電磁気学Ⅱ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電磁気学Ⅱ
科目番号 2021-326 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 基礎電磁気学 改訂版 山口昌一郎著 電気学会 (発行元 オーム社)
担当教員 遠山 和之

到達目標

電磁場での基本的な現象や法則など(アンペアの右ねじの法則、ビオ・サバ―ルの法則、アンペアの法則、磁界のベクトル・ポテンシャル、ホール効果、ファラデーの法則、磁性体の磁化率、透磁率、ヒステリシス、マクスウェルの方程式、ポインティング・ベクトル)を理解して以下の列記した各項目を行うことができる。
(1)電磁気学の簡単な問題を解く際にこれらの法則を活用して式を立て解を導くことができる。
(2)電磁場での基本的な法則を適用できる複合・融合領域に関する課題について、電磁気学の知識を適用し、考察することができる。(B1-3)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.電磁気学の簡単な問題を解く際にこれらの法則を活用して式を立て解を導くことができる。□電磁場での基本的な法則を理解して、電磁気学の応用的な問題を解くことができる。□アンペアの右ねじの法則、ビオ・サバ―ルの法則、アンペアの法則、磁界のベクトル・ポテンシャル、ファラデーの法則、磁性体の磁化率、透磁率、ヒステリシス、マクスウェルの方程式、ポインティング・ベクトルを用いて、簡単な問題を解くことができる。□アンペアの右ねじの法則、ビオ・サバ―ルの法則、アンペアの法則、磁界のベクトル・ポテンシャル、ファラデーの法則、磁性体の磁化率、透磁率、ヒステリシス、マクスウェルの方程式、ポインティング・ベクトルを知っている。
2.電磁場での基本的な法則を適用できる複合・融合領域に関する課題について、電磁気学の知識を適用し、考察することができる。(B1-3)□電磁場での基本的な法則を理解して、例えば電動機のトルクやモーメントを求めることができる。□電磁場での基本的な法則を理解し、例えば電動機が回転する原理を説明することができる。□電磁場での基本的な法則を知っているが、電磁気学を用いて解く課題に適用できない。

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (B1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (B1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電磁気学は、力学と並んで物理学の基礎をなす重要な分野である。電磁気学では、その名の示すように、電気と磁気の現象を対象とする。電磁場は電荷や電流の働きによって空間に生じるある種の変化であり、それは力学で扱う「物体の運動」と違って、目に見えない。電磁気についての日常経験、電磁場に対する実感というものが皆無に等しい。電磁気学Ⅰで学んだ簡単な静電場(時間的に変動しない静的な電場)を基礎として、電磁気学Ⅱでは「第7章 磁界」「第8章 電磁誘導」「第9章 インダクタンス」「第11章 磁性体」「第12章 電磁波」について学ぶ。
授業の進め方・方法:
授業は、パワーポイント資料を利用した解説と授業後に実施する課題Formsを各自で考える形で進める。
注意点:
1.評価については、評価割合に従って行います。ただし、適宜再試や追加課題を課し、加点することがあります。
2.中間試験を授業時間内に実施することがあります。
3.到達目標2(B1-3)については、標準基準(6割)以上で、かつ科目全体で60点以上の場合に合格とする。
4.この科目は学修単位科目であり、1単位あたり15時間の対面授業を実施します。併せて1単位あたり30時間の事前学習・事後学習が必要となります。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
第7章 磁界
7.1 磁気現象、7.2 アンペアの右ねじの法則、7.3 ビオ・サバ―ルの法則
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。
2週 第7章 磁界
7.3 ビオ・サバ―ルの法則
7.3.1 無限長線状電流による磁界
7.4 アンペアの法則
7.4.1 アンペアの周回積分の法則(積分形)
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。
3週 第7章 磁界
7.4 アンペアの法則
7.4.1 アンペアの周回積分の法則(積分形)
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。
4週 第7章 磁界
7.5 磁界のポテンシャル
7.6 磁界中の電流(運動電荷)の受ける力
磁界中の電流に作用する力を説明できる。
5週 第7章 磁界
7.7 平行導線の電流間に働く電磁力、7.9 ホール効果、7.10 電磁力による仕事
磁界中の電流に作用する力を説明できる。
6週 第8章 電磁誘導
8.1 ファラデーの法則
8.2 交流の発生、8.3 磁界中を運動する導体に生じる起電力
ローレンツ力を説明できる。
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。
7週 第8章 電磁誘導
8.4 電気・機械エネルギー変換、8.5 渦電流
第9章 インダクタンス
9.1 自己インダクタンス、9.2 相互インダクタンス
自己誘導と相互誘導を説明できる。
8週 第9章 インダクタンス
9.3 相互インダクタンスと自己インダクタンスとの関係
9.4 インダクタンスの接続、9.5 インダクタンスの計算例
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。
4thQ
9週 第9章 インダクタンス
9.5 インダクタンスの計算例
9.6 磁界に蓄えられるエネルギー
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。
磁気エネルギーを説明できる。
10週 第11章 磁性体
11.1 物質の磁性、11.2 磁化の強さ、11.3 磁化率と透磁率
11.4 強磁性体の磁化
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。
11週 第11章 磁性体
11.5 磁化に要するエネルギー、11.6 ヒステリシス損失
11.7 磁気回路、11.8 エアギャップをもつ磁気回路
磁気エネルギーを説明できる。
12週 第11章 磁性体
11.9 飽和特性をもつ鉄心とエアギャップとからなる磁気回路、11.10 磁束についてのガウスの法則
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。
13週 第11章 磁性体
11.11 境界面におけるBとH
11.12 棒状磁性体の磁化、11.13 永久磁石
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。
14週 第12章 電磁波
12.1 変位電流、12.2 マクスウェルの方程式
12.3 マクスウェルの方程式の解(波動方程式)
変位電流を説明できる。
マクスウェル方程式を説明できる。
15週 第12章 電磁波
12.4 平面波、12.5 損失のある誘電体中の電磁波、12.6 導体と電磁波
12.7 ポインティング・ベクトル
ポインティング・ベクトルを説明できる。
16週 第7章~第12章の総括 電磁場での基本的な法則を理解し、例えば電動機が回転する原理を説明することができる。また、電流と磁場の関係を理解し、磁界や磁束密度を求めることができる。自己インダクタンス、相互インダクタンスを求めることができる。変位電流を説明できる。ポインティングベクトルを説明できる。磁界中に電流を流したときに働く力を求めることができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3後13
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3後13
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3後13
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3後13
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電磁気磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。4後10,後12
電流が作る磁界をビオ・サバールの法則を用いて計算できる。4後1
電流が作る磁界をアンペールの法則を用いて計算できる。4後1,後2,後3,後13
磁界中の電流に作用する力を説明できる。4後4,後5
ローレンツ力を説明できる。4後6
磁気エネルギーを説明できる。4後11
電磁誘導を説明でき、誘導起電力を計算できる。4後6
自己誘導と相互誘導を説明できる。4後7
自己インダクタンス及び相互インダクタンスを求めることができる。4後8,後9

評価割合

学年末試験課題合計
総合評価割合6040100
1.電磁気学の簡単な問題を解く際にこれらの法則を活用して式を立て解を導くことができる。60060
2.電磁場での基本的な法則を適用できる複合・融合領域に関する課題について、電磁気学の知識を適用し、考察することができる。(B1-3)04040