人工知能

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 人工知能
科目番号 2023-270 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 自作の講義ノート
担当教員 鄭 萬溶

到達目標

1.認知・認識に関する問題を、数式を使って理解し表現できること。
2.人工知能技術の応用分野についての知識を修得すること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
認知・認識の問題を数式で表現する方法を修得人工知能に関する設問を数式で表現することができる。さらに解を求める手法やアルゴリズムを記述することができる。人工知能に関する設問を数式で表現することができる。人工知能に関する設問を数式で表現することができない。
人工知能の社会実装分野の基礎知識の習得人工知能の技術が、社会の中でどのように適用されているかを記述することができる。さらに、応用分野について記述することができる。人工知能の技術が、社会の中でどのように適用されているかを記述することができる。人工知能の技術が、社会の中でどのように適用されているかを記述することができない。
人工知能の具体的な技術の習得ニューラルネットワークの手法、情報理論の手法を、設定問題に適用することができる。さらに、正確に数値計算ができる。ニューラルネットワークの手法、情報理論の手法を、設定問題に適用することができる。ニューラルネットワークの手法、情報理論の手法を、設定問題に適用することができない。

学科の到達目標項目との関係

【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人の顔や指紋などの物体認識・認知技術、組合せ最適化問題解法の技術は、多くの情報処理機器や近年着目されているブレイン‐マシンインターフェイス、ビックデータの解析などに適用されており、社会的ニーズの高い分野となってきている。本授業では、ニューラルネットワーク手法とディープラーニング、統計物理的手法、情報理論的手法による、認知・認識問題への工学的アプローチについて講義し、これらの技術の基礎となる物理学、情報理論、認知科学の学問的背景についても講義する。また、企業に在職したとき開発した、Pottsスピンンモデルを応用した組み合わせ最適化問題の解法、相互情報量最大化原理を応用した顔認識システム、ならびに国内外で取得した関連する特許について解説する。
授業の進め方・方法:
前半は、教師あり学習である階層型神経ネットワーク(パーセプトロン、バックプロパゲーション法)、教師なし学習である自己組織化についての座学をおこなう。また、近年着目されているディープラーニング、サポートベクタマシンについて講義する。後半は、情報理論的手法による予測問題、通信路における画像修復の問題について座学で講義する。人工知能の技術的手法は他にも多くあるが、基本的にはこれらの手法が理解できれば、他の手法を理解するのは比較的容易である。神経ネットワークの手法や情報理論的手法の基となるのは統計物理学なので、統計物理学について適宜解説をする。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 人工知能が利用されている分野を理解する。人工でない知能について理解できる。
2週 ニューロンのモデル化 神経細胞のモデル化方法、静的ニューロンモデル、動的ニューロンモデルを理解できる。
3週 単一ニューロンモデル1 ニューロンモデルによるブール代数の学習について理解できる。
4週 単一ニューロンモデル2 特徴空間について理解できる。
5週 階層型ニューロンモデル1 古典パーセプトロン(教師あり学習)の学習方法について理解できる。
6週 階層型ニューロンモデル2 バックプロパゲーション法の学習について数式で理解できる。
7週 階層型ニューロンモデル3 バックプロパゲーション法を顔認識に適用した例から、学習曲線、過学習、追加学習について理解できる。
8週 階層型ニューロンモデルの適用 ディープラーニングの学習方法、サポートベクタマシンのカーネルトリックなどを理解する。
2ndQ
9週 ランダム系の神経ネットワーク1 自己組織化手法による、最適化問題の解法を理解できる。
10週 ランダム系の神経ネットワーク2 Hopfield&TankモデルとMiyashita&Tanakaのモデルの違いを理解できる。
11週 情報理論的手法1 「情報」の定義を理解する。確率論の基礎(自己情報量と情報エントロピー)を理解できる。
12週 情報理論的手法2 確率論の基礎(条件付き確率と情相互情報量)を理解できる。
13週 情報理論的手法の適用1 天気の予測を例に、ベイズ推定、相互情報量最大化について理解できる。
14週 情報理論的手法の適用2 ノイズ源のある通信路における画像修復方法、決定木法を理解できる。
15週 まとめ 人工知能の技術を応用するときに、問題の条件を数式で表現できること。また、その解法を記述できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力300000030
専門的能力700000070
分野横断的能力0000000