応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 2021-384 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 初歩から学ぶ力学Ⅱ (大日本図書)
担当教員 勝山 智男,(物理科 非常勤講師)

到達目標

1. 微分,積分,ベクトルを用いて,質点の運動を定量的に扱うことができ、運動方程式をたてて解くことができる。2. 等速円運動および力学的エネルギー保存則を理解して、方程式を扱うことができる。3. 質点2体系や剛体の運動を,1質点の運動と対比させながら理解でき,2体系および剛体の運動の典型的な例について運動方程式をたてて解くことができる。4. 運動方程式を微分方程式として捉えることができ,様々な具体例(落下運動,単振動,減衰振動,強制振動)の運動方程式をたてて解くことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1質点運動の応用的な例について微分,積分,ベクトルを用いて運動方程式を書いて解くことができる。質点運動の基礎的な例について微分,積分,ベクトルを用いて運動方程式を書いて解くことができる。質点運動の基礎的な例について微分,積分,ベクトルを用いて運動方程式を書くことができない。
評価項目2等速円運動および力学的エネルギー保存則の応用的な例について方程式を書いて解くことができる。等速円運動および力学的エネルギー保存則の基礎的な例について方程式を書いて解くことができる。等速円運動および力学的エネルギー保存則の基礎的な例について方程式を書くことができない。
評価項目32体系および剛体の運動の応用的な例について運動方程式を書いて解くことができる。2体系および剛体の運動の基礎的な例について運動方程式を書いて解くことができる。2体系および剛体の運動の基礎的な例について運動方程式を書くことができない。
評価項目4質点運動の応用的な例について運動方程式を微分方程式として書いて解くことができる。質点運動の基礎的な例について運動方程式を微分方程式として書いて解くことができる。質点運動の基礎的な例について運動方程式を微分方程式として書くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
前期は,1年次で学んだ物理を基礎とし,数学で学んだ微積分やベクトルなどの解析的な方法を用いて,質点の力学を定量的に扱う。1年次で学んだ力学および微積分やベクトルなどの復習,およ単元ごとのまとめと演習を行う。後期は,2体系および剛体の運動,振動運動へ拡張する。特に,運動方程式を微分方程式として捉えて解析することに力点を置く。本講義を通して,物理の基礎知識を自らの工学分野に応用できることに加え,自らの専門分野の課題の解決に数学的手法を適用できることを学ぶ。
授業の進め方・方法:
前期は,1年次で学んだ質点の力学の基礎概念を、微分・積分・ベクトルなどを用いた解析的な方法により一般化して、科学技術への応用へ向けた物理学の法則を学んでいく。1年次の復習とともに解析的な手法の実例を扱う。後期は,前期で学んだ質点の力学を二体系や剛体に拡張し、工学的な応用をふまえて学ぶ。前後期とも、講義および演習を中心に行う。講義中は集中して聴講するとともに,積極的に演習に取り組むこと。
注意点:
定期試験で評価する。満点の60%に達した者を合格とする。なお,達成度を確認するための課題を与え,成果が十分とみなされた場合は,その試験について満点の60%を上限として加点することがある。また,授業時間内に行う小テスト(課題)を,該当する期間の定期試験に加味する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 質点の力学(運動学)1 微分による直線運動の位置,速度,加速度の計算
2週 質点の力学(運動学)2 積分による直線運動の位置,速度,加速度の計算
3週 質点の力学(運動学)3 ベクトルによる平面運動の位置,速度,加速度の計算
4週 質点の力学(運動学)4 位置,速度,加速度のまとめと演習
5週 運動の法則1 微分を含む運動方程式をたてる
6週 運動の法則2 積分を用いて運動方程式を扱う
7週 運動の法則3 運動方程式のまとめと演習
8週 前期中間演習
2ndQ
9週 等速円運動1 角速度,向心力を扱う
10週 等速円運動2 万有引力の法則と惑星の運動を扱う
11週 等速円運動3 等速円運動のまとめと演習
12週 力学的エネルギー1 位置エネルギー・運動エネルギーを扱う
13週 力学的エネルギー2 保存力とポテンシャルを扱う
14週 力学的エネルギー3 微分・積分を用いてエネルギーを扱う
15週 力学的エネルギー4 力学的エネルギーのまとめと演習
16週 前期のまとめ
後期
3rdQ
1週 二体系の力学 重心と相対運動(力学Ⅱ第3章)
2週 二体系の力学 衝突
3週 二体系の力学 回転運動と角運動量
4週 質点系と剛体の力学 剛体 (力学Ⅱ第4章)
5週 質点系と剛体の力学 慣性モーメント
6週 質点系と剛体の力学 回転運動の運動方程式
7週 質点系と剛体の力学 回転運動のエネルギーと仕事
8週 後期中間演習
4thQ
9週 極座標 座標変換
10週 物体の運動と微分方程式 落下運動
11週 物体の運動と微分方程式 単振動
12週 物体の運動と微分方程式 減衰振動,強制振動
13週 物体の運動と微分方程式強制振動 振動運動まとめ
14週 物体の運動と微分方程式 惑星の運動
15週 後期のまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前1,前2
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前1,前2
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前1,前2,前4
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前3,前4
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前2,前4
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3前1,前4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3後10
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3後10
慣性の法則について説明できる。3前5
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前5
運動方程式を用いた計算ができる。3前5,前6
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前5,前7
運動の法則について説明できる。3前5
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3前12,前15
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前12,前15
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前13,前15
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前14,前15
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前9,前11
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前9,前11,後11
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前9,前11
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3前10,前11
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前10,前11
力のモーメントを求めることができる。3後3
角運動量を求めることができる。3後3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3後3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3後4
重心に関する計算ができる。3後1
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3後5
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3後6

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力10000000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000