通信工学

科目基礎情報

学校 沼津工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 通信工学
科目番号 0039 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 基礎通信工学 福田明(森北出版) MATLAB(数値シュミレーションソフト。情報処理演習室で使用できる。)
担当教員 山崎 悟史

到達目標

1.矩形パルスの幅とスペクトルの関係を説明できる。
2.フーリエ変換における変調定理を説明できる。
3.パーセバルの定理、レーレーの定理を証明できる。
4.信号伝送の収支を計算できる。
5.線形変調(AM、DSB、SSB)の概念および変復調方法を説明できる。
6.AM,DSB,SSBのそれぞれの特徴と応用について説明できる。(C1-3)
7.角度変調(FM,PM)について概念および変複調方式について説明できる。
8.ラジオ放送において、その変調方式が採用されている理由を説明できる。(C1-3)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
1.基本的なパルス波形のフーリエ変換が導出でき、パルスの幅とスペクトルの関係を説明できる。□基本的なパルス波形のフーリエ変換が求められる。 □基本的なパルス波形の幅とスペクトルの広がりについてその関係を説明できる。□基本的なパルス波形のフーリエ変換が求められる。□基本的なパルス波形のフーリエ変換が求められない。
2.フーリエ変換における変調定理を説明できる。□変調定理を示すことができる。 □変調定理の意味するところを説明できる。 □変調定理を証明できる。□変調定理を示すことができる。 □変調定理の意味するところを説明できる。□変調定理を示すことができない。 □変調定理の意味するところを説明できない。
3. 信号伝送の収支を計算できる。□信号の伝送の収支の計算方法説明でき正しく計算できる。□信号の伝送の収支の計算方法説明できる。□信号の伝送の収支が計算できない
4. パーセバルの定理、レーレーの定理を説明できる。□パーセバルの定理を示し、導くことができる。 □パーセバルの定理の物理的な意味を説明できる。 □レーレーの定理を示し、導くことができる。 □レーレーの定理をの物理的な意味を説明できる。□パーセバルの定理を示すことができる。 □パーセバルの定理の物理的な意味を説明できる。 □レーレーの定理を示すことができる。 □レーレーの定理をの物理的な意味を説明できる。□パーセバルの定理を示すことができない。 □パーセバルの定理の物理的な意味を説明できない。 □レーレーの定理を示すことができない。 □レーレーの定理をの物理的な意味を説明できない。
5. 線形変調(AM、DSB、SSB)の概念および変復調方法を説明できる。□.AM、DSB、SSB各変調方式の概念を説明できる。 □.AM、DSB、SSB変調波を数式で表すことができる。 □AM,DSB,SSBの変復調方法についてブロック図及び数式を使って説明できる。 □数値シミュレーションにより各変調方式の変調波とスペクトルを求め図示できる。 □数値データで提供された各変調波を数値シュミレーションによって復調できる。□.AM、DSB、SSB各変調方式の概念を説明できる。 □.AM、DSB、SSBの各変復調方法についてほぼ説明できる。□.AM、DSB、SSB各変調方式の概念を説明できない。 □.AM、DSB、SSB各変調波の変復調方法を説明できない。
6. AM,DSB,SSBのそれぞれの特徴と応用について説明できる。(C1-3)□AM、DSB、SSB変調波の電力、帯域について、各変調方式の長所短所とそを数式およびシミュレーション結果の図によって説明できる。 □それぞれの特徴から応用される場面について詳しく説明きる。(C1-3)。□AM、DSB、SSB変調波の電力、帯域について説明でき、各変調方式の長所短所とその応用についてほぼ説明できる。(C1-3)□AM,DSB,SSBのそれぞれの特徴と応用について説明できない。(C1-3)
7. 角度変調(FM,PM)について概念および変複調方式について説明できる。□角度変調(FM,PM)の概念を説明できる。 □角度変調波(FM,PM)を数式で表すことができる。 □変調方法について詳しく説明できる。 □復調方法について詳しく説明できる。□角度変調(FM,PM)の概念を説明できる。 □角度変調波(FM,PM)を数式で表すことができる。 □変調方法についてほぼ説明できる。 □復調方法についてほぼ説明できる。□角度変調(FM,PM)の概念を説明できない。 □角度変調波(FM,PM)を数式で表すことができない。 □変調方法について説明できない。 □復調方法について説明できない。
8. ラジオ放送において、AM,FM変調方式が採用されている理由を説明できる。(C1-3)□ラジオ放送において、FM放送とAM放送のそれぞれの長所短所とそれが採用されている理由を電力や装置の複雑さ、耐ノイズ性などの観点から詳しく述べられる。(C1-3)□ラジオ放送において、FM放送とAM放送のそれぞれの長所短所とそれが採用されている理由をほぼ述べられる。(C1-3)□ラジオ放送において、その変調方式が採用されている理由を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

実践指針 (C1) 説明 閉じる
実践指針のレベル (C1-3) 説明 閉じる
【本校学習・教育目標(本科のみ)】 3 説明 閉じる
【プログラム学習・教育目標 】 C 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本講義では通信工学の基礎としてAMやFMなどの変調方式について、信号処理の立場から数学的な解説をおこなう。また、各方式について実現方法について解説する。人類が互いに意思を人に伝えるようになった瞬間から、より遠くに、より速く、より正確に伝えるための方策、すなわち通信技術のやむことなき発達が始まった。情報を速く正確に知ることが、あらゆる面で他(人であったり会社であったり国であったり)より優位に立つことができるからである。古くは「のろし」「太鼓」のような伝達手段から現代のTVや携帯電話に至るまでその目的の本質はあまり変わってない。現代の通信技術は、確率論や電磁気学などの基礎的なものから符号理論やトラフィック理論などの専門的な膨大な内容を含む学問、技術の上に成り立っている。なお、本授業ではアナログ変復調を中心に述べ、デジタル技術については専攻科の「デジタル通信」で述べる。
授業の進め方・方法:
授業は教科書の5章までを教科書の順に解説する。1~2週間隔で課題を出し次週までに提出する。多くの課題は数値計算ソフト(MATLAB等)を使って数値計算を行いグラフを出力することにより視覚的に理解を深める課題である。
注意点:
 レポートの内容が不自然に類似している場合は、課題点を人数で案分するので、注意すること。レポート作成に際し教示を受けた場合、レポートに教示内容と謝辞を記載すること。期限後のレポート提出は最大40%の減点とする。
 授業目標6,8(C1-3)が標準基準(6割)以上で、科目全体で60点以上の場合に合格とする。評価基準については、成績評価基準表による。
1.試験や課題レポート等は、JABEE 、大学評価・学位授与機構、文部科学省の教育実施検査に使用することがあります。
2.授業参観される教員は当該授業が行われる少なくとも1週間前に教科目担当教員へ連絡してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
電気通信の進歩の歴史、通信の形態、授業の概要および進め方、評価基準等の説明する
電気通信の歴史、重要性を知る。授業の概要および進め方、評価基準等を把握する。
2週 複素形式でのフーリエ級数展開 複素形式でのフーリエ級数展開を説明できる。
3週 フーリエ変換の定義、フーリエ変換と逆変換 フーリエ級数展開からフーリエ変換との関連を説明できる。
4週 パーセバルの定理とレーレーの定理 パーセバルの定理とレーレーの定理を示し、証明できる。また、その意味も説明できる。
5週 インパルス応答 インパルス応答から任意の信号入力に対する応答の求め方を説明できる。
6週 信号の伝送 信号伝送路における回線収支の計算ができる。
7週 中間試験 80点以上
8週 試験解答の返却と解説 間違った問題について正解を導くことができる。
4thQ
9週 振幅変調方式 振幅変調方式の変調波の時間領域での数学的な表現とそのスペクトル
10週 両側波帯変調方式
単側波帯変調方式
両側波帯および単側波帯変調方式の変調波の時間領域での数学的な表現とそのスペクトル
11週 線形変調波の変復調方法 乗積による変調、チョッパーによる変調回路、包絡線検波と同期検波の原理
12週 角度変調方式 FM変調とPM変調方式の説明と数学的表現
13週 角度変調方式 FM変調とPM変調方式のスペクトル
14週 角度変調方式 FM変調波の変復調方法
15週 期末試験 80点以上
16週 試験解答の返却と解説 間違った問題について正解を導くことができる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力3010000040
専門的能力3010000040
分野横断的能力1010000020