電気電子工学実験Ⅳ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電気電子工学実験Ⅳ
科目番号 2020-167 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 プリント
担当教員 嶋 直樹,高野 明夫,大津 孝佳,望月 孔二,眞鍋 保彦

到達目標

1.事前に文献調査し、実験機材の取り扱い方や手順,チーム内の自分の役割を把握し,担当業務の進捗状況をメンバーに報告できる。(態度)
2.得られた学修成果をレポートにまとめて遅滞なく報告できる。(期限)
3.実験課題に対する結果と考察をレポートにまとめることができる。(内容)
4.実験に関する諮問について口頭で答えることができる。(面接)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 事前に文献調査し,実験機材の取り扱い方や手順,チーム内の自分の役割を把握し,担当業務の進捗状況をメンバーに報告できる.(態度)事前に文献調査し,実験験機材の取り扱い方や手順,チーム内の自分の役割を十分に把握し,担当業務の進捗状況をメンバーにわかりやすく的確に報告できる.事前に文献調査し,実験験機材の取り扱い方や手順,チーム内の自分の役割を把握し,担当業務の進捗状況をメンバーに報告できる.事前に文献調査し,実験機材の取り扱い方や手順,チーム内の自分の役割等の把握が不十分で,担当業務の進捗状況をメンバーに報告できない.
2. 得られた学修成果をレポートにまとめて遅滞なく報告できる.(期限)課題等の記述に不備がなく,得られた学修成果をレポートにまとめて遅滞なく報告できる.一部不備があるものの得られた学修成果をレポートにまとめて遅滞なく報告できる.事前に文献調査し,実験機材の取り扱い方や手順,チーム内の自分の役割等の把握が不十分で,担当業務の進捗状況をメンバーに報告できない.
3. 実験課題に対する結果と考察をレポートにまとめることができる.(内容)実験課題に対する結果を理論的に整理し,学修した知識をもとに考察を加え,わかりやすくレポートにまとめることができる.実験課題に対する結果と考察をレポートにまとめることができる.実験課題に対する結果と考察をレポートにまとめることができない.
4. 実験に関する諮問について口頭で答えることができる.(面接)実験に関する諮問について,これまで学修した知識をもとにわかりやすく正確に口頭で答えることができる.実験に関する諮問について口頭で答えることができる.実験に関する諮問について口頭で答えることができない.

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (E1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (E1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 1 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 4 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 5 説明 閉じる

教育方法等

概要:
理論と実験は工学の勉学にはともに不可欠なものである。講義は理論が中心となるが、理論を確認するには必ず実験が必要である。また、実験結果の中から新しい重要な理論が生まれることもある。実践的な技術者教育を目指す高専における"学生実験"は極めて高い位置付けの科目である。本授業では,3年生までの同科目に引き続き電気電子工学に関するテーマの実験を行う。前期はPBL方式で実施する。後期は通常の実験であり、5つの実験テーマをそれぞれ2週に亘って行う。内容は更により専門的になり、授業内容に限定しないテーマもあるので、学生が自ら疑問点を見つけてポイントを絞り、その問題解決に当たる能力が必要になる。なお、班により実験の順番が入れ替わる。
授業の進め方・方法:
(1) 合格するのは、定められたすべての報告書を、定められた期間内にすべて提出した学生である。事前に合理的な相談があった場合、提出期限は延ばすことがある。
(2) 全ての報告書を出した学生の評価点は、各担当者がそれぞれの報告書に出した点数を平均したものである。
(3) 各報告書の評価の内訳は、実験に取り組む姿勢(40%)、提出時期(30%)、報告書の内容(20%)、口頭試問への対応(10%) である。
授業目標1が標準基準(6割)以上で、かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。評価基準については、ルーブリックによる。
注意点:
評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入,目標設定,自己目標設定 オリエンテーション:
PBLの趣旨,概要,予定,テーマ,グループ分け,安全について
2週 実験環境説明,情報収集 講義:ELVISの使い方・文献調査方法・SPICE
班行動:情報収集
3週 試作回路 講義 :オペアンプ・測定方法
班行動:試作回路製作と解析・回路設計
4週 試作回路,報告書の書き方 講義:報告書の書き方について
班行動:試作回路製作と解析・回路設計
5週 試作回路,部品入手法 講義 :部品入手について
班行動:試作回路の解析・回路設計
6週 技術者倫理 講義 :技術者倫理
班行動:試作回路の解析・回路設計
7週 部品配布,回路製作 講義 :レイアウトに関する注意点
部品配布
班行動:試作回路の解析・回路設計
8週 回路製作 班行動:レイアウト設計・回路製作・評価
2ndQ
9週 回路製作と評価 班行動:回路製作・評価
10週 回路評価と評価 班行動:回路製作・装置組立・回路評価
11週 報告書と発表スライド作成 仮提出:ppt原稿と報告書
班行動:回路製作・評価
12週 報告書と発表スライド作成 講義 :ppt原稿の作り方,報告会の実施方法
班行動:ppt原稿作成,報告書作成
13週 報告書と発表スライド作成 班行動:ppt原稿作成,報告書作成
14週 報告書と発表スライド作成 講義 :ppt発表方法
班行動:発表会に向けた,班別の最終打ち合わせ
15週 発表会 発 表 会
16週
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション(1) 本プログラムの学習・教育目標,授業概要・目標,スケジュール,評価方法と基準等の説明
2週 オリエンテーション(2) 各実験テーマごとに,安全教育,実験内容,事前準備等について説明
3週 過渡現象(1) R−L,R−C,R−L−C回路の過渡現象について解析解を求め,実験により事象を確認する.
4週 過渡現象(2) 得られた解析解,実験波形等からレポートを作成する
5週 フィードバック制御系の構成と時間応答(1) フィードバック制御系の基本構成と時間応答についてパラメータの変更による現象を測定する
6週 フィードバック制御系の構成と時間応答(2) 実験データを基にレポートを作成する
7週 空気の絶縁破壊(1) 空気の絶縁破壊を理解するとともに高電圧実験装置の操作法を修得する
8週 空気の絶縁破壊(2) 実験データを基にレポートを作成する
4thQ
9週 誘導電動機と直流分巻電動機の特性(1) 誘導電動機の基本測定を行い,等価回路定数を求める.直流電動機は始動及び速度制御を実施し,運転操作を理解する
10週 誘導電動機と直流分巻電動機の特性(2) 実験データを基にレポートを作成する
11週 負性抵抗発振器の特性(1) 負性抵抗発振器の特性を測定するとともに,発振器のリミットサイクルを求め,観測波形と比較検討を行い,負性抵抗発振による発振原理と現象を理解する.
12週 負性抵抗発振器の特性(2) 実験データを基にレポートを作成する
13週 報告書整理 再検討,再提出扱いとなったレポートを完成させる
14週 報告書整理 再検討,再提出扱いとなったレポートを完成させる
15週 総括 総括
授業アンケートの実施
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前7
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前7
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前7
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前7
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前7
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前7
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前7
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前7
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前7
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前7
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前7
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3前6
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3前6
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3前6
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3前6
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3前5
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3前6
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。3前5
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。3前5
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3前5
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3前5
重ねの理を適用し、実験結果を考察できる。4前5
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。4前5
共振について、実験結果を考察できる。4前5
増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。3前5
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前13
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前13
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前13
合意形成のために会話を成立させることができる。3前13
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前13
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前5
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前5
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前5
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前5
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前5
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前5
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前11
複数の情報を整理・構造化できる。3前11
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3前11
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前4
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前4
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前4
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前4
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前4
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前4
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前4
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前4
目標の実現に向けて計画ができる。3前10
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前10
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前10
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前10
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前10
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前10
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前10
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前10
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前10
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前10
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前10
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前10
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前6
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3前6
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3前6
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3前6
企業には社会的責任があることを認識している。3前6
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3前5,前6
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3前6
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3前6
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前4
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前4
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前4
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前4
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前4
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前4

評価割合

課題レポート実験および口頭試問合計
総合評価割合5050100
評価項目104040
評価項目230030
評価項目320020
評価項目401010