社会と文化

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 社会と文化
科目番号 2023-200 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 全体を通しての教科書はない。『私たちが拓く日本の未来』を授業の一部で用いるほか、適宜プリントを配付する。
担当教員 佐藤 崇徳,平田 陽一郎,太田 匡洋

到達目標

国際社会に生きる社会の一員として主体的に社会参画することができるよう、人文・社会科学の知識・理論・情報を利用する力を身につけることを目的とする。地理、歴史、政治、経済、社会学、哲学などの視点から社会を多面的にとらえ、現代世界における思想・文化、社会の仕組み、歴史的背景について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1現代社会および倫理に関する諸問題および主要概念について、具体例を用いつつ内容を説明することができる。現代社会および倫理に関する諸問題および主要概念について、内容を説明することができる。現代社会および倫理に関する諸問題および主要概念について、内容を説明することができない。
評価項目2現代社会における基礎的な政治・経済の仕組み、役割について論理的な文章でしっかりと説明することができる。現代社会における基礎的な政治・経済の仕組み、役割について説明することができる。現代社会における基礎的な政治・経済の仕組み、役割について説明することができない。
評価項目3現代社会とその歴史的背景について日本と中国の関係を題材にしてよく理解し、十分に説明することができる。現代社会とその歴史的背景について日本と中国の関係を題材にして理解し、説明することができる。現代社会とその歴史的背景について日本と中国の関係を題材にして説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
我々がおかれている現代世界の思想・文化、社会の仕組み、歴史的背景を、地理、歴史、政治、経済、社会学、哲学などの視点からみていく。社会の多面的な諸相に触れながら現代社会に対する見方・考え方を身につける分野横断的な授業科目である。
授業の進め方・方法:
複数の教員が各々の専門分野から題材を選んで7~15講を担当する形式の授業科目であるため、時期によって担当教員が交替する。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 民主政治のあり方(1)民主政治とは/体験学習:竹富町役場建設地問題 みんなの声が反映される政治を実現する上での課題について説明できる。
2週 民主政治のあり方(2)体験学習:竹富町役場建設地問題 竹富町の役場建設地問題についてロールプレイを通して問題の所在を説明できる。
3週 民主政治のあり方(3)体験学習:竹富町役場建設地問題 竹富町の役場建設地問題についてグループでの議論を通じ自分たちの考えをまとめ、説明することができる。
4週 企業と資本(1)会社って何? 金融とは何か、企業(とくに株式会社)とはどのようなものかについて説明できる。
5週 企業と資本(2)株式市場 株式売買の仕組みと株式市場の役割について説明できる。
6週 企業と資本(3)株価 株式市場における株価形成のしくみについて説明できる。
7週 企業と資本(4)株式投資 株式投資とそれが社会に与える影響について説明することができる。
8週 社会編(1)社会とはなにか ――人はいかにして社会に馴染むのか? 現代社会を理解するための観点として、社会学において「個人」と「社会」の関係がどのように考えられてきたのかを説明できる。
2ndQ
9週 社会編(2)社会と振る舞い ――相手がいる行為の特徴とは? 人間社会の特徴である相互行為のもつ性質および、社会の均衡を支える社会学的な原理である役割期待や役割演技について説明することができる。
10週 社会編(3)家族と社会 ――現代における家族の役割とは? 家族が現代社会において有する位置づけや「近代家族」の特徴および、近年における家族像の変容について説明できる。
11週 社会編(4)教育と社会 ――教室では何が起こっているのか? 学校教育が現代社会において果たす役割を軸として、社会格差が生じる原因について説明できる。
12週 社会編(5)労働と社会 ――「働きがい」とはなにか? 労働が現代社会において有する位置づけおよび、階層の出現やシャドウワーク、感情労働の問題点を説明できる。
13週 社会編(6)ジェンダーと社会 ――社会における性別とはなにか? ジェンダーとセクシュアリティの区別やフェミニズムの歴史、現代における隠れた男女格差の問題について説明できる。
14週 社会編(7)エスニシティと社会 ――「私は○○人だ」とはどういうことか? 「人種」と「エスニシティ(民族)」の関係および、エスニック・マイノリティ(少数民族)をめぐる諸問題について説明できる。
15週 社会編(8)宗教と社会 ――「宗教に帰依する」とはどういうことか? 宗教の分類や原理および、現代社会において宗教に認められる傾向を説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 日中交流史(1)「中国」の成立 日中二千年の交流史を学ぶ前提として、秦漢帝国成立に至る中国古代史の流れについて、説明することができる。
2週 日中交流史(2)始皇帝と方士徐福の渡来伝説 始皇帝を取り巻く宦官や方士、特に日本の各地に残る徐福伝説を知ることを通じて、日本と中国との関係について説明できる。
3週 日中交流史(3)漢委奴国王と金印 倭国と後漢との交渉のあり方を確認することを通じて、日本と中国との関係の始まりについて説明できる。
4週 日中交流史(4)「三国志」の世界(歴史編) 日中両国で「三国志」の物語が支持され続けて今日に至った経緯について、歴史学の側面から説明できる。
5週 日中交流史(5)「三国志」の世界(文学編) 日中両国で「三国志」の物語が支持され続けて今日に至った経緯について、文学の側面から説明できる。
6週 日中交流史(6)魏志倭人伝と邪馬台国の「女王卑弥呼」 古代日本史上最大の謎である邪馬台国論争の要点を知ることを通じて、日本と中国との関係について説明できる。
7週 日中交流史(7)遣隋使と「聖徳太子」誕生 聖徳太子の遣隋使派遣といわゆる国書事件の顛末を知ることを通じて、日本と中国との関係について説明できる。
8週 倫理編(1)生命と倫理――生命倫理学はいかなる分野か? 倫理上のホットトピックである生命倫理学がどのような分野であり、現代社会においていかなる影響力を有しているのかを説明できる。
4thQ
9週 倫理編(2)障害と倫理――「障害は不幸だ」とは何を意味するのか? 出生前診断や着床前診断、人工妊娠中絶の現状と問題について理解できるとともに、障害をめぐって今日まで行われてきた議論の内容を説明できる。
10週 倫理編(3)情報開示と倫理――インフォームド・コンセントとはなにか? インフォームド・コンセントとは何であり、情報開示のあり方にはどのような論点があるか、医療上の諸問題に即して説明できる。
11週 倫理編(4)エンハンスメントと倫理――ドーピングに賛成?反対? おもに医療技術を能力の改善目的に用いることであるエンハンスメントについて、近年における動向および、その是非をめぐる争点を説明できる。
12週 倫理編(5)再生医療と倫理――クローン技術はなぜ危険なのか? 再生医療の手段であるクローン技術のあらましと近年の研究状況および、クローン技術に潜在する問題と規制の現状について説明できる。
13週 倫理編(6)環境と倫理――なぜ自然環境に配慮しなければならないのか? 環境倫理学の登場した背景と環境保護の現状および、その主要な考え方と争点を説明できる。
14週 倫理編(7)動物と倫理――なぜ肉食は悪なのか? 現代社会の主要問題である動物愛護の取り組みの現状および、動物倫理学の主要な考え方について説明できる。
15週 倫理編(8)宗教と倫理――宗教は人を救えるのか? 現代社会の特徴である「ニヒリズム」という概念および、ケアの場において宗教が果たしうる役割について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。1前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11,前12,前13,前14,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。1前1,前2,前3,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14,前15,後9,後10,後11,後12,後13,後14,後15

評価割合

試験ミニレポート(コメントシート)合計
総合評価割合928100
基礎的能力928100
専門的能力000
分野横断的能力000