エネルギー変換工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 エネルギー変換工学
科目番号 2023-145 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 気体エレクトロニクス 金田輝男著 コロナ社 および プリント
担当教員 西村 賢治

到達目標

前半は個々の荷電粒子が電界、磁界中そしてその両者が存在する空間でどのように運動するのかニュートンの運動方程式を解くことを通して、運動方程式を導出して解き、解の意味が理解できるようになる。後半においては集団的な扱いが主となり、平均値や確率といった概念を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
1運動方程式を導出し、解き、意味が理解できる。運動方程式を導出し、解き、意味が理解十分良くできる。運動方程式を導出し、解き、意味が理解できる。運動方程式を導出できない。
2自由行程、平均自由行程の意味が理解できる。自由行程、平均自由行程の意味が十分良く理解できる。自由行程、平均自由行程の意味が理解できる。自由行程、平均自由行程の意味が理解できない。
3核融合反応を用いたエネルギー応用の基礎的な内容を理解できる。核融合反応を用いたエネルギー応用の基礎的な内容を十分良く理解できる。核融合反応を用いたエネルギー応用の基礎的な内容を理解できる。核融合反応を用いたエネルギー応用の基礎的な内容を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
エネルギー変換工学は、電磁気学を基礎とした電子工学分野にはじまり、イオンや電子といった個々の粒子やそれらの集団としての特性をふまえて有効利用しようとするものである。本講義においては、電子そのものの性質、加えて基本的な物理現象を最初に取り扱い、電磁界中での単一電子の運動について考える。ついで気体中の電子やイオンの振舞いを理解し、集団としての扱いが必要となる気体放電およびエネルギー変換の応用例であるプラズマを用いた核融合を取り扱う。なお、試験の日程や学生の理解度によって多少進度を調節する可能性がある。
授業の進め方・方法:
回路理論や電磁気のように方程式を立てて解を求めるような内容ではなく、現象の理解が問われる内容になっている。
およそ指定した教科書に準じて授業を行うが、原子力一般の内容など教科書にはない部分もあるため、適宜資料を用意して配布する。
注意点:
この科目は学修単位科目であり、1単位あたり15時間の対面授業を実施する。併せて1単位あたり30時間の事前学習・事後学習が必要となる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 本授業の概要説明
電子の性質と物理現象
本授業の概要説明と量子論的考察の基礎が理解できる
2週 運動方程式 ニュートンの運動方程式と電磁力、電子ボルトeVの概念と単位変換が理解できる
3週 電界中での電子の運動 簡単な系の運動方程式を立てて解くことが理解できる
4週 孤立原子、固体の概念 ボーアの原子模型、ボーア半径について理解できる。バンド理論について定性的に理解できる
5週 電子放出 固体表面から電子を放出させる方法と応用例を理解できる
6週 磁界中の電荷の運動 ローレンツ力が働く場の電荷の運動を運動方程式を立てて、解き、式の意味が理解できる
7週 電磁界中の電荷の運動 ローレンツ力が働く場の電荷の運動を運動方程式を立てて、解き、式の意味が理解できる
8週 この頃、ここまでのまとめとして、授業の半分程度の時間を使い、到達度テストの一環として中間試験を実施する 試験の解説や演習を主体として、ここまでの内容を振り返り、複数の考え方や視点があることを知って、理解を深め到達時を確認する
2ndQ
9週 静電レンズ1 偏向方法とその理論を定性的・定量的に理解できる
10週 放電・気体の分布法則 気体放電の微視的機構を理解できる。マックスウェルボルツマンの分布関数を理解できる。
11週 衝突断面積1 弾性衝突と非弾性衝突について理解し、共通点と違いを理解できる
12週 衝突断面積2 物と物の衝突について、当たりやすさ、当てやすさを定量的に表すことが理解できる
13週 自由行程と平均自由行程1 衝突の間に進む自由行程と平均自由工程について理解できる
14週 原子力一般 原子核反応と放射線、その影響について理解できる
15週 プラズマと核融合 物質の第4状態であるプラズマについて理解できる
16週 放射線一般 核反応に伴って放出される放射線について理解できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力400000040
分野横断的能力0000000