通信工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 通信工学
科目番号 2018-275 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 通信方式【第2版】滑川敏彦、奥井重彦、伊斐信介(森北出版) MATLAB(数値シュミレーションソフト。情報処理演習室で使用できる。)
担当教員 山崎 悟史

到達目標

1.矩形パルスの幅とスペクトルの関係を説明できる。
2.フーリエ変換における変調定理を説明できる。
3.雑音の性質について説明できる。
4.信号伝送の収支を計算できる。
5.線形変調(AM、DSB、SSB)の概念および変復調方法を説明できる。
6.AM,DSB,SSBのそれぞれの特徴と応用について説明できる。(C1-3)
7.角度変調(FM,PM)について概念および変複調方式について説明できる。
8.ラジオ放送において、その変調方式が採用されている理由を説明できる。(C1-3)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.基本的なパルス波形のフーリエ変換が導出でき、パルスの幅とスペクトルの関係を説明できる。□基本的なパルス波形のフーリエ変換が求められる。 □基本的なパルス波形の幅とスペクトルの広がりについてその関係を説明できる。□基本的なパルス波形のフーリエ変換が求められる。□基本的なパルス波形のフーリエ変換が求められない。
2.フーリエ変換における変調定理を説明できる。□変調定理を示すことができる。 □変調定理の意味するところを説明できる。 □変調定理を証明できる。□変調定理を示すことができる。 □変調定理の意味するところを説明できる。□変調定理を示すことができない。 □変調定理の意味するところを説明できない。
3. 信号伝送の収支を計算できる。□信号の伝送の収支の計算方法説明でき正しく計算できる。□信号の伝送の収支の計算方法説明できる。□信号の伝送の収支が計算できない
4. 雑音について説明解析できる。□確率分布関数と確率密度関数を示すことができる。 □確率分布関数と確率密度関数を用いて信号解析できる。 □相関関数と電力スペクトル密度を示すことができる。 □相関関数と電力スペクトル密度を用いて信号解析できる。 □狭帯域ガウス雑音を示すことができる。 □狭帯域ガウス雑音を用いて信号解析できる。
5. 線形変調(AM、DSB、SSB)の概念および変復調方法を説明できる。□.AM、DSB、SSB各変調方式の概念を説明できる。 □.AM、DSB、SSB変調波を数式で表すことができる。 □AM,DSB,SSBの変復調方法についてブロック図及び数式を使って説明できる。 □数値シミュレーションにより各変調方式の変調波とスペクトルを求め図示できる。 □数値データで提供された各変調波を数値シュミレーションによって復調できる。□.AM、DSB、SSB各変調方式の概念を説明できる。 □.AM、DSB、SSBの各変復調方法についてほぼ説明できる。□.AM、DSB、SSB各変調方式の概念を説明できない。 □.AM、DSB、SSB各変調波の変復調方法を説明できない。
6. AM,DSB,SSBのそれぞれの特徴と応用について説明できる。(C1-3)□AM、DSB、SSB変調波の電力、帯域について、各変調方式の長所短所とそを数式およびシミュレーション結果の図によって説明できる。 □それぞれの特徴から応用される場面について詳しく説明きる。(C1-3)。□AM、DSB、SSB変調波の電力、帯域について説明でき、各変調方式の長所短所とその応用についてほぼ説明できる。(C1-3)□AM,DSB,SSBのそれぞれの特徴と応用について説明できない。(C1-3)
7. 角度変調(FM,PM)について概念および変複調方式について説明できる。□角度変調(FM,PM)の概念を説明できる。 □角度変調波(FM,PM)を数式で表すことができる。 □変調方法について詳しく説明できる。 □復調方法について詳しく説明できる。□角度変調(FM,PM)の概念を説明できる。 □角度変調波(FM,PM)を数式で表すことができる。 □変調方法についてほぼ説明できる。 □復調方法についてほぼ説明できる。□角度変調(FM,PM)の概念を説明できない。 □角度変調波(FM,PM)を数式で表すことができない。 □変調方法について説明できない。 □復調方法について説明できない。
8. ラジオ放送において、AM,FM変調方式が採用されている理由を説明できる。(C1-3)□ラジオ放送において、FM放送とAM放送のそれぞれの長所短所とそれが採用されている理由を電力や装置の複雑さ、耐ノイズ性などの観点から詳しく述べられる。(C1-3)□ラジオ放送において、FM放送とAM放送のそれぞれの長所短所とそれが採用されている理由をほぼ述べられる。(C1-3)□ラジオ放送において、その変調方式が採用されている理由を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 現代の通信技術は、確率論や電磁気学などの基礎的なものから符号理論やトラフィック理論などの専門的な膨大な内容を含む学問、技術の上に成り立っている。人類が互いに意思を人に伝えるようになった瞬間から、より遠くに、より速く、より正確に伝えるための方策、すなわち通信技術のやむことなき発達が始まった。情報を速く正確に知ることが、あらゆる面で他(人であったり会社であったり国であったり)より優位に立つことができるからである。古くは「のろし」「太鼓」のような伝達手段から現代のTVや携帯電話に至るまでその目的の本質はあまり変わってない。
 本講義では通信工学の基礎について、信号処理と統計論の立場で講義する。なお、本授業ではアナログ変復調を中心に述べ、デジタル技術については専攻科の「デジタル通信」で述べる。
授業の進め方・方法:
授業は教科書の1~4章までの内容に準拠する。また適宜、補助プリントを配布する。毎週課題を出し次週までに提出する。多くの課題は、コンピュータシミュレーションにより結果を出力することにより視覚的に理解を深める。
注意点:
 レポートの内容が不自然に類似している場合は、課題点を人数で案分するので、注意すること。レポート作成に際し教示を受けた場合、レポートに教示内容と謝辞を記載すること。期限後のレポート提出は最大40%の減点とする。
 授業目標6,8(C1-3)が標準基準(6割)以上で、科目全体で60点以上の場合に合格とする。評価基準については、成績評価基準表による。
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、信号の表現と解析1 本講義の位置付け、概要が理解できる。信号の基礎表現が理解できる。
2週 信号の表現と解析2 フーリエ級数展開について理解し、それによる信号解析ができる。
3週 信号の表現と解析3 フーリエ変換について理解し、それによる信号解析ができる。
4週 信号の表現と解析4 各種フーリエ変換の性質を理解し、それを用いた計算ができる。
5週 信号とシステム 畳み込みによるシステムの表現、解析ができる。
6週 雑音解析1 雑音について理解し、その統計的な表現ができる。
7週 雑音解析2 雑音の統計的な表現に基づき、信号に与える影響を説明できる。
8週 雑音解析3 雑音の統計的な表現に基づき、信号に与える影響を解析できる。
2ndQ
9週 演習 これまでの内容を演習を通じて理解を深める。
10週 振幅変調1 振幅変調(AM)について時間および周波数領域表現に基づき説明できる。
11週 振幅変調2 振幅変調の改良(DSB,SB)について時間および周波数領域表現に基づき説明できる。
12週 振幅変調3 振幅変調における復調について説明でき、誤り率の解析ができる。
13週 角度変調1 角度変調(FM)について時間および周波数領域表現に基づき説明できる。
14週 角度変調2 角度変調(FM)について時間および周波数領域表現に基づき説明できる。
15週 角度変調3 角度変調(FM)における復調について説明でき、誤り率の解析ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力3010000040
専門的能力3010000040
分野横断的能力1010000020