代表される種々の環境問題を引き起こしている。これらの問題を解決する環境負荷の少ないシステムを開発するには、熱力学を学ぶことが必要不可欠である。本講義では、工学や工業への応用に主眼を置くこととし、エネルギー保存則(熱力学の第一法則)およびエネルギーの価値、変化の方向性(熱力学の第二法則)を学んだ後、各種熱機関の原理と実際について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は講義を中心に、演習を混ぜつつ行う。
適宜レポート課題を課すので、期限を守って提出すること。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。
3.4回の試験を72%、課題レポートを28%の重みとして評価する。授業目標10(B1-3)が標準基準(6割)以上で、かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。評価基準については、成績評価基準表による。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、背景
2週 温度と熱 温度、熱量、比熱、熱容量、熱力学の第零法則
3週 圧力と仕事 圧力、絶対仕事、工業仕事、p-V線図
4週 熱力学の第一法則 (1) 閉じた系のエネルギー式、内部エネルギー
5週 熱力学の第一法則 (2) 開いた系のエネルギー式、エンタルピー
6週 完全ガス 完全ガスの内部エネルギー、比熱、熱力学の第一法則の式
7週 完全ガスの状態変化 等温変化、等容変化、等圧変化、断熱変化、ポリトロープ変化
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 サイクルと熱機関および冷凍機 熱効率、成績係数
10週 熱力学の第二法則 可逆変化と不可逆変化、第2法則の表現
11週 カルノーサイクル(1) カルノーサイクルの熱効率
12週 カルノーサイクル(2) 熱力学的温度目盛
13週 エントロピー(1) クラウジウスの積分、エントロピーの定義、エントロピー生成
14週 エントロピー(2) 完全ガスのエントロピー変化、エントロピー増大の原理
15週 エクセルギー エネルギーの有効利用とエクセルギー
16週 前期のまとめ
後期
3rdQ
1週 ガスサイクルの基礎 空気標準サイクル
2週 ガスサイクル(1) オットーサイクル
3週 ガスサイクル(2) ディーゼルサイクル、サバテサイクル
4週 ガスサイクル(3) ブレイトンサイクル、ジェットエンジン
5週 ガスサイクル(4) スターリングサイクル、実際の内燃機関
6週 蒸気の性質 蒸気の性質、状態曲面
7週 蒸気の状態変化 蒸気表と蒸気線図、蒸気の状態変化
8週 後期中間試験
4thQ
9週 蒸気サイクル(1) ランキンサイクル
10週 蒸気サイクル(2) 再熱サイクル
11週 蒸気サイクル(3) 再生サイクル、複合サイクル
12週 冷凍サイクル(1) 蒸気圧縮式冷凍サイクル
13週 冷凍サイクル(2) 吸収式冷凍サイクル
14週 空気調和(1) 混合ガス
15週 空気調和(2) 湿り空気、空気線図
16週 後期のまとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合72280000100
基礎的能力0000000
専門的能力7218000090
分野横断的能力010000010