応用数学B

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用数学B
科目番号 2018-170 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 新 確率統計, 新確率統計問題集(大日本図書)
担当教員 遠藤 良樹

到達目標

1.確率の定義を理解し、簡単な事象の確率を求められること。確率の性質を用い,少し込み入った事象の確率を求め ることができる。条件付き確率と事象の独立性を理解し,実際の問題に応用できること。
2.平均、分散、標準偏差の定義とその意味を理解でき,データからそれらを求められること。2次元データの整理では相関関係を理解し、相関係数を求められること。
3.確率変数と確率分布の概念を理解し、確率分布の定義から平均、分散等の統計量を求められること。また, 中心極限定理を用いて, 標本から条件を満たす確率を求められること。
4.母平均、母分散、母比率の区間推定について,信頼度の意味が分かり信頼区間を作成できること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1□条件付確率、ベイズの定理を理解し、これを実際の問題に応用できる。□確率の定義を理解し、簡単な事象の確率を求めることができる。 □確率の定義を理解できず、簡単な事象の確率を求めることができない。 
評価項目2□相関関係を理解し、相関係数を求めることができる。 □平均、分散、標準偏差の定義とその意味を理解でき、データからそれらを求めることができる。□平均、分散、標準偏差の定義とその意味を理解できず、データからそれらを求めることができない。
評価項目3□中心極限定理を理解し, 標本から条件を満たす確率を求めることができる。  □確率変数と確率分布の概念を理解し、確率分布の定義から平均、分散等の統計量を求ることができる。  □確率変数と確率分布の概念を理解できず、確率分布の定義から平均、分散等の統計量を求ることができない。 

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (B1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (B1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
数理統計学の基礎(確率と統計)について講義を行う。確率論は16 世紀から17 世紀にかけてカルダーノ、パスカル、フェルマーなどにより数学の一分野となっていった。19 世紀初めにコロモゴロフにより公理的確率論が確立し,現在では株価など偶然性を伴う現象の解析にはなくてはならない。統計学は経験的に得られたバラツキのあるデータから、応用数学の手法を用いて数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見いだす。そのため,、医学、薬学、経済学、社会学、心理学、言語学など、自然科学・社会科学・人文科学の実証分析を伴う分野について、必須の学問となっている。
授業の進め方・方法:
講義と演習形式で行う。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・確率の定義 古典的な確率を定義を用いて確率の計算をすることができる。
2週 確率の基本性質 確率の基本性質を述べることができ,それを用いて確率の計算を行うことができる。
3週 期待値 期待値を定義し,これを求めることができる。
4週 条件つき確率と乗法定理 条件付確率を定義し,乗法定理をもちいて確率の計算を行うことができる。
5週 事象の独立 事象の独立の定義を述べることができる。
6週 反復試行 反復試行の確率を求めることができる。
7週 ベイズの定理 ベイズの定理を述べることができる。ベイズの定理を用いて、確率を求める。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 度数分布表・代表値 1次元のデータについて度数分布表を作成でき,データの平均を求めることができる。中央値,最頻値の定義を述べることができる。
10週 散布度 分散と標準偏差の定義を述べることができ,計算できる。
11週 相関 共分散・相関係数の定義を述べることができ,計算することができる。
12週 回帰直線 回帰直線を求めることができる。
13週 確率変数と確率分布 離散型確率変数について確率変数を定義し,確率分布の表をつくることができる。また,平均,分散,標準偏差を求めることができる。
14週 二項分布 二項分布の定義式を書くことができ,確率の計算に応用できる。
15週 ポアソン分布 ポアソン分布の定義を述べることができる。二項分布に関する確率をポアソン分布を用いて計算できる。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 連続型確率分布 連続型確率変数の分布関数,確率密度関数の定義を述べることができる。
2週 連続型確率変数の平均と分散 確率密度関数を用いて平均,分散を求めることができる。
3週 正規分布 正規分布の定義や確率密度関数を述べることができる。正規分布表を用いて確率を計算できる。
4週 二項分布と正規分布の関係 二項分布に関するを正規分布を用いて計算できる。
5週 確率変数の関数 複数の確率変数の和や積の平均に関する公式を用いて計算を行うことができる。
6週 母集団と標本 標本調査における基本的な設定について述べることができる。
7週 統計量と標本分布 標本平均,標本分散,不偏分散の定義を述べることができる。中心極限定理を用いて確率を計算することができる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 いろいろな確率分布 カイ2乗分布,t分布の性質を述べることができる。
10週 点推定 母数の点推定で用いられる推定量をいくつかあげることができる。
11週 母平均の区間推定(1)  母分散が既知な正規母集団を例として,母平均の信頼区間の作り方を説明できる。
12週 母平均の区間推定(2) 母分散が未知な正規母集団において,母平均の信頼区間を作ることができる。
13週 母分散の区間推定 正規母集団の母分散の信頼区間を作ることができる。
14週 母比率の区間推定 二項母集団において,母比率の信頼区間を作ることができる。
15週 問題演習
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3
恒等式と方程式の違いを区別できる。3
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
簡単な場合について、関数の逆関数を求め、そのグラフをかくことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
2点間の距離を求めることができる。3
内分点の座標を求めることができる。3
2つの直線の平行・垂直条件を利用して、直線の方程式を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
簡単な場合について、不等式の表す領域を求めたり領域を不等式で表すことができる。3
積の法則と和の法則を利用して、簡単な事象の場合の数を数えることができる。3
簡単な場合について、順列と組合せの計算ができる。3
等差数列・等比数列の一般項やその和を求めることができる。3
総和記号を用いた簡単な数列の和を求めることができる。3
不定形を含むいろいろな数列の極限を求めることができる。3
無限等比級数等の簡単な級数の収束・発散を調べ、その和を求めることができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。3
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。3
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。3
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
独立試行の確率、余事象の確率、確率の加法定理、排反事象の確率を理解し、簡単な場合について、確率を求めることができる。3
条件付き確率、確率の乗法定理、独立事象の確率を理解し、簡単な場合について確率を求めることができる。3
1次元のデータを整理して、平均・分散・標準偏差を求めることができる。3
2次元のデータを整理して散布図を作成し、相関係数・回帰直線を求めることができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100