工学数理Ⅰ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 工学数理Ⅰ
科目番号 2021-353 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 わかりやすい振動工学(共立出版)
担当教員 鄭 萬溶

到達目標

1.微分方程式の一般解と特(殊)解の意味を理解し,それぞれの解を求めることができる.
2.Newtonの運動法則を基本原理を理解し,運動方程式を立てることができる.
3.1自由減衰および非減衰振動系の運動方程式を解き,自由振動と強制振動を求めることができる.
4.複素ベクトル法を用いて強制振動応答を求めることができる.
5.インパルス入力による応答を求めることができ,畳込み積分の意味を理解できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1一階斉次および非斉次微分方程式の一般解を求めることができる.また,一般解と特解を求めることができ,独立解を計算できる.定数係数常微分方程式を解き,一般解を求めることができる.微分方程式の一般解を計算できない.
評価項目2複数の手法で運動方程式で運動方程式を立てることができ,回転運動に対する運動にも同様のことができる.Newton力学により1自由度振動系の運動方程式を立てられる.Newton力学の基礎が定着していなく運動方程式を立てることができない.
評価項目31自由減衰および非減衰振動系の運動方程式を解き,自由振動と強制振動を求めることができ,その結果をひょうかできる.1自由減衰および非減衰振動系の運動方程式を解き,自由振動と強制振動を求めることができる.1自由減衰および非減衰振動系の運動方程式を解き,自由振動と強制振動を求めることができない.
評価項目4複素ベクトル法を用いて強制振動応答を求めることができる.複素ベクトルに基礎を理解し,その計算ができる.複素ベクトルに基礎を理解していなく,その計算ができない.
評価項目5インパルス入力による応答を求めることができ,畳込み積分の意味を理解できる.インパルス入力による応答と畳込み積分の導出法を理解できる.インパルス入力による応答と畳込み積分の導出法を理解できない.

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
Newtonの運動法則を基本原理とする古典力学を講義する.d'Alembertの原理に基づき物体の運動方程式を導き,それを解析して運動を議論する.微分方程式の解法について解説し,それを用いた運動方程式の解法について講義する.また,インパルス入力による強制振動応答と畳込み積分についても学習する.詳細は授業の際にガイダンスする.
授業の進め方・方法:
授業は講義を中心に適宜学習内容について解説し,議論する.数学と力学の関連について学習させ,数学が専門科目でどのように活用されるかを理解してもらいモチベーション向上につなげる.授業用ノートとは別に課題用のノートを用意してもらい,適宜課題を課すので翌週の授業開始時に提出することとする.授業時間に理解が不十分だった場合,オフィスアワーを活用し,補うこととする.
注意点:
評価について,評価割合に従って行います.ただし,適宜再試験や追加課題を課し,加点することがあります.中間試験を授業時間内に実施することがあります.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 工学数理を学ぶ意義:どのような立場・観点から「力学」を学ぶかを理解できる.
2週 1階微分方程式 変数分離形,完全微分方程式,積分因子などによる解法を身につける.
3週 1階微分方程式 1階非斉次微分方程式の解法を身につける.
4週 2階微分方程式 2階斉次微分方程式の解法を身につける.
5週 Newtonの運動法則,エネルギー保存則,運動方程式 Newtonの運動法則,エネルギー保存則,ラグランジュ関数を用いて運動方程式を立てることができる.
6週 質点・バネ系の運動(自由振動) 質点・バネ系の運動方程式の解法 (自由振動,初期値問題)を身につける.
7週 質点・バネ系の運動(強制振動) 質点・バネ系の運動方程式の解法 (強制振動)を身につける.
8週 複素ベクトル法による強制振動応答の計算 複素ベクトル法を用いて正弦波入力に対する応答を計算できる.
4thQ
9週 インパルス力による応答 インパルス力により自由振動と同様の固有振動が励起されることと,任意の入力に対する応答は,入力とシステムの特性を表す関数(伝達関数のラプラス逆変換)の畳み込み積分で表現できることを理解できる.
10週 振り子の振動 振り子の振動についてエネルギー法やラグランジュ関数を使って運動方程式を立て,固有振動数を求めることができる.
11週 剛体の運動(重心,慣性モーメント) さまざまな形の剛体に対して重心と慣性モーメントを求めることができる.
12週 剛体の運動(回転運動,滑車の運動) 回転運動に対する運動方程式を立てることができる.回転運動と並進運動の関係理解し,運動方程式を解くことができる.
13週 衝突,自由落下,自由振動応答 自由落下による衝突によって2つの質量が合体して振動する1自由度非減衰振動系の応答を計算できる.
14週 畳込み積分 任意の入力に対する応答は畳込み積分で表現できることを理解できる.
15週 フーリエ級数 矩形波と三角波をフーリエ級数展開でき,それらによる応答を計算できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。4
振動の種類および調和振動を説明できる。4
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合700010200100
基礎的能力50001010070
専門的能力100005015
分野横断的能力100005015