固体電子工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 固体電子工学
科目番号 0006 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気電子工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 半導体工学 (第3版)森北出版 高橋 清 著
担当教員 大澤 友克

到達目標

半導体物理を学び,この理論を適用して,デバイスの動作機構および諸特性を解析する能力を習得させる。具体的には、シュレディンガー方程式にペニー・クロニッヒモデルを適用し,バンドモデルを導く。さらに、固体内の電子のエネルギー状態を導出し,バンド理論を理解させる。このバンド理論を用いて,半導体の伝導機構・デバイス特性を解析させる。また、スピンエレクトロニクスの基礎を習得させる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安不可
時間に依存しないシュレディンガー方程式を記述できる。 量子力学の簡単なポテンシャル問題を解くことができる。 状態密度について説明することができる。時間に依存しないシュレディンガー方程式を記述できる。 量子力学の簡単なポテンシャル問題を解くことができる。 状態密度について説明することができ、2次元、3次元の状態密度を導出できる。時間に依存しないシュレディンガー方程式を記述できる。 量子力学の簡単なポテンシャル問題を解くことができる。 状態密度について説明することができる。時間に依存しないシュレディンガー方程式を記述できない。 量子力学の簡単なポテンシャル問題を解くことができない。 状態密度について説明することができない。
フェルミ分布関数を数式で書くことができる。 フェルミ分布関数のグラフが書ける。フェルミ分布関数の物理的意味を説明できる。フェルミ分布関数を数式で書くことができる。 フェルミ分布関数のグラフが書ける。フェルミ分布関数の物理的意味を説明できる。フェルミ分布関数を数式で書くことができる。 フェルミ分布関数のグラフが書ける。フェルミ分布関数を数式で書くことができない。 フェルミ分布関数のグラフが書けない。フェルミ分布関数の物理的意味を説明できない。
半導体のキャリア濃度の温度依存性を説明できる。半導体のキャリア濃度の温度依存性を数式を用いて説明できる。半導体のキャリア濃度の温度依存性を説明できる。半導体のキャリア濃度の温度依存性を説明できない。
連続の方程式について説明できる。連続の方程式について数式を用いて説明できる。連続の方程式について説明できる。連続の方程式について説明できない。
スピントロニクスの代表的なデバイスであるTMR(トンネル磁気抵抗)素子の構造を図示できる。 外部磁場に対する、トンネル抵抗および磁化のグラフの概形を図示できる。 TMR効果の概要を説明することができる。スピントロニクスの代表的なデバイスであるTMR(トンネル磁気抵抗)素子の構造を図示できる。 外部磁場に対する、トンネル抵抗および磁化のグラフの概形を図示できる。 TMR効果の概要を説明することができる。スピントロニクスの代表的なデバイスであるTMR(トンネル磁気抵抗)素子の構造を図示できる。 TMR効果の概要を説明することができる。スピントロニクスの代表的なデバイスであるTMR(トンネル磁気抵抗)素子の構造を図示できない。 外部磁場に対する、トンネル抵抗および磁化のグラフの概形を図示できない。 TMR効果の概要を説明することができない。
半導体接合(pn接合、トランジスタ)について説明できる。半導体接合(pn接合、トランジスタ)について数式を用いて説明できる。半導体接合(pn接合、トランジスタ)について説明できる。半導体接合(pn接合、トランジスタ)について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
4年次の電気電子材料を復習し、講義で割愛した単元に関して学ぶ。具体的には、①トンネル効果、②ペニークローニッヒモデルによるバンド理論の導出、③ホール効果などである。さらに、連続の方程式やトランジスタについても学習する。また近年の話題として、スピントロニクスについても学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は講義中心で、適宜レポートを出題する。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション、量子力学入門 授業概要・目標,スケジュール,評価方法と基準等の説明、物質の二重性、ド・ブロイの関係式
2週 電気電子材料の復習 シュレディンガー方程式,井戸型ポテンシャル中の電子のエネルギー状態
3週 トンネル効果 フェルミエネルギー,状態密度関数,トンネル効果
4週 固体のバンド理論 ペニー・クロニッヒモデル
5週 エネルギーバンド理論
6週 統計力学の基礎 エネルギー分布則の種類、フェルミディラック分布関数
7週 半導体の伝導機構 電気伝導
8週 中間試験
2ndQ
9週 半導体の伝導機構 キャリアの再結合、連続の方程式
10週 アインシュタインの関係式、ホール効果
11週 pn 接合 整流特性、接合容量
12週 ヘテロ接合 ヘテロ接合と金属半導体接触
13週 トランジスタ トランジスタの増幅作用
14週 スピントロニクス スピンエレクトロニクスの基礎
15週 スピントロニクス トンネル磁気抵抗効果(TMR)、巨大磁気抵抗効果(GMR)
16週 総括 答案返却、アンケート等

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
中間試験301040
期末試験501060