回路理論Ⅲ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 回路理論Ⅲ
科目番号 2023-172 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 1. 回路理論基礎(柳沢 健 著,電気学会)2. 過渡現象の基礎(吉岡芳夫/作道訓之/大澤直樹 著,森北出版)
担当教員 野毛 悟

到達目標

1.相互インダクタンスによる結合回路について,入出力特性を計算し,理想変成器について説明できる.
2.対称三相の理論を中心に電圧,電流,電力及びその測定法を説明し,これを用いて三相交流の計算ができる.
3.微分方程式を用いて,基本的な回路の過渡現象を計算し,その結果を用いて回路の物理的現象を解析できる.
4.電気電子工学の課題に,修得した専門知識を応用できる.(C1-3)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.相互インダクタンスによる結合回路について,入出力特性を計算し,理想変成器について説明できる.□相互インダクタンスによる結合回路について,入出力特性を正確に計算し,理想変成器について詳しく説明できる.□相互インダクタンスによる結合回路について,入出力特性を計算し,理想変成器について説明できる.□相互インダクタンスによる結合回路について,入出力特性を計算できず,理想変成器について説明できない.
2.対称三相の理論を中心に電圧,電流,電力及びその測定法を説明し,これを用いて三相交流の計算ができる.□対称三相の理論を中心に電圧,電流,電力及びその測定法を正確に説明し,これを用いて複雑な三相交流の計算ができる.□対称三相の理論を中心に電圧,電流,電力及びその測定法を説明し,これを用いて三相交流の計算ができる.□対称三相の理論を中心に電圧,電流,電力及びその測定法を説明できず,これを用いて三相交流の計算ができない.
3.微分方程式を用いて,基本的な回路の過渡現象を計算し,その結果を用いて回路の物理的現象を解析できる.□微分方程式を用いて,基本的な回路の過渡現象を正確に計算し,その結果を用いて回路の物理的現象を深く解析できる.□微分方程式を用いて,基本的な回路の過渡現象を計算し,その結果を用いて回路の物理的現象を解析できる.□微分方程式を用いて,基本的な回路の過渡現象を計算できず,その結果を用いて回路の物理的現象を解析できない.
4.電気電子工学の課題に,修得した専門知識を応用できる.(C1-3)□電気電子工学の課題に,修得した専門知識を例をあげながらわかりやすく応用できる.□電気電子工学の課題に,修得した専門知識を応用できる.□電気電子工学の課題に,修得した専門知識を応用できない.

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前半は定常現象回路の変成器,三相交流回路について学び,後半は回路の過渡現象について学ぶ.これらの回路理論は,電力や電気機器等の技術を修得する基礎となる.
授業の進め方・方法:
教科書に沿って講義する。実際の回路,例えば電子回路,電力,計測回路などへの応用ができるように演習(課題)も取り入れる。
3相交流の分野と過渡現象の分野に分け、それぞれ試験(合計2回)のテストで各テストが50%以上の成績を収められるように自宅学習課題などを課す。
2回の試験成績の平均点の90%と課題配点(10点満点)の合計を評価点とする。
注意点:
評価については,評価割合に従って行います.ただし,適宜再試や追加課題を課し,加点することがあります.
この科目は学修単位科目であり,1単位あたり15(30)時間の対面授業を実施します.併せて1単位あたり30(15)時間の事前学習・事後学習が必要となりま
す.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 学習・教育目標,授業概要の説明 授業概要を理解できる.
2週 二巻線変成器と等価回路,及び基本特性 相互誘導を説明し,相互誘導回路の計算ができる.
3週 理想変成器と基本特性 理想変成器を説明できる.
4週 三相交流電源 三相交流における電圧・電流(相電圧,線間電圧、線電流)を説明できる.
5週 対称三相回路 電源および負荷のΔ-Y,Y-Δ変換の計算ができる.
6週 電力の対称座標表現,三相電力の測定法 対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる.
7週 演習 変成器の特性と三相交流の基礎と応用の計算ができる.
8週 過渡現象概説 過渡現象の概要が理解できる.
2ndQ
9週 RC回路の過渡現象 RC直列の単エネルギー回路の直流応答を計算し,過渡応答の特徴を説明できる.
10週 RL回路の過渡現象 RL直列の単エネルギー回路の直流応答を計算し,過渡応答
の特徴を説明できる.
11週 交流電源に接続した場合の過渡現象 交流電源に接続したRC・RL回路の過渡現象を計算できる.
12週 複エネルギー回路の過渡現象Ⅰ RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し,過渡応答の特徴を説明できる.
13週 複エネルギー回路の過渡現象Ⅱ RLC直列回路等の複エネルギー回路の交流応答を計算し,過渡応答の特徴を説明できる.
14週 複合回路の過渡現象 直並列回路の直流応答を計算できる.
15週 演習 過渡現象の計算ができる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路相互誘導を説明し、相互誘導回路の計算ができる。4前2
理想変成器を説明できる。4前3
RL直列回路やRC直列回路等の単エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4前9,前10,前11
RLC直列回路等の複エネルギー回路の直流応答を計算し、過渡応答の特徴を説明できる。4前12,前13
電力三相交流における電圧・電流(相電圧、線間電圧、線電流)を説明できる。4前4
電源および負荷のΔ-Y、Y-Δ変換ができる。4前5
対称三相回路の電圧・電流・電力の計算ができる。4前6

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合90100000100
基礎的能力205000025
専門的能力705000075
分野横断的能力0000000