エネルギー変換工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 エネルギー変換工学
科目番号 0005 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 1
教科書/教材 気体エレクトロニクス 金田輝男著 コロナ社 および プリント
担当教員 西村 賢治

到達目標

前半は個々の荷電粒子が電界、磁界中そしてその両者が存在する空間でどのように運動するのかニュートンの運動方程式を解くことを通して、運動方程式を導出して解き、解の意味が理解できるようになる。後半においては集団的な扱いが主となり、平均値や確率といった概念を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1運動方程式を導出し、解き、意味が理解できる。運動方程式を導出し、解き、意味が理解十分良くできる。運動方程式を導出し、解き、意味が理解できる。運動方程式を導出できない。
2自由行程、平均自由行程の意味が理解できる。自由行程、平均自由行程の意味が十分良く理解できる。自由行程、平均自由行程の意味が理解できる。自由行程、平均自由行程の意味が理解できない。
3核融合反応を用いたエネルギー応用の基礎的な内容を理解できる。核融合反応を用いたエネルギー応用の基礎的な内容を十分良く理解できる。核融合反応を用いたエネルギー応用の基礎的な内容を理解できる。核融合反応を用いたエネルギー応用の基礎的な内容を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
エネルギー変換工学は、電磁気学を基礎とした電子工学分野にはじまり、イオンや電子といった個々の粒子やそれらの集団としての特性をふまえて有効利用しようとするものである。本講義においては、電子そのものの性質、加えて基本的な物理現象を最初に取り扱い、電磁界中での単一電子の運動について考える。ついで気体中の電子やイオンの振舞いを理解し、集団としての扱いが必要となる気体放電およびエネルギー変換の応用例であるプラズマを用いた核融合を取り扱う。なお、試験の日程や学生の理解度によって多少進度を調節する可能性がある。
授業の進め方・方法:
およそ指定した教科書に準じて授業を行うが、原子力や放射線一般の内容については教科書に無いので、適宜資料を配布する。回路理論や電磁気のように方程式を立てて解を求めるような内容ではなく、現象の理解が問われる内容になっている。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 本授業の概要説明 本授業の概要説明およびエネルギー問題について理解する
2週 電磁気の復習 電磁界での電子の運動を考える準備
3週 電子の性質と物理現象 量子論的考察の基礎を理解する
4週 運動方程式 ニュートンの運動方程式と電磁力、電子ボルトeVの概念と単位変換を理解する
5週 電界中での電子の運動 簡単な系の運動方程式を立てて解くことを理解する
6週 孤立原子 ボーアの原子模型、ボーア半径について理解する
7週 固体の概念 バンド理論について定性的に理解する
8週 試験解説 試験の解説を行うことで、複数の考え方や解き方があることを知って、理解を深める
2ndQ
9週 電子放出 固体表面から電子を放出させる方法と応用例を学ぶ
10週 電界中の電荷の運動 ローレンツ力が働く場の電荷の運動を運動方程式を立てて、解き、式の意味を理解する
11週 磁界中の電荷の運動 ローレンツ力が働く場の電荷の運動を運動方程式を立てて、解き、式の意味を理解する
12週 電磁界中の電荷の運動 ローレンツ力が働く場の電荷の運動を運動方程式を立てて、解き、式の意味を理解する
13週 静電レンズ1 偏向方法とその理論を定性的に理解する
14週 静電レンズ2 偏向方法とその理論を定量的に理解する
15週 試験解説 試験の解説を行うことで、複数の考え方や解き方があることを知って、理解を深める
16週
後期
3rdQ
1週 放電 気体放電の微視的機構を理解する
2週 気体の分布法則 マックスウェルボルツマンの分布関数を理解する
3週 衝突断面積1 弾性衝突と非弾性衝突について理解し、共通点と違いを理解する
4週 衝突断面積2 物と物の衝突について、当たりやすさ、当てやすさを定量的に表すことを理解する
5週 衝突断面積3 衝突の種類ごとに衝突断面積が定義され、その総和が前衝突断面積になることを理解する
6週 自由行程と平均自由行程1 衝突の間に進む自由行程と平均自由工程について理解する
7週 自由行程と平均自由行程2 自由行程の分布について理解する
8週 試験解説 試験の解説を行うことで、複数の考え方や解き方があることを知って、理解を深める
4thQ
9週 原子力一般 原子核反応と放射線、その影響について理解する
10週 プラズマ 物質の第4状態であるプラズマについて理解する
11週 プラズマの応用 核融合反応とエネルギー発生機構について理解する
12週 プラズマの応用 核融合研究とその現状について理解する
13週 プラズマ研究について外部教員による講義(実際の実施時期は多少前後する) 核融合研究一般について、外部の講師を招いて講義を行う。
14週 演習 学年末試験に向けた演習とまとめ
15週 試験解説と一年のまとめ 試験の解説を行うことで、複数の考え方や解き方があることを知って、理解を深める
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力600000060
専門的能力400000040
分野横断的能力0000000