線形代数Ⅱ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 線形代数Ⅱ
科目番号 2021-368 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 新 線形代数(大日本図書),新 線形代数問題集(大日本図書)
担当教員 黒澤 恵光

到達目標

1.消去法や逆行列を用いて連立一次方程式を解くことができる。
2.行列の階数を計算することができる。
3.行列式の定義と性質が分かり,それを用いて計算することができる。
4.余因子を用いて逆行列を求めることができる。
5.線形変換の定義がわかり,簡単な線形変換を行列で表すことができる。
6.固有値と固有ベクトルの定義を述べられ,計算で求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1消去法や逆行列を用いて連立方程式を解くことができる。行列の階数を計算することができる。行列式の定義と性質がわかりそれを用いて計算することができる。余因子を用いて逆行列を求めることができ、クラーメルの公式で連立方程式の解を求めることができる。線形変換の定義がわかり、簡単な線形変換を行列で表すことができ、図形の問題へ応用することができる。固有値と固有ベクトルの定義を述べられ、計算で求めることができ、応用することができる。消去法や逆行列を用いて連立方程式を解くことができる。行列の階数を計算することができる。行列式の定義と性質がわかりそれを用いて計算することができる。余因子を用いて逆行列を求めることができる。線形変換の定義がわかり、簡単な線形変換を行列で表すことができる。固有値と固有ベクトルの定義を述べられ、計算で求めることができる。消去法や逆行列を用いて連立方程式を解くことができない。行列の階数を計算することができない。行列式の定義と性質がわからない。余因子を用いて逆行列を求めることができない。線形変換の定義がわからない。固有値と固有ベクトルの定義を述べられない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義で学ぶ線形代数学は微分積分学と合わせて,理工系で学ぶ数学の必須の内容となっている。線形代数Ⅰに引き続き,行列を用いて連立一次方程式を解く方法を学ぶ。そこでは行列の階数という概念が重要となる。その後,正方行列に対して行列式という新しい概念を導入する。行列式は逆行列の存在と密接に関連しているだけでなく,幾何学的にも重要な意味をもつ。その後,線形変換とその行列表現について学び,行列の固有値について学ぶ。この講義に続く進んだ内容を学びたい学生は「はじめて学ぶベクトル空間」(大日本図書)(碓氷,高遠,濱口,松澤,山下共著)を参考書として紹介する。
授業の進め方・方法:
講義形式で行う。教科書の問や練習問題,問題集の問題の演習を授業時間内に行うがすべてを授業時間内に行うことは不可能である。授業時間内に行うことのできなかった問題は授業後に復習のために演習することは不可欠である。授業中に何回か小テストを課す予定である。シラバス上は試験の解説を行うことになっているが,その時間を試験前に持っていき,演習の時間とすることがある。
注意点:
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 消去法 拡大係数行列に対する行基本変形により連立一次方程式を解くことができる。
2週 逆行列と連立一次方程式 行基本変形を用いて正方行列の逆行列を求めることができる。
3週 行列の階数 行列の階数を求めることができる。
4週 行列式の定義(1) 2次と3次の正方行列の行列式の定義を述べることができ,実際に計算できる。
5週 行列式の定義(2) 順列を用いた行列式の定義を述べることができ,その定義に基づいて行列式を計算できる。
6週 行列式の性質(1) 行列式の性質を用いて行列式を計算することができる。
7週 行列式の性質(2) 行列式の性質を用いて行列式を計算することができる。
8週 前期中間試験の解説
2ndQ
9週 行列の積の行列式 行列の積の行列式の性質が行列式の積になることを用いて計算を行うことができる。
10週 行列式の展開 行列式を展開によって計算することができる。
11週 行列式と逆行列 余因子を用いて逆行列を計算することができる。
12週 連立一次方程式と行列式(1) クラーメルの公式を用いて連立一次方程式を解くことができる。
13週 連立一次方程式と行列式(2) 右辺がすべて0である連立一次方程式が自明でない解を持つための条件を述べることができる。また,それと数ベクトルの線形独立性との関連性について述べることができる。
14週 行列式の図形的意味(1) 行列式の図形的意味を述べることができる。
15週 行列式の図形的意味(2) 行列式の図形的意味を述べることができる。
16週
後期
3rdQ
1週 線形変換 線形変換の定義を述べることができる。与えられた線形変換を表す行列を求めることができる。
2週 線形変換の基本性質 線形変換の基本性質を用いて条件を満たす線形変換を決定することができる。
3週 合成変換と逆変換 合成変換と逆変換について定義とそれらを表す行列について述べることができる。
4週 回転を表す線形変換 回転を表す線形変換を書くことができる。
5週 直交行列と直交変換 直交行列と直交変換の定義を述べることができる。
6週 固有値と固有ベクトル 線形変換の固有値と固有ベクトルの定義を述べることができる。
7週 固有値と固有ベクトル 与えられた行列の固有値と固有ベクトルを求めることができる。
8週 後期中間試験の解説
4thQ
9週 行列の対角化 行列の対角化を行うことができる。
10週 対角化可能の条件 行列が対角化できるための条件を述べることができる。
11週 対称行列の直交行列による対角化(1) 固有値がすべて固有方程式の重複度1の解である場合,対称行列を直交行列により対角化することができる。
12週 対称行列の直交行列による対角化(2) 固有方程式が重解を持つ場合,対角化行列となる直交行列を求めることができる。
13週 対角化の応用(1) 対角化を用いて2次曲線の標準形を求めることができる。
14週 対角化の応用(2) 対角化を用いて行列のべき乗を求めることができる。
15週 まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。2
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。2
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。2
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。2

評価割合

試験課題・小テスト合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100