(1) 物体の運動を数式で表現できる。(2) 運動方程式について理解し,応用できる。(3) さまざまな物理量・保存法則の概念を理解して取り扱うことができる。
概要:
私たちの身の回りに起こる現象を理解し,それを応用してものを作るためには,自然現象の中に潜む法則を理解し整理することが必要である。さまざまな自然法則のうちで最も基本的なものは,力と運動に関するもの,電気や磁気に関するもの,波や光や音に関するもの,熱に関するものなどである。これらを扱うのが物理学である。物理Ⅰでは,広範囲にわたる物理学のうち,力と運動に関する分野…力学という…に絞って学ぶ。力学を最初に学ぶのは,他の分野のすべてにつながる最も重要な分野だからである。
授業の進め方・方法:
この授業では,力学のさまざまな現象を,数値や数式を用いて表現する方法を学ぶ。これらを学ぶことを通して,論理的かつ合理的なものの考え方を身につけることを目指す。毎回の講義に対応した演習問題集が配布される。これを用いて,講義を聴くことと問題を解く(自学自習する)ことを並行しながら学んでいく。
注意点:
試験の通算平均成績で評価することが基本である。全体の期間を通じた平均評価が満点の60%に達したものを合格とする。試験の点数以外に,授業学習の履歴・課題の提出・演習問題の記録などの評価を,該当する期間の評価に加味することがある。各回の定期試験で合格点に満たない者には課題を与えて達成度を確認することにより合格最低点を限度として該当の回について加点することがある。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 速度と加速度の概念を説明できる。 | 2 | 前3 |
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。 | 2 | 後2 |
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。 | 2 | 前4 |
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。 | 2 | 前6 |
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。 | 2 | |
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。 | 2 | 前3 |
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 2 | 前5 |
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。 | 2 | 前6 |
物体に作用する力を図示することができる。 | 2 | 前10 |
力の合成と分解をすることができる。 | 2 | 前10 |
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。 | 2 | 前12 |
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 2 | 前12 |
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。 | 2 | 前10 |
慣性の法則について説明できる。 | 2 | |
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。 | 2 | |
運動方程式を用いた計算ができる。 | 2 | |
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。 | 2 | |
運動の法則について説明できる。 | 2 | |
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。 | 2 | |
最大摩擦力に関する計算ができる。 | 2 | |
動摩擦力に関する計算ができる。 | 2 | |
仕事と仕事率に関する計算ができる。 | 2 | |
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。 | 2 | |
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 2 | |
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。 | 2 | |
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 2 | |
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。 | 2 | |
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。 | 2 | |
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。 | 2 | |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 2 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 2 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 2 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 2 | |
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 2 | |