固体電子工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 固体電子工学
科目番号 2021-159 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 半導体工学 (第3版)森北出版 高橋 清 著
担当教員 大澤 友克

到達目標

半導体物理を学ぶことで,この理論を適用して,デバイスの動作機構および諸特性を解析できる。
シュレディンガー方程式にペニー・クロニッヒモデルを適用し,バンドモデルを導くことができる。
固体内の電子のエネルギー状態を導出し,バンド理論を理解できる。
バンド理論を用いて,半導体の伝導機構・デバイス特性を解析できる。
スピントロニクスデバイスであるTMR素子の動作原理を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安不可
時間に依存しないシュレディンガー方程式を記述できる。 量子力学の簡単なポテンシャル問題を解くことができる。 状態密度について説明することができる。時間に依存しないシュレディンガー方程式を記述できる。 量子力学の簡単なポテンシャル問題を解くことができる。 状態密度について説明することができ、2次元、3次元の状態密度を導出できる。時間に依存しないシュレディンガー方程式を記述できる。 量子力学の簡単なポテンシャル問題を解くことができる。 状態密度について説明することができる。時間に依存しないシュレディンガー方程式を記述できない。 量子力学の簡単なポテンシャル問題を解くことができない。 状態密度について説明することができない。
フェルミ分布関数を数式で書くことができる。 フェルミ分布関数のグラフが書ける。フェルミ分布関数の物理的意味を説明できる。フェルミ分布関数を数式で書くことができる。 フェルミ分布関数のグラフが書ける。フェルミ分布関数の物理的意味を説明できる。フェルミ分布関数を数式で書くことができる。 フェルミ分布関数のグラフが書ける。フェルミ分布関数を数式で書くことができない。 フェルミ分布関数のグラフが書けない。フェルミ分布関数の物理的意味を説明できない。
半導体のキャリア濃度の温度依存性を説明できる。半導体のキャリア濃度の温度依存性を数式を用いて説明できる。半導体のキャリア濃度の温度依存性を説明できる。半導体のキャリア濃度の温度依存性を説明できない。
連続の方程式について説明できる。連続の方程式について数式を用いて説明できる。連続の方程式について説明できる。連続の方程式について説明できない。
スピントロニクスの代表的なデバイスであるTMR(トンネル磁気抵抗)素子の構造を図示できる。 外部磁場に対する、トンネル抵抗および磁化のグラフの概形を図示できる。 TMR効果の概要を説明することができる。スピントロニクスの代表的なデバイスであるTMR(トンネル磁気抵抗)素子の構造を図示できる。 外部磁場に対する、トンネル抵抗および磁化のグラフの概形を図示できる。 TMR効果の概要を説明することができる。スピントロニクスの代表的なデバイスであるTMR(トンネル磁気抵抗)素子の構造を図示できる。 TMR効果の概要を説明することができる。スピントロニクスの代表的なデバイスであるTMR(トンネル磁気抵抗)素子の構造を図示できない。 外部磁場に対する、トンネル抵抗および磁化のグラフの概形を図示できない。 TMR効果の概要を説明することができない。
半導体接合(pn接合、トランジスタ)について説明できる。半導体接合(pn接合、トランジスタ)について数式を用いて説明できる。半導体接合(pn接合、トランジスタ)について説明できる。半導体接合(pn接合、トランジスタ)について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
4年次の電気電子材料を復習し、講義で割愛した単元に関して学ぶ。具体的には、①トンネル効果、②ペニークローニッヒモデルによるバンド理論の導出、③ホール効果などである。さらに、連続の方程式やトランジスタについても学習する。また近年の話題として、スピントロニクスについても学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は講義中心で、適宜レポートを出題する。
注意点:
評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
この科目は学修単位科目であり、1単位あたり15時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり30時間の事前学習・事後学習が必要となります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション、授業概要・目標,スケジュール,評価方法と基準等の説明。量子力学入門。 物質の二重性、ド・ブロイの関係式が説明できる。
2週 電気電子材料の復習 簡単なシュレディンガー方程式(井戸型ポテンシャル)が解ける。電子のエネルギー状態を説明できる。
3週 トンネル効果 フェルミエネルギーや状態密度関数を説明できる。トンネル効果を説明できる。
4週 固体のバンド理論 ペニー・クロニッヒモデルを説明できる。
5週 エネルギーバンド理論を理解できる。
6週 統計力学の基礎 フェルミディラック分布関数を説明できる。
7週 半導体の伝導機構 半導体の電気伝導を説明できる。
8週 半導体の伝導機構 キャリアの再結合や、連続の方程式を説明できる。
2ndQ
9週 アインシュタインの関係式、ホール効果を説明できる。
10週 pn 接合 pn接合の整流特性、接合容量を説明できる。
11週 ヘテロ接合 ヘテロ接合と金属半導体接触を説明できる。
12週 トランジスタ トランジスタの増幅作用を説明できる。
13週 スピントロニクス スピンエレクトロニクスの基礎を説明できる。
14週 スピントロニクス トンネル磁気抵抗効果(TMR)、巨大磁気抵抗効果(GMR)を説明できる。
15週 まとめ まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

中間試験期末試験レポート合計
総合評価割合50050100
基礎的能力0000
専門的能力50050100