回路理論Ⅱ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 回路理論Ⅱ
科目番号 0003 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 回路理論基礎  柳沢 健 共著 電気学会およびプリント
担当教員 西村 賢治

到達目標

電圧や電流そしてインピーダンスの複素表記やベクトルといった概念を身につけることは、回路理論を学ぶにおいて非常に大切である。本授業では微積を含む式で回路を記述するところから始め、そこから記号法を導入し、複数の計算方法を理解していくことで、さまざまな回路を解析できるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1微積を含む式、含まない式それぞれで回路方程式を立てられる。微積を含む式、含まない式どちらでも回路を理解して回路方程式を立てられる。微積を含む式、含まない式それぞれで回路方程式を立てられる。微積を含む式、含まない式どちらでも回路方程式を立てられない。
2共振回路、逆回路などの動作を理解できる。共振回路、逆回路などの動作を十分良く理解できる。共振回路、逆回路などの動作を理解できる。共振回路、逆回路などの動作を理解できない。
3二端子対回路の各種パラメータを導出できる。二端子対回路の各種パラメータを十分良く理解して導出できる。二端子対回路の各種パラメータを導出できる。二端子対回路の各種パラメータを導出できない。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
正弦波交流をベクトルに変換し、交流電圧、電流、電力、インピーダンス、アドミタンスのベクトル記号法を習得すると同時に、いろいろな手法で回路方程式を立てて解析する能力を高める。最後に4つの数値で回路の基本性質を表す二端子対回路について学ぶ。

なお試験の日程や学生の理解度によって多少進度を調節する可能性がある。
授業の進め方・方法:
教科書に準じた資料を用意し、それに沿って授業を行う。
2年生の回路理論Iで演習主体の授業を受けたので、この授業では、理屈としてなぜそうなるのか、例えば記号法で回路方程式を立てられる理屈を理解する。微積を含む回路方程式、記号法による回路方程式の意味を理解することで、回路の具体的な解析を行う。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 本授業の概要説明と交流回路の復習 これまでの回路の復習をかねて今年度に学ぶ概要を把握する
2週 電圧源と電流源の置き換え 等価回路で置き換える理屈を理解する
3週 抵抗、コイル、コンデンサの特性 受動素子の1つ1つの特性を理解する
4週 正弦波交流の表現 正弦波交流の式と位相や周波数、周期の関係を図と対応させて理解する
5週 受動素子の交流特性 受動素子ごとに電力消費のあるなしについて数式で表現できるようになる
6週 交流電力と実行値 交流電力と位相の関係を図で理解し、あわせて実効値の概念を学ぶ
7週 簡単な組み合わせ回路の電流、電圧、位相特性の計算 複数の素子がある回路の回路方程式について理解する
8週 試験解説 試験の解説を行うことで、複数の考え方や解き方があることを知って、理解を深める
2ndQ
9週 正弦波の複素表記 正弦波を複素数表記、極座標表記、極表記(指数表記)で置き換えられるようになる
10週 複素数の計算 上記の話の続き
11週 複素数のフェザー表示 上記の話の続き
12週 インピーダンスとアドミタンスについて インピーダンスとアドミタンスの両方の視点から回路を理解する
13週 イミタンスとベクトル図 インピーダンスとアドミタンスを複素平面上にあらわして、位相と図の関係他を理解する
14週 複素電力 交流で学ぶ、有効電力、無効電力、皮相電力と複素電力の関係を理解する
15週 試験解説 試験の解説を行うことで、複数の考え方や解き方があることを知って、理解を深める
16週
後期
3rdQ
1週 LC共振回路 共振回路、共振状態について直列、並列の違いを理解する
2週 RLC共振回路 抵抗がある場合の共振回路について直列、並列の特質を理解する
3週 共振の鋭さについて 共振を理解した後に、共振の具体的な意味について理解する
4週 ベクトル軌跡 回路の素子の変化によるインピーダンスやアドミタンスの変化や軌跡の書き方を理解する
5週 ベクトル軌跡 ベクトル軌跡の書き方を理解する
6週 可逆定理、双対性、逆回路、定抵抗回路 回路に対して成り立つ諸特性や定理を理解する
7週 テブナンの定理、ノートンの定理 同上
8週 試験解説 試験の解説を行うことで、複数の考え方や解き方があることを知って、理解を深める
4thQ
9週 補償回路 回路に対して成り立つ諸特性や定理を理解する
10週 補償回路 回路に対して成り立つ諸特性や定理を理解する
11週 二端子対パラメータ 二端子対パラメータ、特にZやYパラメータについて理解する
12週 二端子対パラメータ 二端子対パラメータ、特にFパラメータについて理解する
13週 二端子対パラメータの相互変換 各パラメータの相互変換について理解する
14週 二端子対パラメータの相互変換 同上
15週 試験解説と一年のまとめ 試験の解説を行うことで、複数の考え方や解き方があることを知って、理解を深める
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力400000040
分野横断的能力0000000