電気電子機器

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気電子機器
科目番号 2018-176 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 電気機器工学Ⅰ、尾本義一・他、電気学会、オーム社
担当教員 高野 明夫

到達目標

1.直流機の電機子巻線の回路図を描ける。直流機の原理を説明しできる。直流機の主要な特性計算ができる。 
2.変圧器の原理を説明できる。変圧器の等価回路が描ける。変圧器の特性計算ができる。
3.回転磁界の発生原理が説明できる。誘導機の等価回路を描き、主要な特性計算ができる。
4.同期機のベクトル図を描ける。同期機の主要な特性計算ができる。同期電動機では力率1運転ができる理由を説明できる。
5.回転機の応用事例を挙げ、その回転機が用いられている理由を説明できる。(C1-3)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.直流機の電機子巻線の回路図を描ける。直流機の原理を説明しできる。直流機の主要な特性計算ができる。 □電機子巻線の回路図を描き、並列回路数を読み取れる。 □直流電動機の原理を数式を用いて説明できる。 □直流発電機の自己励磁現象について図を用いて分かりやすく説明できる。 □直流機の主要な特性計算を全て正しく行える。□電機子巻線の回路図を描ける。 □直流電動機の原理を説明できる。 □直流発電機の自己励磁現象について説明できる。 □直流機の主要な特性計算をほぼ正しく行える。□電機子巻線の回路図が描けない。 □直流電動機の原理を説明できない。 □直流発電機の自己励磁現象を説明できない。 □直流機の主要な特性計算を正しく行えない。
2.変圧器の原理を説明できる。変圧器の等価回路が描ける。変圧器の特性計算ができる。□理想変圧器の原理を、法則に基づいて分かりやすく説明できる。 □専門用語を用いて等価回路を描くことができる。 □変圧器の主要な特性計算を全て正しく行える。□理想変圧器について、その原理を説明できる。 □等価回路を描くことができる。 □変圧器の主要な特性計算をほぼ正しく行える。□理想変圧器について、その原理を説明できない。 □等価回路を描くことができない。 □変圧器の主要な特性計算を正しく行えない。
3.回転磁界の発生原理が説明できる。誘導機の等価回路を描き、主要な特性計算ができる。□回転磁界の発生原理を数式を用いて説明できる。 □専門用語を用いて誘導機の等価回路を描くことができる。 □誘導機の主要な特性計算を全て正しく行える。□回転磁界の発生原理を説明できる。 □誘導機の等価回路を描くことができる。 □誘導機の主要な特性計算をほぼ正しく行える。□回転磁界の発生原理を説明できない。 □誘導機の等価回路を描くことができない。 □誘導機の主要な特性計算を正しく行えない。
4.同期機のベクトル図を描ける。同期機の主要な特性計算ができる。同期電動機では力率1運転ができる理由を説明できる。□円筒型同期機のベクトル図を描けない。 □同期機の主要な特性計算を正しく行えない。 □同期電動機が力率1運転できる理由を説明できない。□円筒型同期機のベクトル図を描くことができる。 □同期機の主要な特性計算をほぼ正しく行える。 □同期電動機が力率1運転できる理由を説明できる。□円筒型同期機のベクトル図を描けない。 □同期機の主要な特性計算を正しく行えない。 □同期電動機が力率1運転できる理由を説明できない。
5.回転機の応用事例を挙げ、その回転機が用いられている理由を説明できる。(C1-3)□回転機の応用事例を挙げ、その概要を説明できる。 □用いられている回転機の種類を答え、その回転機が用いられている理由を説明できる。 □性能向上のために回転機に施すべき改善点を論じることができる。□回転機の応用事例を挙げられる。 □用いられている回転機の種類を答えられる。□回転機の応用事例を挙げられない。

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気電子機器はエネルギー変換機器であり、電気エネルギーの伝達や変換に重要な役割を果たしている。例えば、発電所の同期発電機によって発生された電気エネルギーは、変圧器を介して消費地に輸送され、電動機などを駆動している。電動機は家庭電化製品のみならず、電気鉄道や自動車、エレベータなど様々な動力源として用いられている。この授業では、電気電子機器として特に重要な変圧器、直流機、誘導機、同期機を採り上げ、その基本的な定常特性に関する解析、計算法について講義する。
授業の進め方・方法:
講義を中心に進める。宿題を課すことがあるので、その場合には期日までに提出すること。
注意点:
1.授業目標5(C1-3)が標準基準(6割)以上で、かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。評価基準については、成績評価基準表(ルーブリック)による。
2.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学改革支援・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
3.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、直流機 教育目標・授業概要・評価方法等の説明。回転機に使用される基本法則を説明できる。
2週 直流機 直流機の原理を説明できる。
3週 直流機 直流機の構造を説明できる。
4週 直流機 直流機の理論を理解できる。
5週 直流機 直流機の理論を説明できる。
6週 直流機 直流電動機の種類と特性を説明できる。
7週 直流機 電機子反作用について説明できる。
8週 変圧器 理想変圧器の原理を説明できる。
2ndQ
9週 変圧器 理想変圧器の等価回路を導出できる。
10週 変圧器 実際の変圧器の原理を説明できる。
11週 変圧器 ベクトル図を描いて説明できる。
12週 変圧器 損失を考慮した等価回路を描いて、動作を説明できる。
13週 変圧器 電圧変動率や効率の計算ができる。
14週 変圧器 単巻変圧器について説明できる。
15週 変圧器 演習(計算問題を解くことができる。)
16週
後期
3rdQ
1週 誘導機 回転磁界の発生について説明できる。
2週 誘導機 回転磁界の発生について別の観点から説明できる。
3週 誘導機 精密等価回路とベクトル図について説明できる。
4週 誘導機 簡易等価回路とベクトル図およびエネルギーフローについて説明できる。
5週 誘導機 ハイランド円線図について説明できる。
6週 誘導機 比例推移について説明できる。
7週 誘導機 演習(計算問題の解き方に習熟する。)
8週 同期機 同期機の原理を説明できる。
4thQ
9週 同期機 円筒型同期機のベクトル図と等価回路を描ける。
10週 同期機 突極型同期機のベクトル図を描ける。
11週 同期機 同期機の出力を導出できる。
12週 同期機 電圧変動率と短絡比について説明できる。
13週 同期機 電動機の力率1運転とV曲線について説明できる。
14週 同期機 演習(計算問題が解ける。)
15週 同期機 回転機の近年の動向について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電力直流機の原理と構造を説明できる。4
誘導機の原理と構造を説明できる。4
同期機の原理と構造を説明できる。4
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4

評価割合

前期中間試験前期末発表後期中間試験後期末試験課題レポートその他合計
総合評価割合20202020200100
1.直流機の電機子巻線の回路図を描ける。直流機の原理を説明しできる。直流機の主要な特性計算ができる。200000020
2.変圧器の原理を説明できる。変圧器の等価回路が描ける。変圧器の特性計算ができる。020000020
3.回転磁界の発生原理が説明できる。誘導機の等価回路を描き、主要な特性計算ができる。002000020
4.同期機のベクトル図を描ける。同期機の主要な特性計算ができる。同期電動機では力率1運転ができる理由を説明できる。000200020
5.回転機の応用事例を挙げ、その回転機が用いられている理由を説明できる。(C1-3)000020020