電子制御工学実験

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電子制御工学実験
科目番号 2018-334 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 配布資料(各実験別の指導書)
担当教員 青木 悠祐,牛丸 真司,川上 誠,鈴木 静男

到達目標

1. 実験結果を口頭および文書で適切に報告できる。
2. 実験の結果が期待通りでないとき,その原因を工学的な観点や実験原理から推測できる。
3. 上記のような疑問点について、原因などを定量的に分析・考察できる。
4. 実験テーマに対応した専門知識を説明できる。
5. 工場見学にて見聞きしたことを論理的な文章,図表を用いてまとめることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1. 実験結果を口頭および文書で適切に報告できる。表やグラフを使ってわかりやすく示し,適切な書式を用いてして報告できる.表やグラフを使って示し,書式に基づいて報告できる.表やグラフを使って示さない.適切な専門用語を用いて報告できない.
2. 実験の結果に、疑問点があるかを分析できる。誤差について定量的に比較検討し,適切な実験原理を用いて報告できる.誤差について定量的に比較検討し,専門用語を用いて報告できる.誤差について定量的に比較検討できない.適切な専門用語を用いて報告できない.
3. 上記のような疑問点について、原因などを考察できる。実験原理について調査し,実験条件や実験原理から論理的に考察できる.実験条件や実験原理から論理的に考察できる.実験条件や実験原理から論理的に考察できない.
4. 実験テーマに対応した専門知識を説明できる。専門用語を適切に使用でき,適宜図や式を使いながら説明できる.専門用語を使用でき,図や式を使いながら説明できる.専門用語を適切に使用できない.図や式を使いながら説明できない.
5. 工場見学にて見聞きしたことを感想文としてまとめることができる。説明されたことを記録し,調査した結果をまとめ,自分の考えも付加して報告できる.説明されたことを記録し,その記録をまとめることができ,自分の考えも付加して報告できる.説明記録をまとめることができない.自分の考えも付加して報告できない.

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
前期・後期に渡り、全10テーマの実験を通して電気電子工学、情報工学、ロボット工学等の基礎を学ぶ。また、講義で学習した内容に関連した実験を行うことで、学習内容の理解を深めると共に、電子機械設計・製作に必要な基礎技術および電子回路の基礎的な仕組みを学ぶ。そして、共同作業を行う上でのコミュニケーション能力を養い、実験の結果に対して正当性や疑問点などを、自らの力で考察できる能力を養う。また工場(会社)見学を実施する。
授業の進め方・方法:
説明時間と実際に手を動かす実験・実習の時間で構成される。
説明時間では,実験担当者が,適宜プリントを配布するなどし,実験ノートに要点をまとめさせるなどし理解を促すように行われる。
実習では,作業時間を確保し,実験実習能力を高めるように行われる。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 工学実験とは何か,工学実験を行う意義やレポートの締切等について説明できる.安全を確保して実験できる.
2週 トランジスタの静特性 トランジスタの基本的な静特性について説明できる.測定機器の取り扱いを理解し,操作できる.
3週 トランジスタの静特性 トランジスタの基本的な静特性について計算できる.有効数字を考慮して,決められた書式で報告できる.
4週 論理回路の遅延時間とクロックスキュー 論理回路の遅延時間やクロックスキューについて説明できる.測定機器の取り扱いを理解し,操作できる.与えられた仕様に基づいて回路が組める.
5週 論理回路の遅延時間とクロックスキュー 論理回路の遅延時間やクロックスキューについて説明できる.有効数字を考慮して,決められた書式で報告できる.
6週 CADCAM 3Dプリンタ/基板加工機応用 3Dプリンタや基板加工機について理解する.機器の取り扱いを理解し,操作できる.
7週 CADCAM 3Dプリンタ/基板加工機応用 3Dプリンタや基板加工機について理解する.動作原理を説明でき,決められた書式で報告できる.
8週 MATLABによる実験データの誤差 Matlabを使った実験データの整理法について理解する.実験データの分析・誤差解析等を実践できる.
2ndQ
9週 MATLABによる実験データの誤差 有効数字の評価,整理の仕方,考察の論理性に配慮して実践し,実験データを適切なグラフや表にして表現できる.
10週 PID制御によるライントレース PID制御について,説明できるとともに,基本的な電気量の測定ができる.ディジタルICが使えるようになる.
11週 PID制御によるライントレース PID制御について,所定の書式でまとめることができ,実験データをグラフや表を用いて表現できる.
12週 工場見学事前調査 工場に対しての理解を深め,加工学や機械力学,材料力学などのどのような知識が生かされているか説明できる.
13週 工場見学 実際の製品製造工程について見学し,現場での安全管理方法を学び,日々の実験に活かせるようになる.
14週 工場見学のまとめ 工場見学で記憶に残ったことを,図と文章でまとめ,論理的な文章を書けるようになる.
15週 まとめ
16週
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 共同実験における基本的なルールや役割分担を意識して実験を遂行できるようになる.
2週 車輪型ロボットによるファジー制御・シーケンス制御 ファジー制御やシーケンス制御について理解し,ロボットの制御に実践できる.
3週 車輪型ロボットによるファジー制御・シーケンス制御 ファジー制御やシーケンス制御について,書式に基づいてまとめ,報告できる.
4週 LabViewによるデータ収集の基礎 LabViewを使ったデータ収集法について理解し,安全に操作できる.
5週 LabViewによるデータ収集の基礎 LabViewを使ったデータ収集法について理解し,実験データをグラフ等用いて報告できる.
6週 トランジスタの増幅回路 トランジスタの増幅に関して,適切な計測法で測定できる.
7週 トランジスタの増幅回路 トランジスタの増幅に関して,数式や実験データをグラフを用いて報告できる.
8週 FPGAの応用 FPGAを用いた論理回路を使用に基づいて作成できる.
4thQ
9週 FPGAの応用 FPGAを用いた論理回路の動作を論理的に報告できる.
10週 交流回路の基礎(RL,RC直列回路) RLC素子における正弦波電圧と電流の関係を説明でき,オシロスコープ等を用いて観測できる.
11週 交流回路の基礎(RL,RC直列回路) RLC阻止における制限は電圧と電流の関係を説明でき,図,数式やグラフを用いて説明できる.
12週 工場見学事前調査 工場に対しての理解を深め,加工学や機械力学,材料力学などのどのような知識が生かされているか説明できる.
13週 工場見学 実際の製品製造工程について見学し,現場での安全管理方法を学び,日々の実験に活かせるようになる.
14週 工場見学のまとめ 工場見学で記憶に残ったことを,図と文章によってまとめ,論理的な文章作成を実践する.
15週 まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理波動横波と縦波の違いについて説明できる。3
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。2
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。2
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。2
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。2
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。2
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。2
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。2
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御計測の定義と種類を説明できる。3
電気・電子系分野電気回路正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。3
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。3
計測電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。3
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。3
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。3
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。3
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。3
電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。3
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。3
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4
ディジタルICの使用方法を習得する。4
情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。4
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。4

評価割合

実習態度レポート口頭試問合計
総合評価割合404020100
基礎的能力10101030
専門的能力30301070
分野横断的能力0000