科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 哲学
科目番号 2020-138 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 中村雄二郎『哲学の現在』(岩波新書、1977年)を元に教員が作成したレジュメを配分する。テキストを購入する必要はない。 
担当教員 (社会科 非常勤講師),松野 智章

到達目標

1.感性とは何かを理解し、人と科学の関係を哲学的に考察できることができる。
2.芸術や建築、またサブカルチャーなどの文化と哲学の関係を理解し、哲学的な問題を自ら提起できる。
3.技術と自然や社会などとの関わり合いや技術の関わる社会問題に関する具体的な事例について、哲学的に考察し自らの意見を述べることができる。(A2-3)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 哲学とは何かを理解し、批判的な思考で考えることができる。また、科学とは何かを理解し、理論的にものを捉えることができる。批判的な思考で考えることができ、かつ、理論を活用して小論文が書けるようになる。批判的な思考で考えることができ、論理的に議論ができるようになる。論理的な思考で考えることができない。
評価項目2.芸術や建築、またサブカルチャーなどの文化と哲学の関係を理解し、哲学的な問題を自ら提起できる。映画・アニメ・マンガなどから哲学的な問題を抽出し議論することができる。既存の有名な芸術作品や建築などの思想的な潮流を理解することができる。芸術や建築、またサブカルチャーなどの文化と哲学の関係を理解していない。
評価項目3.技術と自然や社会などとの関わり合いや技術の関わる社会問題に関する具体的な事例について、哲学的に考察し自らの意見を述べることができる。(A2-3)心の哲学・認知科学・脳科学を通して心身問題に対して哲学的な自身の見解を述べることができる。心の哲学・認知科学・脳科学を通して心身問題に対して哲学的な理解を深めることができる。心身問題を理解することができない。

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (A2) 説明 閉じる
実践指針のレベル (A2-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
哲学とは、何の制約もなく、あらゆる物事について自由に考察する営みのことである。そうだとすれば、哲学史は、いわゆる哲学者と呼ばれる天才が考え抜いた思考の残骸に他ならない。哲学を学ぶことは、哲学者の思考をなぞることではなく、ましてや、哲学者の考えを自分の考えのように思いこむことでもない。人生や仕事で、大きな問題を抱えた時、自分自身で考え抜くための方法論を学ぶことである。本講義では、論理的に考えるとは何かという問題と、想像するとは、どういうことかという問題を哲学の立場から解説することに焦点をあてつつ、芸術や建築、政治哲学、脳科学、サブカルチャーと多岐にわたる領域を縦横無尽に横断し哲学的思考を習得することを目指す。
授業の進め方・方法:
本講義では、中村雄二郎『哲学の現在』(岩波新書、1977年)を元にレジュメを配布する。レジュメ・スライド(パワーポイント使用)を使用し、講義形式で授業を進める。質問や意見はリアクションペーパーに記入してもらい翌週授業で回答する。また、ディスカッションの機会を設け人前で意見を述べる訓練も行う。自学自習では、小論文の書き方を教授するので最終目標として小論文が書けるようになることを目指し、レポート提出を行う。講義内容は、感性とは何か、という問題を哲学的に解説する。授業態度40%、後期期末試験50%、ディスカッションへの参加10%として評定を行う。自学自習については随時レポートを提出する。合格基準について、授業目標3(A2-3)が標準基準(6割)以上で、かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。評価基準については、成績評価基準表による。
注意点:
この科目は学修単位科目であり、1単位あたり15時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり30時間の事前学習・事後学習が必要となります。
評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義の説明ならびに小論文の書き方。 小論本の書き方を理解することができる。
2週 考えるとは何か? 「知ること」と「考えること」の違いを理解することができる。
3週 生きることと考えること。 自由とは何か選択とは何かを理解し、考えることと「よく生きる」ことの関係を理解することができる。
4週 批判的精神とは何か? 批判的な心構え、権威を疑う精神を学び、さらに、自己に対しての批判的精神を身に着けることができる。
5週 判断するために必要なこと。 事実と価値、「ある」と「べし」の違いを理解することができる。
6週 知識と知恵の分裂。 近代科学がもたらした「知識」と「知恵」の分裂を理解し、主客二元論の問題を理解することができる。
7週 ことばの相のもとに。 言葉と世界の関係を理解し、専門用語と日常言語の違いを理解することができる。
8週 感覚と知覚が開示するもの。 「感覚」「知覚」「判断」の関係を学び、「感性」の働きを理解することができる。
2ndQ
9週 見る・聞く・さわる。 五感を統合させる共通感覚(コモンセンス)について理解することができる。
10週 イメージと想像力。 クリエイティブな活動には想像力が必要であり、想像はどのように為されるのかを理解することができる。
11週 芸術と哲学。 芸術史と哲学史は、相関関係があり、何が芸術の主題であったかを哲学との関係で理解することができる。
12週 建築・服飾と哲学。 建築・服飾と近代的精神の関係を学び、政治・哲学がどのように反映しているかを理解することができる。
13週 心身二元論と物理主義。 AI・脳科学の発展を通して心とは何かを考察することができる。
14週 ディスカッション 人前で論理的に意見を述べることができる。
15週 ディスカッションⅡ 考え方が如何に多様であるかを学び、複眼的視座に立つことができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。3前1,前3,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3前4,前6,前7,前8,前12
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3前1,前2,前3,前6,前7,前8,前9,前10,前13,前14,前15
工学基礎グローバリゼーション・異文化多文化理解グローバリゼーション・異文化多文化理解それぞれの国や地域の経済的・社会的な発展に対して科学技術が果たすべき役割や技術者の責任ある行動について説明できる。3前4,前6,前7,前9,前10,前12

評価割合

試験態度ディスカッションへの参加合計
総合評価割合504010100
基礎的能力504010100
専門的能力0000
分野横断的能力0000