電子機械設計・製作Ⅰ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 電子機械設計・製作Ⅰ
科目番号 2020-295 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:4
教科書/教材 MIRSデータベース http://www2.denshi.numazu-ct.ac.jp/mirsdoc2/
担当教員 牛丸 真司,大沼 巧,小谷 進,青木 悠祐,香川 真人

到達目標

1. 従来システムの技術を理解し、その技術を統合して、システムを完成させることができる。(C3-3)
2. チーム内のメンバーが協調してプロジェクトを遂行できる。
3. 設計・製作したシステムの構造や動作が説明できる。(C3-3)
4. 作業環境をいつも整理された状態に保つことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1(C3-3)□チーム毎に生活の中で役に立つオリジナルMIRSを提案できる。□チーム毎のオリジナルMIRSを提案できる。□チーム毎のオリジナルMIRSを提案できない。
評価項目2□自分の役割はもちろん、他のメンバーのサポートに入ることができる。 □チーム内で議論する際にチーム全体の状況を見て自分の意見を言うことができる。 □チーム内で議論する際に他人の意見を引き出すことができる。 □チーム内の意見を集約し、議論をまとめることができる。□自分の役割を見つけてチームに貢献できる。 □チーム内で議論する際に自分の意見を言うことができる。 □チーム内で議論する際に他人の意見を聞くことができる。 □チーム内の意見を集約することができる。□自分の役割を見つけられずチームに貢献できない。 □チーム内で議論する際に自分の意見を言うことができない。 □チーム内で議論する際に他人の意見を聞くことができない。 □チーム内の意見を集約することができない。
評価項目3(C3-3)□製作した標準機の構造や動作を報告書に正確に記述できる。 □標準機の機能、性能を評価し、報告書に示すことができる。 □作業記録に作業内容を的確に記述でき、改善点を挙げることができる。 □レビューでの指摘事項に対して的確に対応することができる。□製作した標準機の構造や動作を報告書に記述できる。 □標準機の機能、性能を評価することができる。 □作業記録に作業内容を的確に記述できる。 □レビューで担当のドキュメントについて説明できる□製作した標準機の構造や動作を報告書に記述できない。 □標準機の機能、性能を評価することができない。 □作業記録に作業内容を的確に記述できない。 □レビューで担当のドキュメントについて説明できない
評価項目4□クリエイティブラボを常に整理整頓された状態に維持出来る。 □常に作業環境の改善意識を持ち、効果的な改善を行える□プロジェクトブース内を常に整理整頓することができる。 □常に作業環境の改善に取り組める□クリエイティブラボを常に整理整頓することができる。 □作業環境の改善に取り組めない

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (C3) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C3-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 1 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 4 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 5 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 国際社会における技術者への要求の一つに、エンジニアリングデザイン能力がある。エンジニアリングデザインとは『数学、基礎科学 および専門知識などを集約し、社会的なニーズにあったシステム、エレメント(コンポーネント)、プロセスを開発することで、分野により異なる経済的、健康、安全、環境、社会的な制約などの制約のもとに行われる創造的、協同的でオープンエンドなプロセス』と認識されている。
 本科目では、与えられた課題と制約のもと、チーム単位で、自律移動システムを企画、設計、製作することを通して、エンジニアリングデザイン能力を涵養することを目的とする。特に、本科目では設計ドキュメントの作成を重視し、ドキュメントが品質、安全、技術の蓄積、進歩に大きく関わっていることを理解する。
 この授業では、企業におけるものづくりのプロセスに沿った形でチームによるロボット開発を行い、製品企画から設計、製作、評価、発表まで一連の流れを体験する。企業で産業機器のソフトウエア設計を担当していた教員が、その経験を生かし、製品のデザインレビュー等を実施し、実習形式で授業を行う。
授業の進め方・方法:
(1) 従来システムの技術を十分に理解し、それをベースとするシステム統合が行うことが出来たかを、各種報告書および統合試験結果によって評価する。
(2) チーム内のメンバーが協調してプロジェクトが遂行できたかどうか、またチーム内での貢献度を開発実績および作業記録等によって評価する。
(3) 設計・製作するロボットの構造や動作が説明できるかどうかをデザインレビューにより評価する。
(4) 安全で効率的な作業環境を維持しているかを、工作室を定期的にチェックして評価する。
注意点:
1.評価については、評価割合に従って行う。ただし、 適宜再試や追加課題を課し、加点することがある。
2.中間試験を授業時間内に実施することがある。
3. 授業目標1および3(C3-3)については、標準機順(6割)以上で、かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。
4.この科目は学修単位科目であり、1単位あたり30時間の対面授業を実施する。併せて1単位あたり15時間の事前学習・事後学習が必要となる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス プログラムの学習・教育目標、授業概要・目標、スケジュール、評価方法と基準、等を説明できる
2週 システム解説 MIRSのシステム解説(ハードウエア、ソフトウエア)ができる
3週 チーム編成・ラボ整備 チームビルド、作業環境整備ができる
4週 標準機開発 I/F基板作成、部品確認ができる
5週 標準機開発 各種ボードのセットアップができる
6週 標準機開発 本体組み立てができる
7週 標準機開発 動作確認ができる
8週 標準機開発 標準機開発報告書の作成ができる
2ndQ
9週 製品企画 市場調査、技術調査ができる
10週 製品企画 アイデア創出ができる
11週 製品企画 アイデアの評価、ポスター製作ができる
12週 システム提案 システム提案書を作成できる
13週 システム提案 システム提案書を作成できる
14週 前期まとめ システム提案の振り返りができる
15週 安全講習 工作機械を安全に取り扱うことができる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前2,前7,前8
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前5,前6,前7,前15
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前7,前8
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前7,前8
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前8
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前8
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前2,前9
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前3,前15
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前8,前12,前13,前14
情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3前9
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図図面の役割と種類を適用できる。4前4,前5,前6,前9
製作図の書き方を理解し、製作図を作成することができる。4前8
公差と表面性状の意味を理解し、図示することができる。4前7,前8
CADシステムの役割と基本機能を理解し、利用できる。4前3,前4,前5
工作ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4前3,前15
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4前3,前15
情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。4前5
定数と変数を説明できる。4前7
整数型、実数型、文字型などのデータ型を説明できる。4前7
演算子の種類と優先順位を理解し、適用できる。4前7
情報系分野コンピュータシステムネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。4前2
プロジェクト管理の必要性について説明できる。3前1,前3
WBSやPERT図など、プロジェクト管理手法の少なくとも一つについて説明できる。3前1,前3
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。4前1,前5,前6,前7
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。4前3,前15
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。4前8,前12,前13
けがき工具を用いてけがき線をかくことができる。4前6,前15
やすりを用いて平面仕上げができる。4前6,前15
ねじ立て工具を用いてねじを切ることができる。4前6,前15
NC工作機械の特徴と種類、制御の原理、NCの方式、プログラミングの流れを説明できる。4前4,前5
少なくとも一つのNC工作機械について、各部の名称と機能、作業の基本的な流れと操作を理解し、プログラミングと基本作業ができる。4前4,前5
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。4前7,前8
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。4前8,前12,前13,前14
情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。3前5
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3前7
フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。3前12,前13
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。3前7
論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。4前5,前7
標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。3前3,前5
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。3前5
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。3前5,前7
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前9
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前11,前12,前13,前14
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前3,前10,前11,前14
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前3,前10,前11
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前8,前12,前13
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前10,前11,前15
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前3,前9,前10,前11
合意形成のために会話を成立させることができる。3前3,前9,前10,前11
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3前3,前9,前10,前11,前12,前13
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前9
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前9,前10,前11
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前9,前10,前11
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前9,前11
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前9
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前8,前12,前13,前14
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前9,前10,前11
複数の情報を整理・構造化できる。3前9,前10,前11
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3前9,前10,前11
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前7,前8,前11
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3前10,前11
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前8,前12,前13
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前7,前10
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前9,前10
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前8,前12,前13
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前7,前10,前14
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前3,前10,前11,前12,前13
目標の実現に向けて計画ができる。3前1,前12,前13
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前1,前12,前13
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前1,前3,前14
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前1,前3,前9,前10
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前1,前3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前3,前10,前11,前12,前13,前14
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前3,前9,前10,前11,前12,前13,前14
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前3,前9,前10,前11,前12,前13,前14
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前1,前3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前3,前8,前9,前10,前11
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前1,前3,前9
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前1,前3,前9,前11,前15
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前9,前10,前11
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前1,前9,前10
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前1,前2,前9,前10,前11,前12,前13,前14
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前1,前5,前6,前7,前9,前10,前11,前12
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前7,前11
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前9,前10,前11,前12,前13

評価割合

企画・提案書標準機製作報告書作業環境の維持作業報告書レビュア評価チーム貢献度合計
総合評価割合5005201510100
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力5005201510100