(学際科目)電気電子材料工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 (学際科目)電気電子材料工学
科目番号 2018-165 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 基本からわかる「電気電子材料」講義ノート 湯本雅恵 監修、青柳稔・鈴木薫・田中康寛・松本聡・湯本雅恵 共著 オーム社
担当教員 遠山 和之

到達目標

物質中の電子のふるまいを「電子の性質」、「原子の構造」、「結晶の構造」、「エネルギーバンド構造」という観点から捉えることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目15つの固体の結合力と電気的な性質の関係、結晶構造、転位、不純物や欠陥が電気的な性質に与える影響などを説明できる。5つの固体の結合力と電気的な性質の関係について説明できる。5つの固体の結合力を列挙できるが、電気的な性質との関係は説明できない。
評価項目2導電材料の電気伝導、温度による抵抗の変化等について式を用いて、定量的に説明することができる。導電材料の電気伝導、温度による抵抗の変化等について、定性的に説明できる。導電材料の電気抵抗が、温度によって変化することを知っている。
評価項目3真性半導体や不純物半導体の電気伝導について、フェルミ準位、価電子帯、伝導帯、禁制帯、自由電子、正孔等の用語を用いて説明することができる。真性半導体や不純物半導体の電気伝導について、エネルギーバンド構造から説明することができる。真性半導体や不純物半導体を知っている。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
今日、電気エネルギーは、日常生活で欠かせないエネルギーであり、室内照明、テレビやDVDプレーヤー等のオーディオ機器、携帯電話等の通信機器、冷蔵庫、洗濯機、炊飯器等の家電、自動車など、ありとあらゆる場面で電気エネルギーの恩恵を受けている。この電気エネルギーを用いる際、個々の目的に適した材料を用いることが、感電や火災等に対する安全性、耐久性、経済性等の観点から重要になる。
授業の進め方・方法:
本講義では、電気電子工学のみならず、機械工学や物質工学等の様々な専門知識をもつ学生に対し、電気電子工学で扱う「導体」、「半導体」の基礎を学習する。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
1章 電気電子材料とは
1-1 電気電子材料とは何だろう
物質の状態(気体・液体・固体)、原子の大きさ、原子間の距離などのイメージをつかむことができる。
2週 1章 電気電子材料とは
1-2 さまざまな材料
1-3 電気電子材料のこれから
【課題1】
さまざまな材料の分類方法について学習するとともに電気製品にどのような材料が用いられているのかを説明できる。
3週 2章 電気電子材料の基礎
2-1 物質の構成と電子
【課題2】
原子レベルでの電子の状態や量子数、電子の軌道について説明できる。
4週 2章 電気電子材料の基礎
2-2 化学結合とエネルギーバンド図
【課題3】
5つの固体の結合力と電気的な性質の関係について説明できる。
5週 3章 導電材料
3-1 電気伝導
3-2 温度による抵抗の変化
【課題4】
導体内での電子の振る舞いについて説明できる。
温度によって抵抗値が変化することを説明できる。
導電材料の電気伝導、温度による抵抗の変化等について、定性的に説明できる。
6週 3章 導電材料
3-3 導電材料と電線・ケーブル
3-4 抵抗材料・抵抗器と発熱材料
【課題5】
どのような金属が電気製品のどの部分に用いられているのか考えることができる。
抵抗材料の応用例について数例挙げることができる。
7週 章3章 導電材料
3-5 配線・接触・接合材料
プリント配線、薄膜の導電率、透明電極材料、導電性高分子材料、接点材料、ブラシ材料など、様々な導電材料の応用例について説明できる。
8週 章3章 導電材料
3-6 導体/半導体/絶縁物の界面現象
3-7 超電導材料
金属と絶縁体の界面や金属と半導体の界面で生じる物理現象について説明できる。
導電材料の電気伝導、温度による抵抗の変化等について、定性的に説明できる。
2ndQ
9週 4章 半導体材料
4-1 半導体とは
4-2 シリコンと真正半導体
【課題6】
半導体の性質、その歴史について概略を説明できる。
真性半導体について学ぶ。半導体材料として用いられるシリコンの単結晶を例にしてsp3混成軌道、ダイヤモンド構造を説明できる。
価電子帯、伝導帯、禁止帯、フェルミ準位等の用語を用いて、半導体の電気伝導を説明できる。
(評価項目3)真性半導体や不純物半導体の電気伝導について、エネルギーバンド構造から説明することができる。
10週 4章 半導体材料
4-3 不純物半導体
【課題7】
真性半導体に3族や5族の不純物をドープすることによりp形やn形の半導体になることを説明できる。
p型半導体では不純物準位が価電子帯付近に、n型半導体では伝導帯付近に形成されることを説明できる。
(評価項目3)真性半導体や不純物半導体の電気伝導について、エネルギーバンド構造から説明することができる。
11週 4章 半導体材料
4-4 ダイオード
【課題8】
pn接合を理解し、ダイオードやトランジスタの動作を定性的に説明できる。
12週 4章 半導体材料
4-5 トランジスタ
【課題9】
pn接合を理解し、ダイオードやトランジスタの動作を定性的に説明できる。
13週 4章 半導体材料
4-6 化合物半導体
【課題10】
化合物半導体による発光素子の動作原理を説明できる。
14週 4章 半導体材料
4-7 半導体の製造プロセスの概要
真性半導体の製造プロセス、集積回路の製造工程などを説明できる。
15週 4章 半導体材料
4-8 CMOSの製造工程
CMOSの製造工程について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

課題中間試験期末試験合計
総合評価割合502525100
専門的能力502525100