回路理論Ⅰ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 回路理論Ⅰ
科目番号 2020-217 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 テキストブック電気回路 本多徳正著(日本理工出版会),講義資料や演習問題をプリントとして配布する.
担当教員 高矢 昌紀

到達目標

正弦波交流を記述するパラメータ(振幅,角周波数,初期位相)を理解し,必要に応じて平均値,実効値などの値に変換して,回路解析を行なうことができる.
(1)交流電流・電圧のフェーザ表示,複素数表示を用いて,回路解析を行なうことができる
(2)交流電力(皮相電力,有効電力,無効電力)の違いを理解し,回路解析により求めることができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
正弦波交流を記述するパラメータ(振幅,角周波数,初期位相)を理解し,必要に応じて平均値,実効値などの値に変換して,回路解析を行なうことができる正弦波交流を記述するパラメータ(振幅,角周波数,初期位相)を理解し,必要に応じて平均値,実効値などの値に変換して,回路解析を行なうことができる正弦波交流を記述するパラメータ(振幅,角周波数,初期位相)を理解し,必要に応じて平均値,実効値などの値に変換することができる正弦波交流を記述するパラメータ(振幅,角周波数,初期位相)を理解し,必要に応じて平均値,実効値などの値に変換や,回路解析を行なうことができない
交流電流・電圧のフェーザ表示,複素数表示を用いて,回路解析を行なうことができる 交流電流・電圧のフェーザ表示,複素数表示を用いて,回路解析を行なうことができる 交流電流・電圧のフェーザ表示を用いて,回路解析を行なうことができる 交流電流・電圧のフェーザ表示,複素数表示を用いて,回路解析を行なうことができない
交流電力(皮相電力,有効電力,無効電力)の違いを理解し,回路解析により求めることができる交流電力(皮相電力,有効電力,無効電力)の違いを理解し,回路解析により求めることができる交流電力(皮相電力,有効電力,無効電力)を計算により求めることができる交流電力(皮相電力,有効電力,無効電力)を求めることができない

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
1年生で学習した直流回路の定理や法則を基礎として,交流回路理論の基礎を学習する.上級学年での応用学習に備えるため,正弦波交流の扱い方(瞬時値,平均値,実効値,(角)周波数,位相)や回路に用いられる受動素子(抵抗,キャパシタ,コイル)の(角)周波数に対する性質や働きについて学習する.また,交流回路における電力(皮相電力,有効電力,無効電力)の考え方についても学習する.これらの現象を記述する方法として,ベクトル計算法(フェーザ法)と複素数計算による回路解析の手法を講義する.
授業の進め方・方法:
講義ノートを配布し教科書の内容を補足する形で講義を行う。
例題や練習問題を解くことで理解を深める。
定期試験前には前年度の試験問題の配布と解説を行う。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス シラバスの説明,直流回路の復習,正弦波交流と周期について説明できる
2週 正弦波の扱い(1) 角周波数と位相および位相差,三角関数との対応について説明できる
3週 正弦波の扱い(2) 正弦波交流の大きさと実効値の考え方について説明できる
4週 回路素子(1) 交流回路に用いられる受動素子(抵抗,キャパシタ,コイル)について説明できる
5週 抵抗とコイル及び抵抗とキャパシタ R-L回路,R-C回路について説明できる
6週 複素数とフェーザ表示の対応 複素数とフェーザ表示について説明できる
7週 総合演習(1) 演習(正弦波と受動素子について)で扱った内容を説明できる
8週 インピーダンスとアドミタンス インピーダンスとアドミタンスについて説明できる
2ndQ
9週 交流回路の計算(1) インダクタンス回路,キャパシタンス回路について説明できる
10週 交流回路の計算(2) R−L直列回路,R−C直列回路,インピーダンスを用いた計算について説明できる
11週 交流回路の計算(3) R−L並列回路,R−C直列回路,アドミタンスを用いた計算について説明できる
12週 交流回路の計算(4) 各種回路素子の直並列回路の計算について説明できる
13週 総合演習(2) 演習(複素数と座標について)で扱った内容を説明できる
14週 総合演習(3) 演習(インピーダンスとアドミタンスについて)で扱った内容を説明できる
15週 前期まとめ 正弦波:振幅,角周波数,位相,瞬時値,実効値,フェーザ表示と複素数について説明できる
16週
後期
3rdQ
1週 自己インダクタンスと相互インダクタンス 自己インダクタンスと相互インダクタンスについて説明できる
2週 相互インダクタンスで結合された回路 相互インダクタンスで結合された回路について説明できる
3週 相互インダクタンスを含む回路の計算 相互インダクタンスを含む回路の計算
4週 交流ブリッジの平衡条件と解析 交流ブリッジの平衡条件と解析について説明できる
5週 鳳テブナンの定理と等価回路 鳳テブナンの定理と等価回路について説明できる
6週 交流の電力(瞬時電力と平均電力)と力率 交流の電力(瞬時電力と平均電力)と力率について説明できる
7週 総合演習(4) 演習(ブリッジと交流電力)で扱った内容を説明できる
8週 ベクトル軌跡(1) 虚数部が一定の場合,実数部が一定の場合,周波数特性について説明できる
4thQ
9週 ベクトル軌跡(2) アドミタンス(インピーダンスの逆数)の軌跡について説明できる
10週 直列共振 共振周波数とアドミタンスについて説明できる
11週 回路素子のQと共振のQについて 素子の質と共振の鋭さについて説明できる
12週 総合演習(5) 演習(相互インダクタンスについて)で扱った内容を説明できる
13週 総合演習(6) 演習(ベクトル軌跡について)で扱った内容を説明できる
14週 総合演習(7) 演習(直列共振について)で扱った内容を説明できる
15週 総括 一年間の内容を説明できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3前1
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3前14
分数式の加減乗除の計算ができる。3前1
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3前6
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3前11
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3前6
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3前14
無理方程式・分数方程式を解くことができる。3後9
1次不等式や2次不等式を解くことができる。3前14
恒等式と方程式の違いを区別できる。3後4
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。3前1
分数関数や無理関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3前14
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後14
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3後11,後14
対数関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3後14
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3後14
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3後9
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。2前1
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。2前1
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。2前1
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3前15
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3前15
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3前1
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3前1
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3前8
自然科学物理電気オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3前1
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3前1
ジュール熱や電力を求めることができる。3前1
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。2前2
平均値と実効値を説明し、これらを計算できる。4前3
正弦波交流のフェーザ表示を説明できる。2前6
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。2前4,前5,前8
瞬時値を用いて、交流回路の計算ができる。2前9
フェーザ表示を用いて、交流回路の計算ができる。2前12
インピーダンスとアドミタンスを説明し、これらを計算できる。2前8,前10,前11
キルヒホッフの法則を用いて、交流回路の計算ができる。4前14
合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を用いて、交流回路の計算ができる。2前14
直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。2後10,後11,後14
交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。2後6,後7
網目電流法を用いて回路の計算ができる。4前1
テブナンの定理を回路の計算に用いることができる。3前1
電磁気静電容量を説明でき、平行平板コンデンサ等の静電容量を計算できる。3前4
コンデンサの直列接続、並列接続を説明し、その合成静電容量を計算できる。3前4

評価割合

試験課題・小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力401050
分野横断的能力000