応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 前期はテキスト配布。後期:適宜プリントを配布。参考書としてバイザー著現代物理学の基礎(好学社)を用いる。
担当教員 住吉 光介,駒 佳明,勝山 智男

到達目標

1.実験を正確に行い,データを正しく解析し,結果を適切な有効数字で,かつ,グラフを用いて表現することができる。
2.実験結果およびその背景にある物理現象について正しく理解し,関連する諸量を計算できる。
3.自然現象における現代物理学の役割を理解して、相対論・量子論に基づいた基礎的な量を評価することができる。(B1-3)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1□正しい手順で実験を行い,正確なデータを得ることができる。 □複雑な解析を行った場合でも,正しい有効数字で結果を表現できる。 □実験の解析結果についてその背景を考察することができる。 □実験データおよびそこから得た結論を適切にグラフを用いて表現することができる。□実験指導書に従い,正しい手順で実験を行うことができる。 □実験データを正しい有効数字で表現できる。 □実験データを,実験指導書に従って正しく解析し,結論を導くことができる。 □実験データを適切にグラフに表現することができる。□実験指導書に従い,正しい手順で実験を行うことができない。 □実験データを正しい有効数字で表現できない。 □実験データを,実験指導書に従って正しく解析できない。 □実験データを適切にグラフに表現することができない。
評価項目2□実験を行った物理現象について正しく説明でき,応用的な事例について関連する諸量の計算ができる。□実験を行った物理現象について正しく説明でき,関連する諸量の計算ができる。□実験を行った物理現象について正しく説明できない。
評価項目3(B1-3)□相対論に基づいて諸量の計算ができる。 □量子論に基づいて諸量の計算ができる。 □量子力学に基づいて諸量の計算ができる。□相対論に基づいて諸量の計算ができる。 □量子論に基づいて諸量の計算ができる。 □量子力学に基づいて諸量の計算ができる。□相対論に基づいた評価ができない。 □量子論に基づいた評価ができない。 □量子力学に基づいた評価ができない。

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (B1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (B1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前期は,1-3年で履修した物理I,物理IIおよび工業力学を応用して,重要な物理現象のいくつかを講義と実験の両面から学ぶ。同時に,実験データの解析や誤差の扱いについても学ぶ。後期は現代物理学の講義を行う。古典力学から現代物理学への発展を話題として、相対論と量子力学の基礎的な問題を取り扱い、ミクロ世界のエッセンスを習得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
前期は,理論と実験を交互に学ぶ。物理法則を単に覚えるだけでなく,実際に物理現象を体感し,測定し,データ解析することにより,実験作法を身に着けるとともに,物理法則の理解を深めるのがねらいである。
後期は,現代物理学における基礎的な事項を講義により学ぶ。相対論・量子論・量子力学と概念を紹介するとともに具体的な問題を解きながら理解を深める。
注意点:
前期は,講義の回も実験の回もともに物理実験室で行う。実験室用の上履きを持参してほしい(体育館シューズでよい)。
前期は2度の試験(70%)と実験レポート(30%)で評価する。
後期は定期試験2回および確認レポート/小テストなどにより,その総合点で評価する。
授業目標3(B1-3)が標準到達基準(満点の60%)以上で,かつ前後期の評価点の平均が60点以上の場合に合格とする。評価基準はルーブリックによる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
(安全な実験,振動の復習)
安全に実験することについて理解できる
2週 振動
強制振動と共振の実験と解析ができる
3週 誤差と有効数字1
誤差と有効数字の概念を理解できる
4週 誤差と有効数字2
ノギスとマイクロメータを使った測定を通して,結果を適切な有効数字で表現できる
5週 光の回折
光の回折(講義)とレーザー光を用いた回折の基礎実験を行い,光の回折について正しく理解できる
6週 応用物理実験解説1
電気現象を電子の運動として理解できる
7週 応用物理実験解説2
光の粒子性とプランク定数の関係を理解できる
8週 前期前半のまとめ


2ndQ
9週 応用物理実験1
光電効果に関する実験を行い,プランク定数を求めることができる
10週 応用物理実験2
水素原子のスペクトルを観測する実験を遂行し,プランク定数を正しく求めることができる
11週 放射線
放射線に関する基礎的な事項を理解できる
12週 応用物理実験3
ローレンツ力による電子の等速円運動のの実験を遂行し,その測定から電子の比電荷を求めることができる
13週 応用物理実験4
温度を変化させながら電気抵抗を測定する実験を遂行し,その結果から電気抵抗の温度係数を求めることげできる
14週 応用物理実験5
近現代物理学に関連する実験を遂行し,それらの物理現象を正しく理解できる
15週 前期のまとめ
16週

後期
3rdQ
1週 現代物理学とは 相対性理論とエネルギー
2週 空間と時間 ローレンツ収縮、時間の伸び
3週 ローレンツ変換 時空・速度の変換
4週 4次元運動量 エネルギー・質量の概念
5週 光の粒子性 光子の運動量・エネルギー
6週 粒子の波動性 ド・ブロイ波長、箱の中の粒子
7週 概念のまとめ
8週 後期中間試験
4thQ
9週 不確定性原理 ハイゼンベルグの思考実験、位置と運動量
10週 量子力学1 波動関数、確率密度分布
11週 量子力学2 無限井戸型ポテンシャル問題(波動関数)
12週 量子力学3 無限井戸型ポテンシャル問題(期待値、固有値)
13週 量子力学の応用1 調和振動子ポテンシャル問題(波動関数)
14週 量子力学の応用2 調和振動子ポテンシャル問題(期待値)
15週 後期のまとめ 水素原子の量子力学的描像
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

前期試験前期実験レポート後期試験態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合351550000100
基礎的能力351550000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000