概要:
工学技術者として、環境と調和し持続的な社会の発展に貢献するために必要な環境・エネルギーに関連する知識を習得することは重要である。本講義では、環境問題、エネルギー問題に関する理解を深め、仕事やエネルギー、力学的エネルギーおよびエネルギー保存則、各種エネルギーについて学ぶ。また、エネルギー変換を理解する上で重要な熱力学の基本的事項についても学習する。
運動の法則や原理を学ぶと共に、それらを用いて工学的問題を解決するための素養を身につける。主な講義内容は、力と力のモーメント、分布力、運動学の基礎、質点および剛体の運動である。
授業の進め方・方法:
授業は講義を中心に、適宜演習問題に取り組む。また、レポート課題を課すので、次回の授業の初めに提出すること。
注意点:
1.評価については、評価割合に従って行います。ただし、 適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
2.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス 力学と数学 人口問題 |
力学と数学の関連性を理解できる。 人口問題の概要について説明できる。
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2週 |
環境問題とエネルギー問題(1) |
環境問題やエネルギー問題について学ぶことの必要性を理解し説明できる。
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3週 |
環境問題とエネルギー問題(2) |
環境問題やエネルギー問題の概要について理解し説明できる。
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4週 |
力と仕事 |
力と仕事について理解し説明できる
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5週 |
仕事とエネルギー |
力の大きさと方向が変化する際の仕事を求めることができる。エネルギーの単位について理解し説明できる
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6週 |
仕事率 |
仕事率について理解し説明できる
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7週 |
力学的エネルギー |
重力、弾性力、万有引力による位置エネルギーを理解し説明できる。運動エネルギーを導出できる
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8週 |
仕事率と運動エネルギー |
仕事について理解し、運動エネルギーとの関係について説明できる
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2ndQ |
9週 |
エネルギーの保存 |
力学的エネルギー保存の法則について理解し説明できる
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10週 |
温度と熱、熱運動と絶対温度、熱エネルギー |
温度と熱、および熱運動と絶対温度について理解し説明できる。熱量、熱容量、比熱について理解し説明できる。
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11週 |
熱と仕事 |
熱と仕事の関係について理解し、ジュールの実験、仕事当量、熱量の保存について説明できる
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12週 |
気体法則(1) |
ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル・シャルルの法則について理解し、説明できる
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13週 |
気体法則(2) |
ボイル・シャルルの法則、気体の状態方程式について理解し、説明できる
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14週 |
熱機関と効率 |
熱力学第一法則、熱機関と効率について理解し、説明できる
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15週 |
電気エネルギー |
ジュール熱、ジュールの法則を理解し説明できる
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16週 |
前期のまとめ |
環境およびエネルギー問題、仕事とエネルギー、熱および気体法則等に関連する問題を解くことができる
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後期 |
3rdQ |
1週 |
運動学の基礎(1) 点の平面運動と極座標系における運動の表現 |
ベクトルによる質点の位置、速度、加速度をベクトルで記述できる。極座標系を用いて運動を表現することができる。
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2週 |
運動学の基礎(2) 円運動と向心力 |
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力などを求めることができる。
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3週 |
分布した力(1) 分布力と等価集中力 |
分布力を理解し、等価集中力について説明できる。
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4週 |
分布した力(2) 重力と重心(1) |
重力について理解し、重心について説明できる。
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5週 |
分布した力(3) 重力と重心(2) |
平板および立体の重心位置を求めることができる。
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6週 |
分布した力(4) 面に分布した力 |
圧力について理解し、平面に作用する圧力と圧力中心を求めることができる。
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7週 |
演習 |
等速円運動に関する計算ができる。分布力に関連する計算ができる。
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8週 |
剛体の運動(1) 回転の運動方程式、慣性モーメント |
慣性モーメントを求め、剛体の回転運動を解析することができる。
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4thQ |
9週 |
剛体の運動(2) 物理振子 |
物理振子の運動を解析することができる。
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10週 |
摩擦力、空気抵抗 |
静摩擦力、動摩擦力について説明することができる。空気抵抗を受ける落下運動に関する計算ができる。
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11週 |
運動量と仕事・エネルギー(1) 運動量と力積 |
運動量と力積について理解し、計算できる。運動量保存の法則を説明できる。
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12週 |
運動量と仕事・エネルギー(2) 仕事・動力とエネルギー |
力と仕事の関係、動力について理解し、仕事の原理を説明できる。位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。
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13週 |
機械要素と力学(1) |
ベルト伝動およびブレーキに関する計算ができる。
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14週 |
機械要素と力学(2) |
滑車および輪軸に関する計算ができる。
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15週 |
演習 |
運動量や力積、仕事や動力、摩擦を伴う運動および機械要素に関する計算ができる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 3 | 後10 |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | 後10 |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 3 | 後10 |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 3 | 前4,前5,前6 |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前7,前8 |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前7 |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 3 | 前7 |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 3 | 前7 |
熱 | 原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。 | 3 | 前10 |
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。 | 3 | 前10 |
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。 | 3 | 前10 |
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。 | 3 | 前11 |
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。 | 3 | 後10 |
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。 | 3 | 前12,前13 |
気体の内部エネルギーについて説明できる。 | 3 | 前13 |
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。 | 3 | 前12 |
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前3 |
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。 | 3 | 前11,前14 |
熱機関の熱効率に関する計算ができる。 | 3 | 前14 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 仕事の意味を理解し、計算できる。 | 3 | 前4 |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 3 | 前5,後14 |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 3 | 前3,前5,前8,後14 |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 3 | 前7,前8 |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 3 | 後12 |
電気・電子系分野 | 計測 | SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。 | 4 | 前4 |