工業力学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 工業力学
科目番号 2018-333 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 末益博志 他著「工学系の力学」実教出版
担当教員 森井 宜治,(D科 非常勤講師)

到達目標

微積分学やベクトルの知識を基礎にして、工学で活用される力学の諸量を,運動方程式を用いて定量的に扱い、解析することができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1微積分学やベクトルの知識を基礎にして、複雑な系における力学の諸量を定量的に扱い、解析することができる微積分学やベクトルの知識を基礎にして、簡単な系における力学の諸量を定量的に扱い、解析することができる微積分学やベクトルの知識を基礎にして、簡単な系における力学の諸量を定量的に扱い、解析することができない.

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
運動の法則や原理を学ぶと共に、それらを用いて工学的問題を解決するための素養を身につける。主な講義内容は、質点,質点系および剛体の運動である。
授業の進め方・方法:
授業は講義を中心に、適宜演習問題に取り組む。適宜レポート課題を課すので、次回授業の初めに提出すること。ノートは中間,定期試験終了時に提出すること.
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期ガイダンス
力学と数学 第9章
初等関数の微分,積分の意味を再認識できる.
2週 力学の数学的基礎(1) 第9章 ベクトル代数,内積,外積等を理解できる.
3週 力学の数学的基礎(2) 第9章 ベクトルを円筒座標,球座標で表現できる.
4週 運動学(1)            第1章,第2章 質点の位置,速度,加速度,角加速度をベクトルで記述できる.
5週 運動学(2)           第1章,第2章 質点の位置,速度,加速度,角加速度のベクトルを円筒座標,球座標を用いて演算できる.
6週 質点の運動方程式        第5章 ニュートンの運動方程式を用いて,簡単な例(重力場での放体)の運動を求める.
7週 運動量とエネルギーの保存則(1)   第7章 力と仕事の関係,中心力場のポテンシャルエネルギーを求める.
8週 運動量とエネルギーの保存則(2)   第7章 粒子の弾性衝突,被弾性衝突を区別できる.
2ndQ
9週 質点の平面運動(1)       第4章 ベクトル表記で中心力場における質点の運動を記述し,角運動量の保存則を求める.
10週 質点の平面運動(2)       第4章 ベクトル表記で中心力場における質点の運動を記述し,運動の軌跡を求める.
11週 質点の拘束運動         第4章 拘束力,抗力,摩擦力を含んだ運動方程式を例示できる.
12週 質点の相対運動         第4章 ガリレイ変換を用いて,相対運動の方程式を記述できる.
13週 解析力学の方法(1) ラグランジェの運動方程式を用いて質点の運動を議論できる.
14週 解析力学の方法(2) ラグランジェ関数を用いて,運動量,エネルギー,角運動量の保存則を理解できる.
15週 解析力学の方法の応用 解析力学の方法を用いて,中心力場における質点の運動を理解できる.
16週
後期
3rdQ
1週 質点系の力学          第3章 重心座標系を用いて,質点系の運動方程式,作用反作用の法則,運動量,角運動量を記述できる.
2週 質点系,及び剛体のつり合い(1)   第2章   力,及び力のモーメントのつり合いを議論できる.
3週 質点系,及び剛体のつり合い(2)  第2章 慣性モーメントについて議論し,典型的な形状についての慣性モーメントを求める.
4週 剛体の運動方程式(1)      第6章 剛体に働く力の基本的な性質を議論できる.
5週 剛体の運動方程式(2)      第6章 固定軸のある剛体の運動を議論できる.
6週 剛体の平面運動(1)       第6章 摩擦,抗力がある場合の剛体の運動方程式をたてることができる.
7週 剛体の平面運動(2)       第6章 摩擦,抗力がある場合の剛体の運動方程式を解いて,運動を決定することができる.斜面での運動等
8週 剛体の平面運動(3)       第6章 棒の運動,滑車の運動について議論できる.
4thQ
9週 剛体の運動に関するまとめ まとめ
10週 固定点を持つ剛体の運動(1) オイラー方程式について議論できる.
11週 固定点を持つ剛体の運動(2) 非対称ゴマの運動につて議論できる.
12週 簡単な機械要素と力学(1)    第8章 滑車,輪軸,斜面の基本的な問題を解くことができる.
13週 簡単な機械要素と力学(2)    第8章 くさび,ねじ,機械の効率について説明できる.
14週 相対論力学の初歩(1) 相対論の紹介
15週 相対論力学の初歩(2) 相対論力学の骨子を議論できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
累乗根の意味を理解し、指数法則を拡張し、計算に利用することができる。3
指数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
対数の意味を理解し、対数を利用した計算ができる。3
対数関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
加法定理および加法定理から導出される公式等を使うことができる。3
三角関数を含む簡単な方程式を解くことができる。3
三角比を理解し、簡単な場合について、三角比を求めることができる。3
一般角の三角関数の値を求めることができる。3
簡単な場合について、円の方程式を求めることができる。3
放物線、楕円、双曲線の図形的な性質の違いを区別できる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。3
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
2重積分を用いて、簡単な立体の体積を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。3
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。3
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。3
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。3
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。3
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。3
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。3
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。3
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。3
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。3
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。3
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。3
仕事の意味を理解し、計算できる。3
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。3
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。3
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。3
動力の意味を理解し、計算できる。3
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。3
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。3
計測制御国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4
電気・電子系分野計測SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4

評価割合

試験ノート評価相互評価態度課題その他合計
総合評価割合403000300100
基礎的能力0000000
専門的能力403000300100
分野横断的能力0000000