1. 微分,積分,ベクトルを用いて,質点の運動を定量的に扱うことができ、運動方程式をたてて解くことができる。2. 等速円運動および力学的エネルギー保存則を理解して、方程式を扱うことができる。3. 質点2体系や剛体の運動を,1質点の運動と対比させながら理解でき,2体系および剛体の運動の典型的な例について運動方程式をたてて解くことができる。4. 運動方程式を微分方程式として捉えることができ,様々な具体例(落下運動,単振動,減衰振動,強制振動)の運動方程式をたてて解くことができる。
概要:
前期は,1年次で学んだ物理を基礎とし,数学で学んだ微積分やベクトルなどの解析的な方法を用いて,質点の力学を定量的に扱う。1年次で学んだ力学および微積分やベクトルなどの復習,およ単元ごとのまとめと演習を行う。後期は,2体系および剛体の運動,振動運動へ拡張する。特に,運動方程式を微分方程式として捉えて解析することに力点を置く。本講義を通して,物理の基礎知識を自らの工学分野に応用できることに加え,自らの専門分野の課題の解決に数学的手法を適用できることを学ぶ。
授業の進め方・方法:
前期は,1年次で学んだ質点の力学の基礎概念を、微分・積分・ベクトルなどを用いた解析的な方法により一般化して、科学技術への応用へ向けた物理学の法則を学んでいく。1年次の復習とともに解析的な手法の実例を扱う。後期は,前期で学んだ質点の力学を二体系や剛体に拡張し、工学的な応用をふまえて学ぶ。前後期とも、講義および演習を中心に行う。講義中は集中して聴講するとともに,積極的に演習に取り組むこと。
注意点:
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
質点の力学(運動学)1 |
微分による直線運動の位置,速度,加速度の計算 ができる
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2週 |
質点の力学(運動学)2 |
積分による直線運動の位置,速度,加速度の計算 ができる
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3週 |
質点の力学(運動学)3 |
ベクトルによる平面運動の位置,速度,加速度の計算ができる
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4週 |
質点の力学(運動学)4 |
位置,速度,加速度の関係について整理できる
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5週 |
運動の法則1 |
微分を含む運動方程式をたてることができる
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6週 |
運動の法則2 |
積分を用いて簡単な運動方程式を解くことができる
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7週 |
運動の法則3 |
さまざまな力とそれに伴う運動に関して運動方程式を作ることができる
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8週 |
前期中間演習 |
具体的な例について運動方程式を用いて解析できる
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2ndQ |
9週 |
等速円運動1 |
角速度と向心力について理解できる
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10週 |
等速円運動2 |
万有引力の法則に関して、等速円運動の知識を応用できる
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11週 |
等速円運動3 |
等速円運動について、さまざまな例について計算ができる
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12週 |
力学的エネルギー1 |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる
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13週 |
力学的エネルギー2 |
保存力とポテンシャルを理解できる
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14週 |
力学的エネルギー3 |
微分・積分を用いてエネルギーを求めることができる
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15週 |
力学的エネルギー4 |
力学的エネルギーに関して、さまざまな例について計算ができる
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16週 |
前期のまとめ |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
二体系の力学 |
重心と相対運動の計算ができる
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2週 |
二体系の力学 |
衝突の計算ができる
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3週 |
二体系の力学 |
回転運動と角運動量の計算ができる
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4週 |
質点系と剛体の力学 |
2体系の力学を質点系と剛体に拡張することができる
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5週 |
質点系と剛体の力学 |
剛体の回転運動の運動方程式を作ることができる
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6週 |
質点系と剛体の力学 |
具体的な例について剛体の運動を解析できる
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7週 |
質点系と剛体の力学 |
回転運動のエネルギーと仕事を剛体の運動に適用できる
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8週 |
後期中間演習 |
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4thQ |
9週 |
極座標 |
座標変換ができる
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10週 |
物体の運動と微分方程式 |
空気抵抗を伴う落下運動に対して微分方程式を解くことができる
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11週 |
物体の運動と微分方程式 |
単振動に対して微分方程式を解くことができる
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12週 |
物体の運動と微分方程式 |
減衰振動に対して微分方程式を解くことができる
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13週 |
物体の運動と微分方程式 |
複素数を用いて、単振動や減衰振動の微分方程式を解くことができる
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14週 |
物体の運動と微分方程式 |
強制振動が理解できる
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15週 |
後期のまとめ |
初等力学であらわれるさまざまな微分方程式を解いて、運動を解析することができる
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 波動 | 横波と縦波の違いについて説明できる。 | 3 | |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 2 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 2 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 2 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 2 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 3 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 2 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 2 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 2 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 2 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 2 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 計測制御 | 計測の定義と種類を説明できる。 | 3 | |
電気・電子系分野 | 電気回路 | 正弦波交流の特徴を説明し、周波数や位相などを計算できる。 | 3 | |
R、L、C素子における正弦波電圧と電流の関係を説明できる。 | 3 | |
計測 | 電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。 | 4 | |
分野別の工学実験・実習能力 | 機械系分野【実験・実習能力】 | 機械系【実験実習】 | 実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。 | 3 | |
災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。 | 3 | |
レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。 | 3 | |
加工学実験、機械力学実験、材料学実験、材料力学実験、熱力学実験、流体力学実験、制御工学実験などを行い、実験の準備、実験装置の操作、実験結果の整理と考察ができる。 | 3 | |
実験の内容をレポートにまとめることができ、口頭でも説明できる。 | 3 | |
電気・電子系分野【実験・実習能力】 | 電気・電子系【実験実習】 | 電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。 | 4 | |
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。 | 4 | |
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。 | 3 | |
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。 | 3 | |
論理回路の動作について実験結果を考察できる。 | 4 | |
ディジタルICの使用方法を習得する。 | 4 | |
情報系分野【実験・実習能力】 | 情報系【実験・実習】 | 基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。 | 4 | |
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。 | 4 | |