応用数学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用数学
科目番号 2022-352 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材 教科書:新応用数学(大日本図書)、問題集:新応用数学問題集(大日本図書)
担当教員 端川 朝典

到達目標

1.いくつかの典型的な関数のラプラス変換を求めることができる。(B1ー3)
2.周期関数のフーリエ級数を求めることができる。(B1-3)                                                        
3.簡単な関数のフーリエ変換を求めることができる。(B1-3)                                                
4.複素関数の導関数を求めることができること。                                                            5.複素関数の積分を計算できること。(B1-3)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1□ラプラス変換を用いて微分方程式を解いたり、線形システムの問題に適用できる。□典型的な関数のラプラス変換を求めることができる。□典型的な関数について、そのラプラス変換を求めることができない。
評価項目2□2π周期以外の周期関数についてもフーリエ級数を求めることができ、一般の級数を求める問題等に応用できる。□2π周期の周期関数のフーリエ級数を求めることができる。□2π周期の周期関数のフーリエ級数を求めることができない。
評価項目3□スペクトルの概念が理解でき、サンプリング定理などを理解し適用することができる。□簡単な関数のフーリエ変換を求めることができる。□関数のフーリエ変換を計算することができない。
評価項目4□複素関数を1つの複素数平面から別の複素数平面への写像として捉えることができ、1次分数関数などがどのような写像になるか理解できる。□正則関数の導関数を求めることができる。□正則関数の導関数を求めることができない。
評価項目5□留数定理が理解でき、その応用ができること。□複素関数の積分を計算することができる。□複素関数の積分を計算することができない。

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (B1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (B1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 2 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 B 説明 閉じる

教育方法等

概要:
ラプラス変換は線形システムや電気回路等に係る微分方程式を見通しよく解くための道具として大変有用であり、その辺りの計算ができることを目指す。フーリエ解析は現代解析学の基礎となったともいえる分野でその奥は深いが、ここではその導入部分について学ぶ。複素関数とは独立変数も従属変数も複素数の関数で、これまで学んできた独立変数が実数のいわゆる実関数に対応する表現としてある。複素関数の微分の定義は、見かけ上は実関数のそれと同じだが、微分可能となるためにははるかに強い条件が必要となる。そのため、微分可能な関数(正則関数という)はいろいろきれいな性質をもつ。この辺りを感じながら学んでいく。
授業の進め方・方法:
授業は対面講義を中心に進めるが, 教科書の問いを各自で解いてみる時間もとるようする.
定期試験とは別に課題や小テストを行うことがあります.
注意点:
1. 評価については、評価割合に従って行います。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、ラプラス変換の定義 ラプラス変換の定義を理解できる。
2週 相似性と移動法則 相似性と移動法則を用いてラプラス変換を計算できる。
3週 微分法則と積分法則 微分法則および積分法則を用いてラプラス変換を計算できる。
4週 逆ラプラス変換 部分分数分解等を用いてラプラス変換された関数のもとの関数を求めることができる。
5週 微分方程式への応用 ラプラス変換を利用して定数係数2階線形微分方程式を解くことができる。
6週 たたみこみ たたみこみと呼ばれる積分計算のラプラス変換が理解でき計算できる。
7週 線形システムの伝達関数とデルタ関数 入力にデルタ関数を持つ線形システムの出力を求めることができる。
8週 複素数と極形式 複素数の基本的性質および極形式を理解することができる。
2ndQ
9週 絶対値と偏角 複素数の絶対値と偏角の概念を理解することができる。
10週 複素関数 いくつかの初等的な複素関数の定義を理解することができる。
11週 正則関数 微分可能な複素関数について理解し、その導関数を求めることができる。
12週 コーシー・リーマンの関係式 正則関数の実部と虚部の間に成り立つコーシー・リーマンの関係式を理解することができる。 
13週 逆関数 複素関数の逆関数を考えることにより、多価関数の概念を理解することができる。
14週 複素積分(1) 複素関数の積分の定義を理解することができる。
15週 複素積分(2) 複素関数の積分計算ができる。
16週
後期
3rdQ
1週 コーシーの積分定理(1) コーシーの積分定理を理解すること。
2週 コーシーの積分定理(2) コーシーの積分定理を用いて、積分計算ができる。
3週 コーシーの積分表示 正則関数の導関数の積分表示を理解することができる。
4週 数列と級数 複素数列・複素級数の収束・発散について理解することができる。
5週 関数の展開 複素関数のべき級数展開ができる。
6週 孤立特異点と留数 孤立特異点および留数の概念を理解することができる。
7週 留数定理 留数の概念を応用して積分計算ができる。 
8週 周期2πの関数のフーリエ級数(1) 周期2πの関数のフーリエ級数の定義を理解できる。
4thQ
9週 周期2πの関数のフーリエ級数(2) 周期2πの関数のフーリエ級数を求めることができる。
10週 一般の周期関数のフーリエ級数(1) 一般の周期関数のフーリエ級数を求めることができる。
11週 一般の周期関数のフーリエ級数(2) フーリエ級数の収束定理を理解することができる。
12週 複素フーリエ級数 周期関数の複素フーリエ級数を求めることができる。
13週 フーリエ変換と積分定理 フーリエ変換および逆フーリエ変換による反転公式を理解することができる。
14週 フーリエ変換の性質と公式 フーリエ変換の性質を理解し、その公式を正しく使うことができる。
15週 スペクトル 線スペクトルおよび連続スペクトルの概念を理解することができる。サンプリング定理を理解することができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題等合計
総合評価割合6040100
基礎的能力6040100