電子回路Ⅰ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電子回路Ⅰ
科目番号 2020-194 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「集積回路時代の アナログ電子回路」 藤井信生 著,オーム社,2014 (昭晃堂,1984 が出版社変更)
担当教員 望月 孔二

到達目標

・電子回路に必要な基礎知識に関する問題に答えられる。
・半導体の基礎、ダイオードの特性に関する問題に答えられる。
・トランジスタの特性やその等価回路に関する問題に答えられる。
・トランジスタ1石の増幅回路に関して利得等の特性を解析できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
回路理論のうち,電子回路の学習に必要な知識を有する□方程式を立て無ければ解けない問題も解ける□オームの法則を適用すれば良い問題を解くことが出来る□オームの法則の適用が出来ない
半導体素子の基礎がわかる□バイポーラトランジスタとFETの使い分けを説明できる□ダイオードとバイポーラトランジスタとFETについて,特徴を説明できる□半導体素子について説明できない
半導体素子の等価回路□半導体素子について複数の等価回路をあげ,使い分けることができる□半導体素子の等価回路について説明できる□等価回路について説明できない
トランジスタ1石の増幅回路のバイアス特性について□条件に応じてバイアス回路を設計できるAND □バイアスの必要性を説明できる,□バイアス計算ができるOR □バイアスの必要性を説明できない,□バイアス計算ができない
トランジスタ1石の増幅回路について□増幅回路の各種特性を説明できる□増幅回路の基礎事項を説明できる□増幅回路の基礎事項を説明できない

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子回路はトランジスタ・演算増幅器等の電子素子を含んだ回路であり,増幅・発振・変復調等の機能を果たし,通信・コンピュータなどを支える重要な技術である。3年次では電子回路の基礎として一石のトランジスタを取り扱えるようにする。そのためには,1,2 年生で学んだ回路理論を自在に応用できることに加えて,非線形素子の特性と等価回路の意味を理解することが重要である。なるべく練習問題も多く取り入れて授業を進める。
授業の進め方・方法:
【評価方法】適宜宿題を出させる。小テストと年間3回の定期試験で能力を確認する。試験で判明した弱点は反省レポートで再教育。レポートや宿題は,この科目への自学自習能力の判断材料とする。
【評価基準】前期中間10%,前期期末30%,後期中間20%,学年末40%として点数計算し,60%以上を合格とする。試験の反省レポートのできばえに応じて試験の減点分の0%~25% を加算。特別な対応があった場合は加算が増えることがある。(例:クラスの学習に役だつレポートと認められてELSに貼り付けられる場合,1件あたり減点分の10%加点。)
注意点:
・評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
・中間試験を授業時間内に実施することがあります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 授業に関する約束. 評価について.「電子回路」の位置づけを学ぶ
2週 授業と演習:回路理論基礎 回路理論を復習する(「電子回路」に必要な計算力)
3週 その2 電源について復習する(電圧源,電流源,内部抵抗)
4週 その3 その2
5週 その4 制御電源について学ぶ
6週 授業と演習:電子回路の基礎 その2
7週 その2 ゲインとデシベル表記を学ぶ
8週 その3 周波数特性をグラフ化する
2ndQ
9週 その4 その2
10週 その5 その3
11週 その6 半導体素子(ダイオード,トランジスタ,FET)の働きを知る
12週 その7 その2
13週 その8 半導体素子の内部動作を知る
14週 その9 その2
15週 その10 ダイオードの特性を等価回路で表せる
16週 (期末テスト) (期末テスト)
後期
3rdQ
1週 半導体素子 後期ガイダンス
2週 半導体素子 バイポーラトランジスタの特性を等価回路で表せる
3週 半導体素子 バイポーラトランジスタの回路を特性図を使って解析できる
4週 半導体素子 FETの特性を等価回路で表せる
5週 半導体素子 直流成分と交流成分に分けて考える必要があることを知る.バイアス計算ができる.
6週 増幅回路 演習(各授業毎の演習や宿題で十分な理解が得られた場合,この回を授業にすることがある)
7週 演習 ナレータ、ノレータモデルによるトランジスタの直流回路解析
8週 まとめ 演習(各授業毎の演習や宿題で十分な理解が得られた場合,この回を授業にすることがある)
4thQ
9週 増幅回路 トランジスタの基本増幅回路(ベース接地)
10週 増幅回路 トランジスタの基本増幅回路(エミッタ接地)
11週 増幅回路 トランジスタの基本増幅回路(コレクタ接地)
12週 増幅回路 FETの基本増幅回路
13週 増幅回路 複数段の解析
14週 演習 演習(各授業毎の演習や宿題で十分な理解が得られた場合,この回を授業にすることがある)
15週 演習 その2
16週 (期末テスト) (期末テスト)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前8
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3前8
指数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前8
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3前8
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3前8
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前8
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3前8
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路ダイオードの特徴を説明できる。4前11,前15
バイポーラトランジスタの特徴と等価回路を説明できる。4前11,後2,後3
FETの特徴と等価回路を説明できる。4前11,後4
利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。4後9,後10,後11,後12
トランジスタ増幅器のバイアス供給方法を説明できる。4後5,後7
電子工学pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4前13,前14
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4前13,前14
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4前13,前14

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力3020000050
専門的能力4010000050
分野横断的能力0000000